経験則で答えを出すことがどうしてダメなのか、という話

経験をベースに答えを出したり判断することには、少し危険性が伴う。その話を書き留めておこうと思う。なお、ここでいう経験則の対比は論理的思考である。論理的思考によって物事を進めていくことのメリットを挙げていく。

 

人と議論できる

経験則になってしまうと、判断の根拠が「俺の経験」になってしまい、どれが正しくてどれが間違っているかが客観的に判断できない。なので、意見が食い違ったときに、人と議論をして答えを修正する、という行為がとても難しくなる。

論理の積み上げによって答えを導き出す場合は、根拠や思考プロセスが明示されるので、そのどこが違うのかが議論しやすい。前提となる情報が不足しているのか、どこかの判断基準が間違っているのか。集団で作業するときには、こうやって議論をして意見を修正できることのメリットはとても大きい。

 

未知の問題に対応できる

経験則の場合、先に同じ事象を経験していることが大前提になるので、「先例主義」になりやすい。新しい未知の問題が出てきた場合に、対処することが難しくなる。

一方で論理的思考の場合は、未知か既知かは副次的要因であり、未知の問題であっても事象を整理し、論理的に判断を積み重ねていくことで、解決策までたどり着ける可能性が高まる。

 

人格と分離できる

論理的に考えることになると、論理と人格は区別して考えることができるようになる。経験則の場合はそうはいかず、経験によって答えを出すこととその個人は切っても切り離せない。

つまり、論理的に問題に対してアプローチすることは、組織において個人攻撃を回避し、前向きな思考を促す効果がある。

 

最後に・・・

とはいえ、論理的に思考することが全てとは思わない。経験によって得られることも多いし、それによって答えにたどり着くスピードも圧倒的に早くなる。要は、「経験」と「論理的思考」という2つの武器を、どう使いこなすかが重要で、どちらか一方だけが素晴らしいということはない、ということだ。

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