テレワークは今後普及するか

今回の震災によって都市部の交通機関が麻痺したりしたことで、テレワークがにわかに注目されている。少し古い記事だけど。

アメリカ政府でテレワーク法案が通される見込み

Obama signs telework bill into law — Federal Computer Week

連邦政府のテレワーク適格者の条件を広げる法案が通る見込みらしい。これによって、政府の作業効率は上がり、連邦政府で働こうという人への魅力が向上し、自然災害時の安全性が向上する、というメリットが得られるとこの記事の専門家はコメントしている。

日本でも、総務省がテレワークを数年前から推進しているし、

総務省|テレワークの推進

自治体へのテレワーク導入も推進している。自治体の事例だと青森県が有名かな。

青森県庁「先進的テレワークシステムモデル実験」の実施について – 青森県庁ホームページ

ちなみに、青森県は豪雪地帯が多く、吹雪が発生すると公共交通機関に支障が出て通勤がままならなくなる、という事情に背中を押されたようだ。

テレワークは、個人としてはワークライフバランスを維持しやすくなるし、企業側も職務分掌を体系的に整理することで効率化を図ったり、優秀な人材をテレワークの形で残すことができるようになる。導入によっていろんな立場の人がメリットを得られる。

テレワーク導入のメリットは、ここに綺麗にまとめられていたのでリンク掲載。

テレワーク(在宅勤務制度)導入のメリット – News and Archives

今回の震災で、社会としてエネルギーを使うことの意義を意識したり、交通機関が遮断されることで組織が麻痺してしまう様をみた。遠隔地で作業ができれば、業務も継続できるところもあるはずで、テレワークはBCPのひとつの手段になる。

導入には、業務の見直しやセキュリティ管理、コミュニケーションルールの整備など、それなりのエネルギーを要するが、段階を踏んででもぜひいろんな企業や組織に導入を進めて欲しい。特に業務の効率化が必要だったり、人材の流出が激しいところは有用だろう。個人的な思いとしても、移動時間なんていう人生で無駄な時間を浪費せずに済ませたいもんだ。

行政機関の情報提供はHTML/CSVで

LASDECが、自治体の情報発信をPDFやOffice形式ではなく、HTMLやCSVで行うよう呼びかけている。

自治体の情報発信、PDF/ExcelよりHTML/CSVで 地方自治情報センターが呼びかけ – ITmedia News

これは非常に良い方針だ。PDFやOfficeはPCでは作業しやすいが、複数ファイル間の集計や分析などでは、とてもじゃないが使えない。しかし、CSVなら規則的にカンマで区切られているだけなので、ルールさえわかれば、システムで自動収集などが可能になる。

例えば、各自治体で人口統計などを定期的に公表しているが、このフォーマットや項目などはバラバラであり、大抵はExcel形式である。複数の自治体の人口統計を分析しようと思うと、ある年度のファイルをダウンロードして、ファイル開いて、データ項目をそろえて、みたいなことを必要な分だけ繰り返す。そして、違う自治体でも同じことをやろうと思うと、データ項目が違う・・・・。

CSVなら、各自治体でもしルールが違っても、まず機械が自動で読み込むことが可能になる。そして、ルールに従ってデータをそろえ、分析することも可能になるだろう。

図書館情報学では、「機械可読目録(MARC)」というものがある。書誌情報や関連情報を機械で読める形式で表現し通信するための規格だ。

こういうコンピュータ同士で通信し、コンピュータで処理されることを前提とすることで、情報は飛躍的に流通する。各ソーシャルサービスがAPIを提供しているのも同じ原理だ。そういう意味で、行政機関ももっと情報流通されることを前提とした提供をして欲しい。

アメリカなどはオープンガバメント政策で、行政情報をXML・CSV・XLSなど二次加工しやすいような情報提供が行われているのだし、日本でももっと推進することはできるはずだ。

スマートグリッドを推進しよう

福島の原発問題から、スマートグリッドの潮流が生まれつつある気がしている。日本の電力網はすでにスマートだから、という理由で導入する機運がいまいちなかったのだが、皮肉にもという感じではある。
さてさて、スマートグリッドが本当に今後のエネルギー政策の解であるかを考えてみる。スマートグリッドは結構広い概念で、電力網のみでなく熱源なども対象に含まれる。また、電力会社のみではなく、一般家庭や他産業分野も含まれるようになる。では、スマートグリッドで何ができるのか。
 

柔軟な料金設定によるピーク抑制

電力の問題は蓄積できないことであり、消費量のピークへ対応することが難しいということだ。一番の問題は、このピーク抑制することになる。これへの対応として、家庭にスマートメーターなど電力消費量と料金を可視化する装置を設置し、高い料金になった場合に需要者が消費を控えるよう、経済合理的な行動をとることが期待されている。
ここでは、これまでの電力網にIT通信を付加し、一方通行だったり電力会社にしか見えなかった情報を、双方向通信でかつ需要者にも見えるようにすることが必要になる。
 

蓄電装置の普及による電力消費の平準化

現状は充分な蓄電の仕組みがないわけだが、研究は進んでおり、蓄電池普及の兆しはある。特に、家庭用蓄電池や電気自動車など家庭での蓄電の仕組みが注目されるだろう。
家庭用の蓄電池があれば、料金が安い時間帯に電力を蓄積し、電気を消費する時間帯に蓄電池から電力を取り出すことが可能になる。この辺りのコントロールも、ITシステムで可能になる。
 

小口電力の安定的な電力網への流入

電力会社以外にも、家庭での発電だったり事業者が発電装置を持ってたり、探してみれば電力は各地に分散している。これらの電力を電力網に取り込もうとすると、周波数や電圧の制御が必要になる。これを、制御システムの構築と料金制度の整備で、柔軟に電力網に取り込めるようにする。

僕はスマートグリッドのポイントはこの3つだと思う。
ただ、スマートグリッドを達成するにはまだハードルが多い。特に、蓄電の部分は普及にあと数年は要するのではないかと勝手に予想する。というわけで、できることから始めるとすれば、ぜひ次の2つを導入して欲しい。
 

スマートメーター設置による消費電力の「見える化」を

日本の電力網はスマートだと言われているけれど、それはあくまで「電力会社側から見た場合」だ。ユーザは自分の消費電力をリアルタイムでは見ることができない。スマートメーターはそれを変えてくれる。「見える化」をすることで、電力そのものを抑制する動機が生まれる。
 

電気料金の柔軟の料金体系の実現を

スマートメーターを設置するだけでなく、全体の電気消費量に合わせた柔軟な料金体系が実現することで、ピーク抑制の期待が生まれる。料金が許認可制のままでも構わないが、その範囲で柔軟な料金体系を設定できるように変えて欲しい。

あとは、スマートグリッドと直接関係はないけど、サマータイムもぜひ導入して欲しいね。夏場は一年で最も電力が消費されるから。

スマートグリッド学 戦略・技術・方法論
林 泰弘 岡本 浩 林 秀樹 濱坂 隆 伊奈 友子 坂本 紀代美
日本電気協会新聞部
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蓄エネルギー・システムは消えゆく給水塔の運命をたどるか – 日経エレクトロニクス – Tech-On!
今こそ日本にスマートグリッドを 計画停電では前進なし :日本経済新聞

震災から学ぶ行政ICTの今後(その2)

その1はこちらから。

アセットマネジメントの高度化

今回の震災でも、ライフラインが容赦なく破壊され、被災者の生活が困窮するばかりか、輸送もままならない状態と思われる。

 

ライフラインのうち、道路や上下水道、公共施設は行政分野の管轄になる。これらは高度成長期に整備が進められ、最近がちょうど一斉に交換時期を迎えている。しかし公共事業に関する予算は年々下がっており、地方自治体はどうやって少ない予算で維持管理を行うかが数年前から課題になっている。

 

そこで国交省は、「公共事業コスト構造改善プログラム」のひとつとして、アセットマネジメントの高度化を推進している。

『国土交通省公共事業コスト構造改善プログラム』の策定について

 

アセットマネジメントは、公共インフラのデータを可視化・一元化するとともに、設計情報や素材情報などを元に高精度な劣化予測を行い、効果的な維持・補修を行うものである。

 

地震に対する備えであるとともに、政府予算の抑制にも有効である。ぜひアセットマネジメントの高度化を推進して欲しい。

 

スマート・グリッドの推進

福島原発は、ひとまず悪い状況からは少しずつ脱しつつあるとみて良いのだろうか。しかし、原発推進によるエネルギー政策は転換を余儀なくされるだろう。

 

ひとつの対応策がスマート・グリッドだ。電力の需給を細かく正確に把握することはもちろんのこと、家庭電力などの小規模発電電力を品質を低下せずに送電網に供給することも含まれる。これによって、効果的な電力の需給が行われるとともに、風力発電などの電力供給も活発化する。

 

また、電気自動車など蓄電池の活用によって、予備電源の確保や夜間電力の活用による消費平準化も期待できる。

 

今は横浜市などいくつかの都市で実証実験が行われている。エネルギー供給への対策として、各自治体にはぜひスマート・グリッドを推進して欲しい。特に大都市圏は、都市の持続性の観点から、検討が急務だろう。

 

月刊「環境ビジネス」2009年10月号
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ITシステムは東日本だけでなくいろんなところで止まっている

東京電力の圏域では計画停電が行われている。その直前、データセンター各社は停電の影響はないと発表したようだ。

計画停電:主要SIer、データセンターに影響なし – ZDNet Japan

予備電源の準備や燃料の優先的な享受など契約面での対応など各社の事前対応の結果もあるが、都心が計画停電の対象から外れたこともひとつの理由に挙げられていることが、個人的には興味深い。今後のデータセンターの立地条件に、「政治上電源供給を止めづらい」という理由も含まれるようになるのだろうか。ともかく、万一のときのエネルギー確保は、今後はもっとユーザ側も課題意識として刷り込まれることになるだろう。

そして、南三陸町では戸籍情報が津波の影響で消失してしまったらしい。これは、今後の行政のデータ保全の在り方を問うことになるだろう。ネット上では「クラウド化しておけば」という指摘も既に出ているし、それが対策のひとつであることは間違いない。そして、戸籍以外も含め、クラウド化やネットワークによる複数地域での共有もあるが、バックアップテープの複数地保管がてっとり早いだろう。東北と四国の自治体が相互にバックアップテープを保管する、というような共同作業なんてどうだろうか。

南三陸町の戸籍データ消失、法務局保存分も水没 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

ちなみに、岐阜県の情報システムにも一部影響が出てきている。県議会の会議録検索システムが東京に設置しているため、東京電力の計画停電の影響でシステムが停止する場合がある、ということらしい。

岐阜県 : 会議録検索システムの停止について

先日、クラウド化で自分の地域にシステムを置かないこともひとつのリスクヘッジと書いたけれど、こういう逆パターンもありうるんだな、やはり。

自治体クラウドも、今やろうとしているモデルはプライベートクラウドで一カ所にデータを集中させる方式。本当に重要なシステムについては、地域的に連動しないような離れた場所にハードウェアを複数配置して分散処理する、というところまで踏み込む必要があるのだろうか。

震災から学ぶ行政ICTの今後

震災から数日が経過し、いろんな情報が出てきている。個人的には遠くの場所にいて、嘘のような情報を目の当たりにして、本当かどうか今もよくわからないような気持ちでいる。しかし、人の優しさや日本人の真面目さ・規律の良さを再確認することもあるし、自然の恐ろしさも感じる。

たくさんの教訓が生まれてきていると思うが、その中から、今後の行政におけるICTの動向を推察してみる。

ソーシャルサービスの取込みの促進

今回の被災では、電話が通じなくなる事態が多く発生し、その一方でTwitterやFacebookなどのソーシャルサービスが稼働しており、コミュニケーションツールとしての強さを発揮した。

テレビ局によるUstreamへの同時配信や、Google Personal Finderなどの早期リリースは、ICTが社会インフラとして重要な位置を担っていることを再認識した。

これまでも、行政分野はソーシャルサービスを活用し、市民とコミュニケートする方法を探ってきたが、今回の状況から一層その役割は見直されることになるだろう。

公式アカウントの取得に始まり、緊急時の情報伝達手段にソーシャルサービスが加えられ、そのための利用マニュアルやインフラ整備も行われるかもしれない。

クラウド化を含めたシステム構成の見直し

被災したところでは、完全にシステムも停止してしまったところもあるのかもしれない。復旧どころかサーバごと流されたとかもあるのだろうか。

そうなると、被災したときのシステムの在り方を再考する必要が出てくる。庁内のマシンルームでは耐震性が微妙だから、ちゃんとデータセンターに置きましょうとか。

クラウド化も、改めてその意義を見直されることになるだろう。自治体などの公的機関の情報は、被災時などには特に重要性が増す一方で、トラフィックが集中し、通常時の負荷では処理できなくなる恐れがある。どうやら、今回の震災でもそのような事象はあったようだ。そして、早速クラウドサービスとして提供する企業が出てきている。

時事ドットコム:震災情報サイトつながりやすく=自治体などにクラウド無償提供-各社

IIJ、東北3県の自治体Webサイトにミラーサイトを提供:ニュース

基幹系システムが全てクラウドされる「自治体クラウド」まではいかなくても、広報系・Web系など費用対効果が出しやすいシステムについては、クラウド化した方が安全では?という見方も生まれるのかもしれない。

地震に強い地域・建物にデータセンターを置けば、自分の地域が被災しても、日本の別のデータセンターが処理を継続できたりする。そういう安全面も重要視されることになるだろう。

BCP(業務継続計画)の策定促進

中央省庁はBCPの策定が進んでいるが、自治体はあまり芳しくないようだ。2008年時点の調査で、都道府県で3団体(6.4%)、市町村で41団体(2.3%)。

http://www.dir.co.jp/souken/consulting/report/strategy/rsk-mng/09022601rsk-mng.pdf

けれど、今回のを機にBCPの策定が促進するかもしれない。BCPの策定によって、業務の重要度の分類や、継続するための対応マニュアルの整備が行われることになる。

被災などの緊急事態には、公共機関の役割が重要になることは再認識された。情報の発信源として、他の地域からの救援の窓口として、いろんな機能を果たしている。その中で、公共機関がいかに重要業務を継続するか、BCPの策定によって計画して欲しい。

少しでも多くの人が助かりますように。ただそれを祈るばかりです。

情報システムのクラウド化を進めるための最初の一歩

地震によって戸籍情報が消失されてしまったや、公共機関のWebサイトで迅速な情報提供をする手段として、改めてクラウドサービスの有用性が注目されている。が、企業でも行政でも、クラウド化の浸透スピードはなかなか上がらない場合が多い。技術的な理由もあるけれど、まず最初に引っかかるのは「ガバナンス」の問題だ。これを考える上では、これまでの情報システムと組織の関係の変遷をみてみるとわかりやすい。

導入初期

コンピュータの最初は、大型のコンピュータを何台か購入し、そこにいろんな業務処理を詰め込むタイプだった。これは、「情報システム課」みたいなのが調達や管理などを一手に担い、ユーザはただ利用するのみだった。

パソコンの出現とオープン化

パソコンが出現すると、ユーザが処理できる部分が増えてくる。すると、システム側とユーザ側で処理する部分を分けよう、という考えが生まれる。いわゆる、クライアントーサーバ型が出てくる。

そして、大型コンピュータに専用ソフトで固めるメインフレーム的な利用ではなく、OracleやWeblogicなど、ハードウェアに依存しないソフトウェアの利用が普及する。これによって、大型コンピュータではなく、システムの用途や特性ごとにハードウェアを分けられるようになった。

こうなると、これまで「情報システム課」みたいなところが一手に担っていた調達や管理などを、少しずつ業務を行う各課に移していくようになる。業務を行う各課が、各自でシステムを調達・管理せよとなる。

クラウド化による再統合の流れ

クラウド化は、ハードウェアやソフトウェアを統合・集約する効果も含まれている。しかし、各課に散らばってしまった予算や調達の権限がハードルとなり、「このシステムとこのシステムのハードウェアを統合しよう」ということが難しくなる。

全体の情報資産を一元的に可視化することができなくなり、乱立した情報システムをそれぞれが構築し、運用する。そして、各課がそれぞれの都合に合わせて、システムを再構築したりハードウェアを入れ替えたりする。こうなると、統合などの最適化は進まなくなる。

ITガバナンスの強化

というわけで、クラウド化を進めるための最初の一歩は、組織に散らばったITに関する権限の再集約です。もう一度、散らばってしまった権限をCIOなどの役職もしくはそれに付随する組織に集めること。けれど、政治と同じで既得権益を剥がすというのは、大なり小なり抵抗が生じるのが組織というもの。そういう部分で、大きなうねりを生み出せず、てこずっているところも多いのでは。

さて、最近目にした静岡大学のクラウド導入は、ITガバナンスを取り戻した例としてとても良いと思う。

静岡大学が情報システムをクラウド化 Amazon EC2も活用 – ITmedia エンタープライズ

各研究室などで行っていた調達をやめ、「情報基盤センター」に権限を集約した。ただ、仮想化が実現されるので各研究室もアプリケーションだけは独自調達して、仮想環境上で構築できる。こうすることで、権限の集約と各自の自由度のバランスをとっている。

静岡大学は、これによって1年あたり6億円ぐらいのITコスト削減を実現するそうだ。そして、緊急連絡など災害系のシステムは国内に災害が遭った場合を想定して海外のクラウドを利用、財務・人事など外部に流出するのに適さないものはプライベートクラウドを構築、それ以外は安い国産サービスを利用、という使い分けも分かりやすい。

 

 

情報システムのクラウド化を進めるためには、まずは組織におけるIT権限の集権を。

アメリカの7都市のCIOが共同でオープンソース開発

アメリカの7大都市のCIOが、オープンソース開発に取り組もうとしている。

G7: CIOs From Seven Big-Cities Work Together to Develop Open-Source IT Solutions

地方政府のシステムをオープンソースとして開発し、無料で他の都市へ展開しようという試み。

最初の試みとして、ニューヨーク市の311システムをAPI化し、他から利用可能にしようというもの。あと、統計データなどのフォーマットも統一しようとしているらしい。

日本では都市間の共同利用や共同開発は、広域連合としていくつか取り組まれているが、特定業務に特化したシステムだったり、小規模団体が財務上の理由から止むに止まれず広域連合として共同利用しているケースがほとんどで、こういった大都市間での共同取り組みはあまり聞かないね。

自治体クラウドが総務省を中心に進められているけれど、本当に展開できるかはまだ定かでない。それよりも、広域や都市間での連携に目を向けたら、いろんな可能性が広がるんじゃない?

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ニューヨーク市の地図サービスがすごい

これ、すごいわ。軽い気持ちで触ってみたら、感心してしまった。

地域ICTに興味ある人は一度触ってみるといいよ。

ニューヨーク市がGISデータにいろんな情報をのせてますよ、という記事。

New York City’s Digital Map Puts In-Depth GIS Data a Few Clicks Away

実際のニューヨーク市の地図。

NYCityMap • DoITT • City-Wide GIS

適当な場所でクリックすると、その位置に関する公開情報が表示される。

f:id:synapse23:20101120224328p:image

右下の「Show Additional Data on Map」でいろんな情報を地図上にマッピングできる。公園・美術館などの公共施設とか、市が取り組んでいるプログラムとか。下はBusiness Improvement Districtを表示してみた。

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さらに、過去の写真なんかも見れる。同じ場所で1924年のを表示。

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ひとつの地図の上にこれだけいろんな情報をのせられるようになると、いろんな人のメリットを引き出せるようになる。病院探す人もいれば、子育て支援してくれる組織を探したり。今の都市計画の場所を把握して今後の動向を予想してビジネスに応用してみたり。

今日本では、地域ICT利活用が注目されているけれど、明確な解決策が見えていない。こういう良い事例をイメージすることが、良い解決策を生み出すのに役立つんではないのかね。

自分の住んでる街がこういうの提供してくれたら、面白いよねえ。

ジョブズ、Google Androidとの競争を語る:オープン対クローズドではなく分断 vs 統合

「オープン対クローズド」は、本当の問題から目を逸らすための煙幕というべきだろう。真の問題とは、分断と統合のどちらがユーザーにとってより良いのか、ということ。われわれは、統合がつねに分断に勝ると確信している。Googleがいかに「クローズド」と印象づけようと、アップルは統合アプローチを信じており、Googleがいかに「オープン」と主張しようとも、分断アプローチより優れていると考えている。

個人的にはアップルに賛成。市場やプラットフォームが十分に整っていない状況では、クローズドであろうとユーザが操作しやすく買い求めやすい環境を作るべき。実際、Androidはいろんなところで使われているけれど、アプリに関する情報もiPhoneに比べて少ないし、結果に結びつけるまでに時間がかかってる感じがする。