少し前に、国内クラウドソーシングサイトを展開する「クラウドワークス」がマザーズに上場しました。
クラウドワークスが12月にマザーズ上場へ–創業から3年 – CNET Japan
創業から3年で上場ということで、市場の成長性や企業の勢いを感じます。ユーザー数は44万人、企業数は7万社にのぼるそうです。
さて、クラウドソーシングというものをもう少しリアルに考えるために、この本を読みました。企業や個人事業主など、様々なビジネスにクラウドソーシングがどう影響してくるのかを知りたかったので。
勝手なイメージとして、クラウドソーシングに対して以下のような点を主に思っていました。
- クリエイターやプログラマーなどの個人事業主は、クラウドソーシングで仕事を得ることができるようになる
- 物理的な拠点の制約がないので、地方でも仕事を得ることができるようになる
ただ、これって主に「仕事を受注する」側の話なんですよね。それだけじゃなく、「仕事を発注する」側の話もわかってきました。
柔軟性のある組織を構築するための重要な手段としてクラウドソーシングを使う
ビジネスのスピードはどんどん早くなっていて、自分たちの中核部分以外はアウトソーシングする方が、作業や商品開発、市場投入へのスピードを高められるようになっています。また、変化への対応として組織を変える、ビジネスモデルを変える、という対応も求めらます。
そのアウトソーシングのひとつとして、クラウドソーシングが登場してきています。
クラウドソーシングを活用すれば、今までは固定費となっていた人件費のかなりの部分を流動費にすることが可能となる。しかも、必要な時に必要な人数を調達できることから、コスト効率だけではなく、組織の柔軟性を高める効果がある。たとえば、AOLはITエンジニアの大幅な不足のために100件以上の仕事依頼に応えられないという問題に直面した時、クラウドソーシング市場にその問題解決を求め成功している2。
そういう中で、従来は内製化していた作業や外注化していた作業が、クラウドソーシングを利用することで大きくコスト削減、品質の向上、スピード向上を実現できるようになってきています。
これまで述べたようにクラウドソーシングを活用することで組織の柔軟性が大幅に向上し、コストを60〜90%も削減し、商品開発のスピードを4〜5倍に上げることが可能となっている。
特に「組織の柔軟性」は、ひとつ重要な着目点だと思います。クラウドソーシングによって、新しい取組にクラウドソーシングを利用したり、従来の作業をクラウドソーシングで大きくコスト削減できたり、などが実現可能になっているのです。
中小企業や個人事業主は規模をレバレッジするためにクラウドソーシングを使う
もうひとつは、中小企業や個人事業主は、規模をレバレッジするための手段としてクラウドソーシングを利用することができるようになります。
これまでは、近隣の企業と協業したり外注したり、という関係もありましたが、これからはそれにクラウドソーシングへの外注も選択肢に加わります。これらをうまく使いこなせれば、企業としての仕事にレバレッジを効かせて、新しい付加価値を作り上げることが可能になるでしょう。
というわけで、クラウドソーシングは大企業にとっては柔軟性を高めるための有効手段であり、中小企業な個人事業主にとってはレバレッジさせるための有効手段になります。
なんでもかんでもクラウドソーシングでできるわけではなく、仕事の内容によって向き/不向きはあります。それらを見極め、適切にクラウドソーシングを利用していくスキルも、今後は経営にひとつ求められるスキルになるでしょう。
クラウドソーシングをしっかり理解したい人には、この本おすすめです。