理不尽な上司に立ち向かう方法を考える

残念ながら、どの職場にも理不尽な上司というのは生息しているものなのかもしれない。というか、人は完全に理屈だけではできていないし、どれだけ偉くなろうとも、人は論理だけでは感情を押し殺すことはできないのかもしれない。

 

しかし、残念で理不尽な上司のせいで、いろんな人が不利益を被る場合がある。あるいは、力量不足だったり疲労困憊で、明らかに業務が回っていない場合がある。そういう場合に、どう立ち向かうべきだろうか。

 

会社なんていつ辞めても構わないというマインドを持つ

まずは精神論から。会社に雇われている、という立場を刷り込まれると、会社を辞めれないという状況に流され、立場的に弱者になる。まずこれが、理不尽なことがあっても押し殺してしまう原因になる。

 

会社は日本全国で約420万社もある。世の中には今の会社ひとつだけではないし、そう考えれば今の会社にこだわらなくたって良いんじゃないか。

 

ここで言いたいのは、立場的に弱者として自分を封じ込めてしまうと、理不尽な状況は打破できないということ。逆に、会社に居続けたいという気持ちを捨てると、途端に自分が楽になる。多少思い切ったことも言えるようになる。

 

一度は論理で対抗してみる

理不尽であるから論理は通じないのだろうけれど、まずは理詰めで攻めてみる。自分の論理が甘くて潰されている可能性もある。ちゃんと論理だてて主張をすると、理解を示してくれる大人もたくさんいる。だから、自分の主張が論理だっているかを検証した上で、一度は主張してみることが重要だ。

 

上司の上司に相談してみる

主張してみてもだめな場合は、上司の上司に連絡してみる。上司の上司は、問題の上司を管理する立場にあるのだから、問題が提起されたらそれに対して対応する必要がある。上司は理不尽でも、上司の上司は理不尽じゃないかもしれない。それでも解消されないようなら、会社は見限ることも考えても良いかもしれない。

 

理不尽な人と接したり、戦うことは、非常に心が疲れる。できるだけ適度なストレスで仕事ができると、いろんな人が力を発揮できるだろう。

 

「決断」の種類と重要性について考える

管理者やリーダーになればなるほど、何事においても決断を迫られる機会が多くなる。というわけで、決断について書く。仕事をして気づいたけれど、決断にはいくつか種類がある気がしている。

考えるのが面倒に思うことを決断する

「考える」という行為は、結構しんどいもの。何かを決める、という行為はどんな軽い事柄でも精神的にエネルギーを使うものだ。だから、今日の夕飯をCookpadに頼ってみたりするように、誰かに決めてもらうと楽な気持ちになる。

同じことが仕事でも起こる。自分の中で迷いが生じ、考えるエネルギーがなくなると、思考停止になって上司に相談する。こういう場合は、あまり複雑な問題ではないことが多いので、考える負担を減らすために、妥当な(適当な)理由をつけて決めれば良いと思う。

コンフリクトした事象について決断する

内部であったり、顧客とであったり、いろんな場面で意見の衝突は起こる。これは当然だ。こういう場合に、どうやって決断し、導くかがリーダーの手腕の問われるところ。

コンフリクトした事象は、まず事実を整理し、両者の意見が理解できるものであればその意思を示し、最後には決断の根拠を説明した上で決定事項を伝える。全体最適の観点や組織のイデオロギーに従った判断基準があるはずだ。コンフリクトした場合は、双方の意思を尊重するとともに、決断の根拠を明確に示すことが、禍根を残さないポイントだと思っている。

前例のないこと、新しいことについて決断する

組織というのは、時間の経過とともに状況が安定すると、おのずと視野が狭くなり、変化に対して硬直的になる。だから、新しい視点というのを入れて変化に対応できるようにならないと、気づいたらあっという間に組織が崩壊する。

しかし、前例のないこと、新しいことを始めるのリスクがあり、勇気が試される。それでもチャレンジしなければならない。決断とは、そういう要素が含まれると思っている。

適切なタイミングで決断されないと、いろんな作業が滞ってしまう。決断というのは、精神的な労力と戦いながら、いかに考え抜くかだと思う今日この頃。

企業のピラミッド構造から組織の特性を考えてみる

組織というのはある程度の規模になると、大抵はピラミッド構造になる。これは、組織には難易度が異なる作業や判断があること、複数人の作業内容を束ねて組織としての状況を把握する必要があることなどが理由になる。

ただ、ピラミッド構造を前提とした場合でも、少しパターンがあるのではないかと思ったので、考えてみる。ポイントは、人がどのように代謝されるのかという点です。

基礎編

スタンダード

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日本の大企業によくある。ピラミッド構造が正しく保たれる。高位になると、子会社への出向など比較的平和な方法によって、適切に人を組織から排除する仕組みができている。

全体的に圧縮

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外資系とかリクルートのようなイメージ。ピラミッド構造が全体的に潰れた感じになっている。全体の年齢構成が若く、仕事量も多く早い成長も求められる。独立志向が強いため、定年を待たずに自ら出ていくか、もしくは実力で弾きだされる。

均等割

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公務員が典型パターン。定年まで勤め上げるので、高位になると差がついてきて、組織内でダブついてくる。全体でみれば、若い年代が不当な賃金になっている可能性がある。もしくは、ジェダイのような一子相伝のパターンもこれにあたるかも。

こう考えると、日本の大企業とか公務員以外で雇われる人は、どこかで企業を出ないといけない気がするなあ。仕事をする上では、そういうことも考えないといけないね。

応用編

重心を失ったピラミッド

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適切な代謝が利かなくて、上が膨らんでしまったパターン。どこかで破綻するので、その場合ははみ出したところがスリム化される。

もうピラミッドじゃなくて良いや

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現在の組織を守るために、新規採用を止めるパターン。自分たちをスリム化せずにこういう選択をする組織は、保守的な傾向があるのかもしれない。

こう考えると、大きな組織でも適切なバランスを欠くとどこかで破綻することがわかる。特に、定年になる40年ぐらいなんて、企業の寿命としては怪しくなってきている。これまでの大企業も破綻してしまうし、ビジネスの変化スピードも早くなっているのだろう。となると、どこかで今の組織を出ることを前提に、キャリアを描かないと後々で急に解雇と言われて、違う会社では使えない人になっているのかもしれない。こう捉えると、企業の言いなりになるのはおかしいと思えるよね。

集合知の力、衆愚の罠

集合知の力、衆愚の罠――人と組織にとって最もすばらしいことは何か
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集団で議論をしていると、こんなに人が寄り集まっても間違った判断をするのかと驚きもするし、逆に複数人が集まることで個人では出ないアイデア、行動が生まれる。この違いは一体何か。それを知りたくて、興味を持って読んだ。途中から内容が、精神の世界にとんでしまったため、理系の僕としてはよくわからなくなった部部分が多く決して読みやすい本とは言えないが、衆愚のパターンとして書かれていた内容は、示唆に富んでいた。

衆愚が発生するパターンは次の2つだと述べられている。

・分断

・偽りの統合

これは、人は小さな集団として捉えて凝集性を高めると、自ら間違いを見いだせなくなり、誤った判断をしやすい。逆に、広く捉えようとしても、その中に偽りの感情が混じると、異論があっても表面化しないため、間違った論理が導かれやすい、ということだ。

つまり、集団の凝集性が高すぎてもだめだし、低すぎてもだめだということを示している。なぜだめになるのか。それは、人それぞれの差異を集団が受け入れられなくなるからだ。

集合知の発生がもっとも確実となるのは、集団の構成員が安心感と問題意識の両方を持って、自分の中の再考のもの、そして集団の中で、また集団にとっての再考のものを見つけようとするときだ。

部下の意見を認められないリーダーは、偽りの統合か分断を招きやすい。結果的にどちらも一緒だ。組織内に自浄能力が働かなくなる。ここで書かれているように、意見を言いやすい環境と、問題意識の両方を高めることだ。どちらが欠けても、充実した集合知は得られない。

差異を認める安心感をつくる

安心感とは、言い換えれば様々な人の意見が受け入れられる状況のことだ。発言したことが受け入れられるのは、その人の承認欲求を満たすことにもつながる。否定されるかもしれない、と怯えていたら誰も意見なんて言わないものだ。

否定するときも、真摯に、かつ丁寧にその理由を説明することが重要だ。部下が自分よりアホで、意見がとても受け入れられる内容ではない、と思っている人は、次の言葉を覚えておくと良い。

集団内にあるであろう差異こそが、新たな可能性の源となる。

問題意識はどうやったら浸透するか

集団の定義と問題意識は結構密接な関係があると思う。自分たちが属している集団の範囲や、内容をどう捉えるか。そして、自分たちが関係している人たちがどういうグループなのか、ということだ。その関係性の中で何を考えるべきかがみえてくる。

そして、未来をみせること。どういう考えをもって未来に向けて取り組むべきかを示せることができれば、正しい問題認識を持って対応を考えることができる。意識というのはそういうところからできてくると思うのだ。

短期思考で、人のモチベーションを下げてしまう仕組みを平気で取り入れている企業もある。けれど、ちゃんと集団の力を活かすためには、安心感と問題認識を高める工夫と努力が、これからの組織には求められる。

部下にNoと言ってもらえる上司になろう

新年になって、久々にチームマネジメントネタでも書こうと思ったので、一本書いてみる。

上司になると、部下に指示する立場になる。なってみてわかったが、偉くなればなるほど自分の言葉に重みが出てしまうものだ。不意に思いついて「これやっておいて」と言っておきながら、自分の思考が足らずに部下の作業をムダにしてしまうことがある。こういうときに、自分の甘さを噛み締めるとともに、自分の意見に対して部下にNoと言ってもらえたら、自分のくだらない命令で大事な時間をムダにすることもなかったのに、とも思う。

というわけで、日頃からチームメンバーにはNoと言ってもらう環境を作ることが、有機的な組織をつくる上で重要なのではと思っている。その対策をいくつか挙げてみる。

自分が間違える場合があることを前提にする

いろんな発言をする上で、人は誰でも間違えることを前提に言葉を選ぶ。気をつけなければいけないのは、これが過剰になると、単なる優柔不断で決定する能のない管理者になること。決めるときは決める。ただ、議論の過程では自分が絶対であるような、「俺の言うことが正しいに決まっているいる」発言をしてはいけない。

必ず発言する機会を設ける

議論や会議を終えるときに、「何か意見は?」とか「質問・疑問はありますか?」という発言機会を設ける。タイミングを逸したり、パーソナリティによっては割り込んで積極的に発言しづらい人もいる。これを忘れないようにすると、大体誰か注意深い人が、気づかない点を指摘してくれる。

他人が発言した意見は素直に受け入れ、有益であれば採用する

せっかく発言したのに、それが見事全て却下されたらやる気が失せる。全部受け入れろというのではなく、自分の中で冷静に思考して、有益であれば実際に採用する。「自分の発言が結果につながる」という事実が、人のやる気を引き出すのだと信じている。

否定ではなく、発言の理由を考える

発言してもらった内容が、自分の中で納得できないものであった場合どうするか。その場合は、まず「なぜその人がそういう発言をするに至ったか」を考えてみる。わからない場合は、理由を直接聞いてみても良いと思う。すると、それなりに理由があったりする。人にはいろんな見方がある。安易に否定するのは勿体無い。

自分が決断した理由を説明する

事実は複数ある。見方もいろいろある。正解はひとつではないのがほとんどだ。でも、何かしらの理由に基づいて、人は日々決断している(それが感覚的なものであったとしても)。僕は、重要な決定に限らず、メンバーに関連する決定事項は、可能な限りその理由を説明することにしている。そうすることで、不信感も生まれないし、組織がどういう論理で回っているかを理解してもらえる。いつも見当違いな意見を言う人も、自分が決断した理由を説明すると、徐々に思考を合わせてくれるようになる。(素直に追随されるのも考えモノだけれど。)

いろいろ書いて気づいたけれど、僕は人のモチベーションに興味があるのだと思う。それが、人の人生を豊かにし、結果として良い仕事を生み出すと思うからだ。今年も自分が良いモチベーションで仕事に臨めますように。

日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方

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独立して起業したら、こういう集団を作ろう。組織の制度設計を考える上で、いろいろ学ぶ面が多い。「しない14か条」とか、非常に面白い。

常識と立ち向かう勇気

「顧客に会わない、電話を受けない」を徹底すると、「営業マンがいらない」「電話がかかってこないため仕事に集中できる」「全国の中小企業にサービスを提供できる」「急激に注文が増えても対応できる」「良いものを安く提供できる」など、我々とお客様双方にメリットがあります。

何かを引き算することで、新しい価値を生み出すことができる良い例だろう。さらっと書いてあるが、このような一般常識として定着していることに逆らって遂行してゆくのは勇気がいるに違いない。自分や他人の中にある常識や思い込みというのは、なかなか粘り強く、思考から離すことができない。そして、離れたとしてもそこから周囲と戦い、納得させていくのは難しいし、「本当にこれで良いのだろうか」と不安にもなる。

何かを「付け足す」のはそれはそれで難しいけれど、何かを「止める」のはもっと難しい。リーダーになったならば、その覚悟を持たなきゃいけない。

従業員に何としても居場所を与える努力をする

部署異動で解決できない場合は、その本人の最も優れている強みが発揮できる部署を新設します。

中小企業のメリットが活かされた策だな、とうらやましく思う。大きな組織に属していると、制約がいろんなところに潜んでいて、このようなドラスティックな人材活用は実際は難しいことが多い。組織についていけない人がいたとしても、やる気があるのならば、それにふさわしい役割を与えることでいろんな人が活躍できる組織を考えてはみるものの、なかなかうまくはいかずいろんな人が去るのを見た。(やる気がない人は、早く出てけと思ってるけど。)自分が独立したら、この考えを忘れずに臨みたい。

具体的な社内制度やビジネスに使えそうなツールが満載。いろいろ決定する際に数字決めるのが面倒だから、予め数字を決めておいて、その組み合わせで決めるっていうのが、個人的には目から鱗だったなー。この本は売らずに、独立する前に読み返せ、自分。笑

「つながり」を突き止めろ

 

人とのつながりを科学することは、本当に面白い。「つながり」を科学した入門書なので、単純な雑学として読んでも面白いが、社会や組織で生きていくことを考察する上でも、非常に興味深い。

 

組織は階層構造によって権威を保つが、ネットワークではメンバーの持つ知識や技能が権威の源泉となる。

僕は、今の社員の優遇化は瓦解され、人材の流動化が活発になると思っているが、その場合は組織に属する意味が薄れていく。副業や兼業ももっと増えてゆくと思う。

 

企業の枠を取り除いたとき、いかに自分が弱い存在であるかに気づく。激しい就職難の時代で、既に就職して企業に属している自分が言うのもなんだが、企業に過剰に期待してはいけない。労働者は労働力を供給する代わりに、賃金と経験と知識と人脈を得るのが健全だと思う。組織の中ではなく、組織の外に目を向けるべきなのだ。

 

ハイ・パフォーマーは、組織内部に広い信頼・協調関係を張りめぐらしており、人々の関係のブローカー(仲介者)となっていたのである。

ある組織で結果を残す人は、いろんな人と信頼関係を築き、ネットワーク間のハブの役割を担っていることが研究結果として示されている。これは妙に納得した。

 

勇気を持っていろんなネットワークに飛び込み、情報を交わし、刺激を受け、自らの仕事に還元してゆける人が「仕事ができる人」になるのだろう。組織で生き残ることだけを考えている人は、こういう部分で限界を迎えるのかもな。

 

そして最後に。

良き人間関係には、抑止力があるのだ。そして良き人間関係の欠如は、暴走を生みやすい。

孤独に耐える精神力も必要だが、時に人の精神は脆い。つながりが支えてくれる部分は大きいことを、本書を読んで再確認する。

この情報共有が利益につながる

情報共有やナレッジマネジメントの本の中では、これが最も整理されてる。出版は2004年だけど、今読んでも十分通じる。

 

ピラミッド型の組織では動きが鈍く、劇的に変わる環境に対応できなくなる。そこで可能な限り下部組織に権限委譲して、自ら変革してゆく組織が勝ち残ることになる。各自が能動的に行動するためには、組織内で十分な情報共有が行われる必要があるのだが、皆本当にできてるだろうか。

 

文書管理したり、ポータル作るぐらいは知識共有のファーストステップにすぎない。情報をアクセスするだけでなく、人のコミュニケーションフローをどう効果的にするかも重要だ。暗黙知を形式知に、とかいっても、結局本当に重要な情報は人の頭の中にあるのだから。

 

というわけで、ナレッジマネジメントを十分にできているところは少ないから、どこも改善の余地はあるだろう。これ読んで、目の前の組織を変えよう。

 

チームに上手に学習してもらう仕組みを作る

今後の組織は、トップダウンに頼るピラミッド型ではなくて、個人が自律的に考え、行動していく必要があると思うので、チームにうまく継続的に学習してもらうにはどうするか、ということを考えてみたい。

 

シングルループとダブルループ

学習サイクルにはシングルループとダブルループという考えがある。シングルループは、ある目的に向かって学習していくこと。ダブルループは、その目標も見なしながら学習を進めること。

 

シングルループだけでは、目の前の作業を改善することだけに膠着してアイデアが広がらなくなってしまうので、ダブルループ学習を意識した仕組みを組織内にインプリメントする必要がある。以下は、自律的に学習し、課題解決できるチームを作るためのアプローチ。

 

1.新しい知識の収集・共有

部下に積極的に、新しい知識や見方を共有する。例えば、システム運用であればシステムが対象とする業務分野の動向や背景。システムに関する技術動向なども良い。部下に、仕事に関連する様々な知識の幅を広げてもらうきっかけを作る。

 

「こういうの知ってる?」という会話が時々交わされるだけで、いろんな人の視野は広がるんじゃないだろうか。

 

2.作業に対する定期的な振り返り

経営の教科書」で述べられていたが、自分たちの作業を定期的に見直す機会を設けることは非常に重要だ。どうしたらもっと効率良くなるか。起きてしまった失敗は、今後どうやったら防げるか。過去を一度振り返り、事象を掘り下げ、改善策を練る。その過程は、日々の業務に追われているだけでは解決できない。

 

てか、PDCAサイクルをちゃんと回さないと、継続的に改善する体制にはならないよ。

 

3.定常作業とは異なる課題タスクの立ち上げ

定常作業を中心にしていると、長期的に重要な課題に対する取組がいつまでも行われないままになる。これを回避するために、課題タスクフォースを立ち上げ、定常作業とは別で取り組みを進める。リーダーの旗振りが重要だ。

 

4.自主的な課題の発見と解決

3.と似ているが、業務時間の一部を使って、スタッフが自分で課題を発見し、解決することをルール化する。Googleの20%ルールが有名。各自がいろんな視点から課題を考えるきっかけになるし、新しいアイデアの創出にも寄与するだろう。

 

こういう仕組みを強い意志で辛抱強く進めることで、チームは自分たちで考えながら進化していくようになる。

 

タイムマネジメントの考え方

同じコンサルタントでもタイムマネジメントが下手な人もいる。仕事が終わらず連日徹夜。家庭も崩壊とか。というわけで、僕なりのタイムマネジメントの考え方を書く。

1.自分の時給を知る

まずは自分の時間当たりの価値を知ることから始まる。年収/労働時間なので、簡単に算出できる。

時給がわかれば、自分の時間をどう使うべきか意識できるようになる。わかりやすいのは移動時間だ。例えば、電車だと駅までの徒歩も含めて1時間。タクシーだと20分で、自分の時給を3000円と仮定する。

 電車:300円(電車賃)+3,000円(1時間分の労働時間)=3,300円

 タクシー:2,000円(タクシー代)+1,000円(20分分の労働時間)=3,000円

こういう計算がさくっとできるようになれば、自分の時間がどれくらい貴重かわかるというものだ。

2.人に頼めることはどんどん頼む

自分で抱え込む傾向にある人がいるけれど、それはNG。自分の付加価値をあげるためにも、人に任せられる仕事をアウトソースしないといけない。

3.見えないコストを測る

精神的・肉体的疲労などは、表層には見えにくく定量化するのは難しいが重要だ。精神的ストレスや肉体的疲労は、作業効率が低下して、結果として時間が失われる。そういう事態が予想される場合は、金銭的解決の可能性を考える。ちょっとした金額で疲労を回避できるなら素晴らしい限りだ。

4.長期的目線で考える

結婚するまでは特に考えなかったが、ワークライフバランスというのもタイムマネジメントを考える上では重要な要素を占めてくる。(独身ならば、目一杯気にせず働けば良いけど。)

プライベートの安定は、自分の仕事を安定させる。そういう意味でプライベートの時間も重要と思えるようになった。あと、出産などのライフイベントは一生でその時にしかできないこと。そう考えると、たかが仕事に比べてとても貴重に思えてくる。仕事を休んだって良いじゃないか。

5.コミュニケーションには時間をかける

上記に挙げた考え方でいくと、人とのコミュニケーションなんてストレスが溜まるし、効果も見えづらいから効率化・省力化に走ってしまいがちになる。しかし、コミュニケーションは時間と労力を惜しんではいけない。コミュニケーションが希薄で、言いたいことや重要なことが共有できていない組織は、大抵どこかで大きな失敗をやらかすのが定石。

これぐらいかなー。