最近、個人的な関心領域として「データ・ドリブン」があります。
不確実な時代では、まずは試し、その結果を素早く検証して改善していく経営が求められます。それを体系的に整理したのが「リーン・スタートアップ」です。
また、スマートフォンが爆発的に普及したことで、ITサービスが習慣的に使われるようになっています。それを利用して、ユーザーのデータを収集・分析し、よく使われるサービスにしていくフレームワークも生まれています。
データ・ドリブンな組織が違いを生み出していく
例えばアマゾンは、自社のWebサイトで常に膨大な数のテストを実施していると言われています。様々なテストを行い、その結果を評価し、より良い結果を生むようにしています。Amazonで買い物していると気づきますが、しょっちゅうレイアウトやユーザーインターフェースが変わっていますよね。
つくづくアマゾンは本屋ではなくIT企業なんだと痛感しますが、こうやって常に膨大な数のテストを行い、素早く改善していれば、そりゃ作りっぱなしになっているようなWebサイトに比べれば強くなりますよね。
実際にそういう組織をつくり上げるためには、ある程度技術的な理解が必要になりますし、常にテストし改善するための人材確保と体制づくりが重要になります。A/Bテストでも、テストを設計し、実現方法を検討し、得られたデータを分析するスキルが必要です。また、経験や勘も重要ですが、データに基づいた判断を尊重することが、組織の考え方として根付いていることも「データ・ドリブン」」の条件になります。
そうやって考えると、自分の日々の作業や判断が、意外にデータに基づいて行われていない、あるいはもっとデータを活用できるはずなのに眠らせている状況に気づきます。
データ・ドリブンな企業はデータ収集も広げている
Amazonは、昔から自社の商品だけでなく「マーケットプレイス」で他社や個人も出品できるようにしています。これは、自社プラットフォームに自社以外の商品の購買データが集まってきます。それを分析し、新たな戦略に使っています。また、最近ではモバイル決済にも進出しましたが、これも中小企業などリアル販売のデータを収集し、活用することが目的に含まれています。
Googleはホテル検索やショップ認定などを行い、通常の検索だけでなく、決済データも取得できるようにしています。
Googleがホテル検索を提供する理由は?
Google認定ショップがECサイトの救世主になるのか
これらの企業は、自社以外にも積極的にデータを収集できる領域を広げ、自社サービスを拡大したり改善することを狙っているわけです。
そうやって考えると、データを活用できる企業は、どんどんデータ領域を広げています。そうなると、データを活用できない企業との差は開いていく一方でしょう。
ということで、僕はデータを活用し、経営に活かしていける組織こそ、今後必要なスキルだと思っています。ぜひデータ・ドリブンでいきましょう。
データ・ドリブンな組織を創るためのヒントは、この本に書かれています。