あなたのアカウントが乗っ取られるかもしれない。対策は簡単なのでやりましょう

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あなたは、同じパスワードを使い回してませんか?

使い回しているようだったら、これから書かれていることを読みましょう。

SNSをはじめとするアカウントの乗っ取りは他人事ではないですし、企業も完全に守ってくれるわけじゃありません。LINE、Facebook、Twitterなどのアカウントが乗っ取られるなんてことも、珍しくなくなってきました。

最近だと、偽レイバンの広告がスパムとして出回るってのがありましたね。

気を付けて!次のFacebook乗っ取り事件は友達も巻き添えに!?対処法まとめ – NAVER まとめ

 

セキュリティ対策は常識になっているので、やっていない人は「迷惑な人」になる恐れがある

アカウントを乗っ取られると、自分の情報が盗まれるだけでなく、スパムを撒き散らしたりします。それによって、さらに被害が拡大していくわけです。SNSでつながっていると、自分の友人に迷惑をかけることになってしまいます。

よくスパムをまき散らす人とは、そりゃちょっと敬遠したくなりますよね?そういうことです。セキュリティ対策は、「やって当然」のレベルまできているんだと思っています。「詳しいことはわからない」では、通用しなくなってますね。

 

個人でできる対策は簡単で、しかもとても有効

個人でできる対策は、意外にシンプルです。

  • 複雑なパスワードにする
  • サービスごとにパスワードを変更する
  • 2段階認証を導入する

これぐらいでほぼ防げます。なぜなら、よくあるハッキングは、どこか脆弱性のあるサイトから盗んだIDとパスワードを使って、別のサイトで侵入を試みるからです。なので、例えばFacebookとTwitterで同じパスワードを使っていたら、FacebookがハッキングされるとTwitterでもハッキングされる可能性がとても高くなってしまうということです。

で、人はいちいちパスワードをたくさん覚えるのが面倒になってしまうので、できるだけ同じパスワードを使いまわすんですね。その特性を攻撃者は使います。

世界的にも、よく使われるパスワードは「123456」とか「password」とか簡単なものが多くなっています。

2014年でもっとも人気のある、そして危険なパスワードは「123456」(最新) – ガベージニュース

こうなると、攻撃者側は簡単なパスワードを使っているユーザーを狙って、ハッキングをかけやすくなるんですね。

 

「1Password」を使えば効率的にパスワード管理できる

上記のようにパスワードを複雑にしてサービスごとに変えるってのは、結構面倒ではあります。でも、それもアプリで解決できます。

もう有名なアプリでありますが、「1Password」を使えば、上に挙げた「複雑なパスワードにする」「サービスごとにパスワードを変更する」ということをストレスなくできるようになります。

 

本当に重要なマスターパスワードを登録しておけば、それ以外のパスワードはアプリが厳重に管理してくれます。ざっくり言えば以下の特徴があります。

  • パスワードや銀行口座、クレジットカードや住所情報など、重要な情報を厳重に管理
  • サービスへログインする際は、1Passwordが自動で入力
  • 複雑なパスワードを発行してくれるので、自分で複雑なパスワードを考える必要もない
  • Dropbox等を利用して、複数デバイスでもシームレスに連携
  • Windows、Mac、iPhone、Androidに対応

まあ、細かいところは検索してみれば丁寧に解説してくれるサイトがたくさんあります。これでセキュリティレベルを向上させつつ、負担なく管理することができます。

Macの方はこちらから。

1Password 5.1(¥3,500)
カテゴリ: 仕事効率化, ユーティリティ
販売元: AgileBits Inc. – AgileBits Inc.(サイズ: 31 MB)
全てのバージョンの評価: (294件の評価)

Windows版はこちらから。Win+Macのバンドル版もあります。両方買う人はバンドル版がお買い得です。 Agile Online Store

ちなみに、iPhoneやAndroidは無料です。

「1Password」は有料で数千円するアプリですが(セールなどで価格が多少変動します)、ちゃんと情報を管理できると思えば、必要な投資です。ハッキングされるリスクを考えれば安いものだと思いますね。

 

とりあえずお金かけたくない人は、2段階認証の設定を

有料アプリは嫌だ!という人は、最低でもまず2段階認証の導入から。Facebook、Twitter、Google、LINEあたりは2段階認証を設定できます。これで、自分のスマホ等にパスワードが送られてくるようになりますので、アカウントをハッキングされにくくなります。

Appleも対応したことだし、主要サービスの2段階認証をまとめてみた – ぐーたら書房

ちなみに、アマゾンは2段階認証対応してないので、1Passwordで速攻パスワード変更しました。それ以外も、基本的には使っているサービスのパスワードを複雑なものに変えています。

 

というわけで、なんとなく同じパスワードを使いまわしている人は、上記の対応をしてみてください。違うサービスで同じパスワードを使いまわさない、二段階認証を設定する。これをちゃんとやりましょう。

 

ちなみに、最近のセキュリティ動向を学ぶなら、この本ぐらい読んでおけば大丈夫なんじゃないかと思います。

【買ってよかった】おすすめのマウスは「ロジクールM705t」

Logicool M705t

皆さんは、普段PCのときにどんなマウスを使っていますか?

僕はほとんど毎日PCでマウスを使っているのに、数年前に買ったミニマウスをずっと使っていました。特に困っていなかったので。

ただ、ふと動きが鈍いなーと思ったのがきっかけで、新しいマウスに買い換えようと決意した次第です。

最新のマウス動向がどうなっているのかわかりませんでしたが、少し調べて、ロジクールのM705tという機種にしました。

価格は普通だと思います。

マウスに強いこだわりがあるわけではないのですが、今回は以下2つの条件を付けました。

  • 無線対応
  • レーザー式

これに対応しているマウスとして、ロジクールのM705tにしたのです。

 

ロジクールM705tの良いところ

マウスパッドがなくても操作の滑りが良い

まずレーザー式なので、非常に滑りが良いです。マウスパッドは使っていませんが、滑らかに動かすことができます。全く違和感や認識しづらさなどはありませんね。

 

スクロールは高速と通常で切り替えられる

真ん中にあるスクロールホイールは、2段階に調整できます。最初よくわからなかったのですが、スクロールホイールの上にあるボタンで、高速スクロールか通常スクロールかを切り替えられます。長いページなどをみていてスクロールを素早く動かしたいときは高速スクロール、それ以外は通常スクロールが良いんじゃないかと思います。ちなみに、高速スクロールでは微妙な位置合わせが苦手なので、気をつけてください。

 

左側面にあるボタンはブラウザでの操作を快適にする

左側面についているボタンで、ブラウザの「戻る」「進む」を行えます。個人的にはよく「戻る」ボタンを使っていますね。意外に、ボタンひとつで「戻る」ができると、わざわざマウスで「戻る」をクリックしたり、バックスペースキーを押すより速くアクションできるので、ストレスが軽減されました。

 

無線だけど電池が3年持つのでほとんど交換しなくて良い

あと、M705tは電池が長持ちすることが売りのようですね。3年間持つといわれています。それほど電池が持つなら、無線でも全く問題ないかなーと。

 

最近のマウスの世界

そもそも、マウスって何を基準に選ぶでしょうか。僕はまずは感度ですね。

マウスを動かしたら、正確にディスプレイ上で狙ったところにカーソルが移動して欲しいですよね。感度を決めるのは、マウスの下にあるセンサーなのですが、これがいくつか種類があります。

マウスの光学式、レーザー式、青色LEDの違いは? – Excite Bit コネタ(1/2)

光学式というのが少し前のもので、今はレーザー式が多いようです。レーザー式の方が感度が良いのですね。というわけで、今回はレーザー式を選択することにしました。

あとは、無線ですね。これももう当然だと思っています。ケーブルなんて邪魔くさいし、これがなくなることでデスク周りがすっきりします。

 

今後のマウスの世界

ロジクールが考える今後のマウスの世界に関する記事がありました。ロジクールってマウスで有名ですが、スイスの会社なんですね。

今後のマウスなどの入力装置が考えなければいけないのは、スマホなどのデバイスが使われる比率が高まっており、タッチ形式で操作する場面が増えていることです。PCとスムーズに操作をつなげたり、人間がストレスなく操作できるようにするのが今後のマウスの行く先ですね。

ロジクールが考える、これからのマウスが考えなければならないポイント ~「ユーザーにとってタッチの感触が興味の的」 – PC Watch

ちなみに、タッチ用のマウスが登場しています。Appleのトラックパッドみたいなものですかね。

これはこれで、一度使ってみたい気がします。

 

さて、マウスを買い替えてしばらく経過しましたが、使いやすくて調子が良いです。手の中にすっぽり収まる感じも使っていて気分が良いですし。

日々使うなら、道具にはこだわるべきですし、マウスは数千円でできる投資なのでお手軽で良いです。最近買い換えていない人はどうぞ。

ワタミの居酒屋戦略が発表。業績の復活なるか

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居酒屋業界において、一時期は時代の寵児だったワタミが、今どういう状況は知ってますでしょうか。

ワタミの新社長が、新しい戦略を発表していました。

ワタミ新社長・清水氏「値上げ失敗だった」安い・ウマイ居酒屋チェーンへの原点回帰新戦略発表会(全文) | ログミー[o_O]

かいつまんでポイントを書くと、以下のような感じです。

  • 付加価値を上げることを目的として、皿単価を上げてきた
  • 20代、30代というメインターゲットからは、「割高」だと評価されて客離れが起こった
  • 「安さ」「美味しさ」を求められているので、原点回帰する

ワタミは既に居酒屋がメインの会社ではない

売上高と利益率の推移を見てみます。

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これだと、売上高は最近鈍化していますが、右肩上がりになっています。利益は急激に落ち込んでいますね。

以前、こういう記事がありました。その中で、ワタミの利益源は既に居酒屋ではない、というのです。

ワタミが102店舗閉鎖?富士フイルムがデジカメ事業縮小?セグメント損益から会社の将来を読み解く斗比主閲子の姑日記

実際にセグメントごとの売上高を調べてみると、このような状況になっています。

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ワタミファクトブックから作成)

外食、介護、宅食という3本の柱があり、外食=居酒屋がまだ一番大きいものの、トレンドとしては低下しています。逆に、介護、宅食は順調に伸びてるんですね。もう、居酒屋だけの企業ではなくなっています。

居酒屋というビジネスモデル自体が古くなってる?

最近、吉野家が提供する「吉呑み」とか、コンビニ飲みとか、宅飲みといったような、新しい酒の楽しみ方が登場しています。

吉野家に赤ちょうちん!「吉呑み」は居酒屋と何が違う?日経トレンディネット

居酒屋より安くてうまい!「コンビニ呑み」が話題 | 日刊SPA!

低価格でそれなりにお酒と料理が楽しめる場所が居酒屋だったわけですが、そういう面でも価値は、他の業態が奪ってきている状況です。こういう状況の変化をどう捉えて戦略に落とすか、というのが求められている気がします。

少し前の東洋経済の記事では、低価格に慣れたユーザーは高価格嗜好には戻らないという内容が書かれています。

2011年3月の東日本大震災以降、食事やお酒を楽しむ際にとにかく安さを求める層と、付加価値を求める層に二分化された。安さを求める層はコンビニで買い求めた食品やお酒を自宅で飲む「宅飲み」や立ち飲み店、ファミリーレストランなどで十分だと考え、ただ飲んで食べるだけでなく仲間との団らんをはじめとする付加価値を求める層は、回数を減らしても少しぜいたくなお店へ出かける。

価格競争に陥っていた居酒屋チェーン各社は、この真ん中で宙ぶらりんとなってしまった。こうなると居酒屋というジャンルがもはや曖昧で、お酒を飲むシーンやスタイルが、細分化されたのだ。逆にコンビニや立ち飲み店、ファミレスはこうした需要に対応するべく、さまざまな手を打ち成果を挙げた。居酒屋は価格の安さではもう勝てなくなった。ただ、いったん下げてしまった価格を、上げてもなかなか消費者は受け入れてくれない。

ワタミはなぜここまで凋落してしまったのか | 外食 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

顧客の嗜好、新しい競合の登場によって、居酒屋に求められる価値は大きく変わってきているんじゃないでしょうかね。

任天堂とDeNAが業務・資本提携。任天堂はスマホゲームに本気か

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任天堂とDeNAが業務・資本提携しましたね。

【全文】任天堂とディー・エヌ・エー(DeNA)、業務・資本提携に関する共同記者発表会 | ログミー[o_O]

以前、このブログでも任天堂について書いたことがあって、任天堂は結構劇的な業績になっていて驚いたのを覚えています。

任天堂の売上高が4年で3分の1になっていてびっくりした
ウェアラブルの時代到来と、任天堂の今後の戦略

任天堂の現状はとても厳しい

まず、任天堂・DeNA・グリーの売上高を比較してみると、こうなります。

NDG Sales

本当、任天堂の落ち込み具合がわかりますね。かつて2兆円を超えた売上高は、いまや6000億円を下回っています。3分の1以下ですね。ただ、規模でみればまだまだ任天堂の方が大きいです。

また、営業利益率もみてみると、こうなります。

NDG Profit

任天堂、利益出てません。マイナスなんですよ。それに比べて、DeNAやGREEの高収益体質がわかります。

つまり、規模は大きいけど調子が良くない任天堂と、規模はまだ追いつかないけど高収益なDeNAで対照的であり、こういう記事が出てくるのも、なるほどなという印象です。

任天堂とDeNAの業務資本提携がまるで没落貴族と新興成金のケッコン式 : 市況かぶ全力2階建

任天堂にはスマホゲームを運営するノウハウがない

ファミコンから始まった任天堂の躍進は、ゲーム機というプラットフォームを自社で開発し、プラットフォーム上のコンテンツを開発することでプラットフォームの魅力を向上させる。そして、他社のゲームを自社プラットフォームに引き込むという「プラットフォーム戦略」でした。Wiiの成功もこのパターンです。

つまり任天堂は、「ゲーム機=プラットフォーム」と「ゲーム=コンテンツ」の両方を作れるから強かったんですね。それが、Wiiのヒット以降は据置型ゲーム機で新しいプラットフォームを作り出すことができず、スマホという巨大なプラットフォームにライトユーザーを奪われる形になったと思われます。本当は、このあたりのライトユーザーこそ、任天堂の味方だったはずなのですが。

とはいえ、任天堂にはゲーム機の開発だけでなく、ゲームコンテンツを作り出す能力もあります。これをスマートデバイスに適用させれば良いと思うのですが、ここはこれまでと違う運営能力が求められます。巨大なサーバー、ビッグデータ分析とスピーディーなゲーム改善、通信によるネットワーク性などです。これらを任天堂は自前で実現することが難しいと判断したからこそ、今回の業務・資本提携になっているのでしょう。

ログミーの記者会見全文でも、任天堂の岩田社長からはっきりそういうコメントが出ています。

それと、そのことによってもうひとつは我々一社がやるのではなくてDeNAさんという強力なパートナーを得ることで、我々の得意でないことで過剰に開発の人員をたくさん投入して、結果ゲーム専用機のソフト作りがおろそかになるというようなことが無いような形で、むしろ逆に任天堂IPをより多くの方に知っていただいて、うまく架け橋をかければ両方のためにプラスになるという答えが見つかったと。

【全文】任天堂とディー・エヌ・エー(DeNA)、業務・資本提携に関する共同記者発表会 | ログミー[o_O]

任天堂はスマートデバイスに対してどこまで本気か

任天堂としては、これまでプラットフォームとコンテンツを一体的に提供することで、ブランドを構築し、価格の高止まりを実現してきました。これが高収益体質を実現してきたわけです。企業が持つ資源には限りがありますし、ビジネスモデルごと変えるためには、企業買収などを含めて大胆なことを起こさないと変えることができません。

今回の判断は、任天堂の従来のスタンスを大きく変えることなく、スマートデバイスのチャネルも活用してみよう、という流れなんだと思います。キャッシュが膨大にあるから耐えられる部分はあると思いますが、今開発中と言われている新型ゲーム機「NX」でどれほどイノベーティブな商品が出てくるかが勝負かな、という気がします。

あと、資本提携のアンバランス(DeNAが任天堂の株10%程度を取得、任天堂がDeNAの株1%程度を取得)さから、任天堂はあまりスマートデバイスに本気ではないのかな、とも思ってしまいますね。

ひとまず、ヘビーユーザー層を狙うなら企業規模自体を縮小してバランスさせると思いますし、規模を狙うならスマートデバイスを本気で狙わないと売上を伸ばしていくのは難しいんじゃないか、と。

ユニクロとしまむらとの戦略の違いは販管費の比率から生まれている

少し前に、「ユニクロとしまむらで、業績に明暗が分かれてるよ」っていう記事がありました。

ユニクロとしまむら、なぜ明暗が分かれたか | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

記事の中でいくつか気になることがあったので、調べてみました。結論からいえば、ビジネスモデルから来る財務構造が、両社のスタンスの違いを生み出しているんだと思います。

売上高と営業利益率の違い

ファーストリテイリングとしまむらの売上高、営業利益の違いをみてみます。業界第3位の青山商事も含めています。

まず売上高。これは、ファーストリテイリングが規模も伸び率もすごいことになっています。しまむらや青山商事と比べるとすごい成長しているのがわかります。

売上高(FR・しまむら・青山商事)

次に営業利益率。こちらは、SPAで展開するファーストリテイリングが強みがあるのだと思っていましたが、ここ数年はどんどん低下してきています。

営業利益率(FR・しまむら・青山商事)

というわけで、規模で考えれば、ファーストリテイリングがダントツの1位に向かって突き進んでいるのがわかります。で、ファーストリテイリングの決算発表をみると、海外売上比率がすごい伸びていて、35%まで達しているのがわかります。

fr

(出所:決算説明会 | FAST RETAILING CO., LTD.のプレゼンテーション資料から抜粋)

一方、しまむらでは台湾と中国に進出していますが、売上高でみると合計で1%にも達しません。

参考に、ファーストリテイリングとしまむらの決算概要のリンクを貼っておきます。
www.fastretailing.com/jp/ir/library/pdf/20150108_results.pdf
www.shimamura.gr.jp/finance/file/6104gaiyou.pdf

コスト構造の違い

両社のコスト構造を見てみました。これを見ると、両社の違いがよくわかります。

cost

昔からよく言われていることではありますが、ファーストリテイリングはSPAモデルなので製造原価が低いです。一方しまむらは、パート社員の活用など、販管費が低いと言われています。

冒頭の東洋経済の記事では、ユニクロの方がブランディングがうまいんじゃないかと書かれています。

それぞれ見る側の好みはありますが、近年のユニクロはテニスの錦織圭選手やジョコビッチ選手、ゴルフのアダム・スコット選手を起用。世界的デザイナージル・サンダー氏の起用やファッションアイコンのイネス・ド・ラ・フレサンジュ氏とのコラボなど、世界の一流といわれる人と組むことによって認知度を上げ、商品力を上げ、洗練度を上げてきています。特にジル・サンダー氏とのコラボ企画などは、それまでの氏の活躍を知っている業界人からすれば、あり得ないとしか言いようのないほど衝撃的な出来事でした。

ユニクロとしまむら、なぜ明暗が分かれたか | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

これは、SPAによって製造原価を落とし、販管費にお金を投入できるビジネスモデルを構築してる、と見ることができるでしょう。逆に、同じぐらいの販管費率をしまむらは投入することが難しい、ということが言えると思います。

ちなみに、ファーストリテイリングの利益率が近年下がっているのも、販管費の低下が要因といえます。売上高に対する製造原価の割合はほとんど変わっていないですが、販管費の割合は少しずつ増加しています。ここも攻めの姿勢で展開している結果かもしれません。

まとめ

  • ファーストリテイリングは海外展開で売上を伸ばしている
  • ブランディングにお金をかけられるのは、ユニクロがSPAモデルで製造費用が低いから

ファーストリテイリングは、「グローバルとローカルの両立」を最近は掲げていますが、業績にもそれは現れてる感じですかね。海外売上を伸ばしつつ、メインとなる日本市場ではローカル志向として、各地域のニーズを細かく拾う形でサービスを展開しようとしています。これが、国内市場でも力強さを発揮してるんじゃないでしょうか。

クラウドソーシングはあなたの企業を大きく変える可能性を秘めている

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少し前に、国内クラウドソーシングサイトを展開する「クラウドワークス」がマザーズに上場しました。

クラウドワークスが12月にマザーズ上場へ–創業から3年 – CNET Japan

創業から3年で上場ということで、市場の成長性や企業の勢いを感じます。ユーザー数は44万人、企業数は7万社にのぼるそうです。

さて、クラウドソーシングというものをもう少しリアルに考えるために、この本を読みました。企業や個人事業主など、様々なビジネスにクラウドソーシングがどう影響してくるのかを知りたかったので。

勝手なイメージとして、クラウドソーシングに対して以下のような点を主に思っていました。

  • クリエイターやプログラマーなどの個人事業主は、クラウドソーシングで仕事を得ることができるようになる
  • 物理的な拠点の制約がないので、地方でも仕事を得ることができるようになる

ただ、これって主に「仕事を受注する」側の話なんですよね。それだけじゃなく、「仕事を発注する」側の話もわかってきました。

 

柔軟性のある組織を構築するための重要な手段としてクラウドソーシングを使う

ビジネスのスピードはどんどん早くなっていて、自分たちの中核部分以外はアウトソーシングする方が、作業や商品開発、市場投入へのスピードを高められるようになっています。また、変化への対応として組織を変える、ビジネスモデルを変える、という対応も求めらます。

そのアウトソーシングのひとつとして、クラウドソーシングが登場してきています。

クラウドソーシングを活用すれば、今までは固定費となっていた人件費のかなりの部分を流動費にすることが可能となる。しかも、必要な時に必要な人数を調達できることから、コスト効率だけではなく、組織の柔軟性を高める効果がある。たとえば、AOLはITエンジニアの大幅な不足のために100件以上の仕事依頼に応えられないという問題に直面した時、クラウドソーシング市場にその問題解決を求め成功している2。

そういう中で、従来は内製化していた作業や外注化していた作業が、クラウドソーシングを利用することで大きくコスト削減、品質の向上、スピード向上を実現できるようになってきています。

これまで述べたようにクラウドソーシングを活用することで組織の柔軟性が大幅に向上し、コストを60〜90%も削減し、商品開発のスピードを4〜5倍に上げることが可能となっている。

特に「組織の柔軟性」は、ひとつ重要な着目点だと思います。クラウドソーシングによって、新しい取組にクラウドソーシングを利用したり、従来の作業をクラウドソーシングで大きくコスト削減できたり、などが実現可能になっているのです。

 

中小企業や個人事業主は規模をレバレッジするためにクラウドソーシングを使う

もうひとつは、中小企業や個人事業主は、規模をレバレッジするための手段としてクラウドソーシングを利用することができるようになります。

これまでは、近隣の企業と協業したり外注したり、という関係もありましたが、これからはそれにクラウドソーシングへの外注も選択肢に加わります。これらをうまく使いこなせれば、企業としての仕事にレバレッジを効かせて、新しい付加価値を作り上げることが可能になるでしょう。

 

というわけで、クラウドソーシングは大企業にとっては柔軟性を高めるための有効手段であり、中小企業な個人事業主にとってはレバレッジさせるための有効手段になります。

なんでもかんでもクラウドソーシングでできるわけではなく、仕事の内容によって向き/不向きはあります。それらを見極め、適切にクラウドソーシングを利用していくスキルも、今後は経営にひとつ求められるスキルになるでしょう。

 

クラウドソーシングをしっかり理解したい人には、この本おすすめです。

映画「最強のふたり」は実話を基にした感動ストーリーでおすすめ

「最強のふたり」という映画を観たのですが、久しぶりに「ああ、良い映画を観たなー」というものでした。

実話を基にしたストーリーで、フランス国民の3人に1人が観たとか、フランスの歴代動員観客数で3位を記録するほど大ヒットした映画です。あと、ハリウッドでリメイクも決まってます。

公式サイトからストーリーを引用すると、こんな感じです。

ひとりは、スラム街出身で無職の黒人青年ドリス。もうひとりは、パリの邸に住む大富豪フィリップ。何もかもが正反対のふたりが、事故で首から下が麻痺したフィリップの介護者選びの面接で出会った。他人の同情にウンザリしていたフィリップは、不採用の証明書でもらえる失業手当が目当てというフザケたドリスを採用する。その日から相入れないふたつの世界の衝突が始まった。

ストーリー|映画『最強のふたり』公式サイト

 

バックグラウンドが大きく違うふたりが、それぞれに刺激を受けながら変わっていく姿が素敵。

フランス映画ってあまりポップじゃないというか、小難しい印象がありましたが、この映画はとてもポップであり、かつハリウッドのようなジェットコースター並みの起伏があるわけでもない。その微妙なバランスが個人的に絶妙でした。笑いがあり、しっとりする瞬間もあり、様々な感情の要素が綺麗に盛り込まれてます。

あと、主演の二人もすごい良いですね。絶賛されてるようですが、それも納得な感じでした。

週末の楽しみにどうぞ。

 

大塚家具の中期経営計画は、イケア・ニトリの低価格路線を目指していないよ

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大塚家具の創業者vs現社長の対決が盛り上がっていますね。

よく見かけるのが、「従来の高級路線 vs イケア・ニトリの低価格路線」という構図で、長女の久美子社長が低価格路線を目指していると表現されることです。

例えば、創業者であり会長のコメントを載せた記事にも、以下の記載があります。

一方で、久美子社長のやり方を、気軽に立ち寄れる店舗だが、低・中価格品シフトによる減収を、経費削減で補う縮小均衡型、とした。 「ニトリ、イケアを意識したら、間違える。家具は使い捨てじゃない。インターネットで、なんてダメ。われわれのよさは、最終的に商品をお届けしたときに、お客様にわかってもらえる」(勝久会長)。

反論!大塚家具、父・勝久会長が沈黙を破る | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

明らかに、ニトリやイケアを意識した捉え方になっています。ただ、久美子社長が公開された中期経営計画書を見れば、その路線が違うことが明らかです。

以下が中期経営計画書の抜粋です。

中期経営計画

これをみると、イケアやニトリが開拓した市場から中価格帯を嗜好する人が出てくるはずで、そこをマーケットリーダーになって取り込むと書いてあります。既存のビジネスモデルで中価格帯から低価格へ顧客が奪われてしまったとあります。

ここからわかるのは、このままイケア・ニトリを模倣する方向性を狙っているのではないということです。

ビジネス環境が劇的に変化している

そもそも、家具市場はどうなっているかというと、全体的に縮小しています。

家具市場

統計データ|一般社団法人日本家具産業振興会の家具小売業時系列データから作成)

だから、従来のような家具の売り方では売れなくなっても当然で、既存のビジネスモデルが衰退期と言われる所以です。これまで家具は新築の時に一式買い揃える、というようなやり方が多く、まとめて買い揃えることができるビジネスモデルが良かったのかもしれません。しかし、これからは「空き家対策」と言われるぐらい住宅のストックがありふれていて、新築が当然のような時代ではなくなっています。

久美子社長がインタビューでこうやって答えてるのが象徴的ですね。

広告宣伝の中心であるチラシの枚数と来店客数の長期的な相関を見れば、かつてのやり方が通じないのは明らかなのです。2002年のチラシは3億枚でしたが、来客数は83万人でした。私が辞めた後の2006年には6億枚を配りましたが、来客は63万人です。20万人も減ったのです。チラシをまけばお客は来るというのは思い込みなのです。しかし会長はこうした長期統計も見ようとしません。

大塚家具、大塚久美子社長が激白!「すべて話します」:日経ビジネスオンライン

イケア・ニトリを模倣しても難しい

イケアやニトリは単なる低価格路線なわけではありません。SPAモデルによって、自社で製販一体とすることで低価格で品質が良い商品を送り出して、支持されてきているわけです。

しかし、先ほどの中期経営計画ではSPAに関しては言及されておらず、あくまで卸・小売のスタンスを変えないのだと思われます。確かに、いまさら同じビジネスモデルで勝負しても、簡単に勝てる状況ではないでしょう。それよりは、別のポジションで優位性を見出した方が勝機がありそうです。

様々な質の良い商品を選定し、新しいライフスタイルとして販売するところに、勝機を見出している感じですね。

まとめ

  • 中期経営計画には、イケア・ニトリに追随するとは書いておらず、むしろ中価格帯以上を維持する
  • そもそも市場全体が縮小しており、既存のビジネスモデルは衰退期
  • イケア・ニトリはSPAになっているけど、そこに飛び込むのは難しい

ニュースを読む限り、とても面白い案件です。

考えさせられるのは、創業者の成功体験というのは本当に根強いものなんだということです。外部環境が劇的に変わっている中で、既存のビジネスモデルで売上・利益を向上させ続けるのはとても難しいと思うのですが。

さて、まずは株主総会でどういう結論が出るんでしょう。

久々に、これを読み返そうかと思います。

ファミリーマートとユニーが合併。今後のコンビニ業界は楽しくなるはず

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ファミリーマートとサークスKサンクス(正確にはユニーHD)との合併が発表されましたね。

ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングス(ユニーグループHD)は3月10日、経営統合に向けた協議を開始すると発表した。来年9月、ファミリーマートを存続会社とし、ユニーグループHDを吸収合併する形を検討する。

ファミリーマートとユニーグループ、来年9月に経営統合へ ファミマ・サークルKサンクスはブランド一本化検討 – ITmedia ニュース

いろいろ簡単に数字を振り返ってみようと思います。

コンビニ業界の飽和と寡占化

以前から言われている通り、コンビニ業界は飽和状態のようです。以下はコンビニ店舗数の平成20年から26年の推移ですが、今5万店ぐらいですね。

コンビニ店舗数
コンビニエンスストア 統計データ|一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会より作成)

ここで今回、合併するというファミリーマートとユニーHDの売上・利益の推移を確認。

まずはファミリーマート。売上高は伸びていますが、利益はやや落ち込みという感じでしょうか。

ファミリーマート

次はユニーHD。こちらはスーパー部門も含んでいるので、単純な比較にはなりませんが。売上も利益も低下しているのがわかります。

ユニーHD

ちなみに、セブン&アイHDはこんな感じです。こちらもスーパー部門があるのですが、それでも売上が伸びて、利益も踏みとどまっていますね。

セブン&アイHD

経営のセオリー的には、ある業界が飽和すると、これまでは競いつつ共に成長してきたものが、競争激化によって潰し合いになります。その結果として、寡占化に向かいます。強いものがより強くなる、という構図ですね。コンビニは大手5社で9割の売上を占めるほど寡占化しているのですが、今回の合併でより一層上位3社の戦いが鮮明になった形です。

総合スーパーはどうなるんでしょうか

個人的には、コンビニも気になるのですが、総合スーパーの今後の方がもっと気になります。スーパーの2大巨頭であるイオンとイトーヨーカ堂も苦戦しています。

小売業全体でみると、総合スーパーのボリュームがまだ大きく、それをコンビニが追いつこうとしています。百貨店は厳しい感じですね。

総合スーパーの終わりと、ネットスーパーの始まり | Synapse Diary

ただ、総合スーパーも伸びるというよりは衰退を待っている感じがあり、業態のひとつとしては成長分野と言うのには難しい状況です。こうなると、どうやって撤退しつつ、新しい分野に投資していくかという全体のポートフォリオを意識した撤退戦略が重要になります。

セブン&アイは随分前からPB商品をコンビニやスーパー、デニーズなどで共有していますし、ローソンもコンビニに生鮮食品を置くなど、境目をどんどんなくしています。ユニーが持つ「アピタ」「ピアゴ」などのスーパーは、今後どうなっていくのでしょう。郊外に行くと、「アピタ」「ピアゴ」のようなスーパー以外に目立って生鮮食品を買うようなところもないのでは?と思う場面にも出くわしたりします。華麗に撤退されると、それはそれで困る人たちも多くなるんじゃないでしょうか。

コンビニに代わる新しい小売フォーマットは生まれるか?

小売業というのは、昔から「売り方」を変えてきた歴史があります。商店街形式から一元的に安く変える「総合スーパー」になり、小規模で多品種を取り扱うコンビニが台頭しました。それ以外にも、コストコのような会員制にするものもありますし、ユニクロやJINSなど専門店も優勢です。あとはネットショッピングも。

ローソンは成城石井を買収してたりしていますし、サークスKサンクスは「K’s cafe」というカフェ併設店を展開しています。

成城石井はなぜローソンに買収されたのか | Synapse Diary

[browser-shot url=”http://www.circleksunkus.jp/cafe/” width=”600″ height=”450″]K’s cafe[/browser-shot]

ということで、これからは一層いろんな「売り方」が登場するはずです。今後のコンビニ業界はどういう「売り方」で顧客のニーズを捉えていくのか楽しみです。

【買ってよかった】ロボット掃除機は激安でも部屋をきれいにしてくれる

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先日ちょっと書きましたが、ロボット掃除機を購入しました。これです。

初めてのロボット掃除機だったんですが、これが結構良かったんですよ。何が良かったかといえば、1万円以下という低価格でありながら、とても部屋がきれいになったんですね。

これで掃除に対する負担が軽減されましたし、部屋がきれいな状態で維持されて精神衛生上もとても良い感じになりました。

 

ロボット掃除機は、10万円ぐらいするものから1万円を切るところまで、価格幅が広がっています。正直、ロボット掃除機を初めて買うのに数万円とか、ちょっと躊躇しません?使ったことないからどれほど効果があるかわからないし。音はどれぐらいうるさいんだろう、とか、自分の生活パターンに馴染むだろうか、とかわからないじゃないですか。

で、1万円以下なら、「使ってみても使えなかったな」と思っても割り切れると思ったんですよね。

 

購入したツカモトエイムのロボット掃除機は、自分で充電ステーションに戻る機能はないですし、自動スケジュール機能もありません。自分でスイッチを入れて、30分か1時間稼働したらそこで止まります。至ってシンプル。なので、部屋のどこかで佇んでいるロボットを拾って充電させてあげなければいけません。

でも、掃除の開始から終わりまで全て自分が知らないところで完結してるより、開始のスイッチを押して、終わったらピックアップしてあげるという行為が、ロボットの動きを把握できている感じもあり、安心して使えています。慣れてきたら、もっと高機能なものを買うかもしれませんが、今のところこれで十分です。