Googleが「認定ショップ」というプログラムをはじめてます。
Google 認定ショップ
[aside type=”warning”] Google認証ショップというプログラムはすでに終わっており、代わりとしてGoogleカスタマーレビューが提供されています。
Google 認定ショップ プログラムに代わり、Google カスタマー レビューの提供を開始 – Google 広告主コミュニティ [/aside]
Google認定ショップに登録すると、注文件数や注文におけるトラブルの発生・解決、出荷の期日や注文から出荷までの平均日数が表示され、顧客が安心して購入できるようになります。また、Googleによる無料の購入補償が含まれていることも特徴です。
日本でもパイロット版ということで、いくつかのECサイトが認定ショップになっています。
以下のサイトにアクセスすると、右下に認定ショップのマークが出てくるのがわかります。
ECカレント | 家電・パソコン 通販 ECカレントの通販サイト
イーベスト | 家電 ベスト電器グループの通販サイト
ABCマート通販 – 靴(スニーカー、シューズ等)の総合通販 ABC-MART.net
ニキビケア・吹き出物予防のプロアクティブ【通販・販売公式サイト】
ユナイテッドアローズ公式通販 -UNITED ARROWS LTD.-
Google認定ショップの特徴
みればわかりますが、既存のECサイトに認証マークを設ける形です。登録自体は無料ですが、配送などの実績をショップの評価に使いますので、これらに関するデータをGoogleに送ることが条件になります。
審査を希望する通販サイトは、配送実績データや顧客対応データをグーグルに提供。あわせて、購買履歴データをグーグルが自動取得するプログラムをサイトに埋め込む必要がある。グーグルはサイトが提供した実績データと自動取得した購買履歴データを突き合わせて、通販サイトの自己申告に偽りがないか検証する。
恐らくGoogleの狙いとしては、次の2つなんじゃないかと思います。
- 購買データの取得
- ECの活性化による広告価値の向上
ECサイトとしては、既存のサイトを大きく変更したり、別のプラットフォームに乗り入れる必要はありませんので、Amazonや楽天などの既存のショッピングモール型は脅威になるでしょう。これまでも、自社ECサイトとショッピングモールのページでは二重登録になり、SEO上も管理上も煩わしくなっていました。
Googleとしては非常に良いアプローチを考えたものだと思います。
購買データを獲得することが最大の狙い
Amazonや楽天の最大の強みは、購買データを持っていることです。それによって、リコメンドやマーケティングに活用することができます。Googleとしては、このあたりをどうにかして獲得できないか模索していたんだと思います。なぜなら、購買行動においてユーザーが直接Googleで検索してくれなくなっているからです。
買い物をするのに、検索エンジンではなくAmazonからスタートするというのは大きな変化です。これはどのようなことを意味していると考えるべきなのでしょうか。検索エンジンよりもAmazonで検索した方が自分の目的が達成されると考える消費者が増えているということです。商品を検索するのにおいて、各種検索エンジンよりもAmazonの方が優れていると評価されているのです。
AmazonとGoogleが購買履歴を使った広告ビジネスで競合 | マイ・ストアニュース
確かに何かを買おうと思えば、入手できそうで信頼できるECサイトにまず訪問し、そこから検索ボックスで検索します。そうなると、Googleは完全にスキップされた状態になってしまい、Googleのビジネスモデルの根幹である「検索したいユーザーをマッチングする」というプロセスが崩れてしまいます。
認定ショップを導入することで、Googleで例えば商品名を検索すると、検索結果にECサイトが並び、そこから購買行動に移すことができるようになります。また、購買データを取得し分析することで、検索ワードや検索行動とECサイトへの誘導のマッチング精度の向上も期待できるでしょう。Googleとしてはそのあたりが狙いなんじゃないかと思います。
大手は分散型、中小はモール型
今後の業界に対する予想としては、ECサイトを独立して維持・運営できる大手企業は、Googleのような分散型を好むでしょう。モール型にわざわざ登録するメリットがないですし、Googleなどの検索エンジンやソーシャルからどうやって自社ECサイトへ誘導するかが目的となります。
中小はモール型の方が手軽で便利そうです。サイト構築の手間もある程度省けますし。サポートも手厚いと思うので。
まだGoogle認定ショップはこれから普及が試みられるのだと思いますが、モール型か広告か、という選択肢に限られていた大手ECサイトには、魅力的な選択肢が増えるんじゃないでしょうか。