今後の組織は、トップダウンに頼るピラミッド型ではなくて、個人が自律的に考え、行動していく必要があると思うので、チームにうまく継続的に学習してもらうにはどうするか、ということを考えてみたい。
シングルループとダブルループ
学習サイクルにはシングルループとダブルループという考えがある。シングルループは、ある目的に向かって学習していくこと。ダブルループは、その目標も見なしながら学習を進めること。
シングルループだけでは、目の前の作業を改善することだけに膠着してアイデアが広がらなくなってしまうので、ダブルループ学習を意識した仕組みを組織内にインプリメントする必要がある。以下は、自律的に学習し、課題解決できるチームを作るためのアプローチ。
1.新しい知識の収集・共有
部下に積極的に、新しい知識や見方を共有する。例えば、システム運用であればシステムが対象とする業務分野の動向や背景。システムに関する技術動向なども良い。部下に、仕事に関連する様々な知識の幅を広げてもらうきっかけを作る。
「こういうの知ってる?」という会話が時々交わされるだけで、いろんな人の視野は広がるんじゃないだろうか。
2.作業に対する定期的な振り返り
「経営の教科書」で述べられていたが、自分たちの作業を定期的に見直す機会を設けることは非常に重要だ。どうしたらもっと効率良くなるか。起きてしまった失敗は、今後どうやったら防げるか。過去を一度振り返り、事象を掘り下げ、改善策を練る。その過程は、日々の業務に追われているだけでは解決できない。
てか、PDCAサイクルをちゃんと回さないと、継続的に改善する体制にはならないよ。
3.定常作業とは異なる課題タスクの立ち上げ
定常作業を中心にしていると、長期的に重要な課題に対する取組がいつまでも行われないままになる。これを回避するために、課題タスクフォースを立ち上げ、定常作業とは別で取り組みを進める。リーダーの旗振りが重要だ。
4.自主的な課題の発見と解決
3.と似ているが、業務時間の一部を使って、スタッフが自分で課題を発見し、解決することをルール化する。Googleの20%ルールが有名。各自がいろんな視点から課題を考えるきっかけになるし、新しいアイデアの創出にも寄与するだろう。
こういう仕組みを強い意志で辛抱強く進めることで、チームは自分たちで考えながら進化していくようになる。