アメリカのスターバックスが、大学生の学費を負担する制度を発表し話題になってます。なんでこういう制度を設けるに至ったのかを考察したいと思います。
スターバックスが発表した制度としては、学費の2年分を負担するのが基本のようです。
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超太っ腹! 米スターバックスが「従業員のために大学の学費を肩代わりするプロジェクト」を発表 | ロケットニュース24
アメリカの学費は高騰している
上記の記事にも書いてありましたが、今回の制度にはアメリカの大学の学費が高騰しているのが背景にあります。で、なんで高騰しているのかといえば、官僚主義によって管理者の給与をはじめ、運用コストが上昇していることが原因です。
アメリカ暮らしのファイナンシャル・プラニング Smart&Responsible » アメリカ大学 学費高騰のミステリーの裏には・・・
そして、起業ブームと合わさって大学の価値そのものに議論が呈されていたり、カナダへ流出するような状況も生まれています。
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学費の高騰も影響して、大学生そのものがアメリカからいなくなるんじゃないかという感じです。
スターバックスのオペレーションは学生アルバイトが前提
これも前述の記事に書いてありましたが、スターバックスの全従業員(アルバイト含む)13.5万人のうち7割が大学生か就学希望者とのことです。つまり、大学生のアルバイトがオペレーションの前提になっているので、安定的に労働力として確保する必要があります。
特にスターバックスの場合は、接客サービスにも力を入れていますし、教育にも熱心です。なので、せっかく教育した人にすぐ辞められるのは得策じゃありません。
スターバックスの経営へのインパクトは?
前述の記事によると、一人の学生に対してスターバックスが負担するのは3万ドル程度のようです。
大学で一単位取得にかかる費用は約500ドル(約5万)と高額で、スタバ従業員が2年分の学費を負担してもらえれば、約3万ドル(約300万円)を節約できるのである。
仮に5000人対象になったとすると、1.5億ドルぐらいになります。
一方で、2013年の決算報告書を見ると、売上は149億ドル、利益は24億ドルです。
Starbucks Fiscal 2013 Annual Report – FINAL.PDF(PDF)
なので、5000人対象の場合は6%ぐらいの利益が吹っ飛ぶぐらいの規模感ですね。それでも学生を安定的に確保したり、企業全体のイメージアップに寄与するのであれば、宣伝効果としても良いのかもしれないなあと。アピール上手だなって思いました。
ちなみに、日本でも大学の学費は上昇していますね。急上昇という感じではないので、すぐにスターバックスが同じ制度を日本で展開するってことにはならないと思いますが、大学の価値ってなんだろうなーっていろんな人が思うときは来るのかもしれません。