震災から学ぶ行政ICTの今後(その2)

その1はこちらから。

アセットマネジメントの高度化

今回の震災でも、ライフラインが容赦なく破壊され、被災者の生活が困窮するばかりか、輸送もままならない状態と思われる。

 

ライフラインのうち、道路や上下水道、公共施設は行政分野の管轄になる。これらは高度成長期に整備が進められ、最近がちょうど一斉に交換時期を迎えている。しかし公共事業に関する予算は年々下がっており、地方自治体はどうやって少ない予算で維持管理を行うかが数年前から課題になっている。

 

そこで国交省は、「公共事業コスト構造改善プログラム」のひとつとして、アセットマネジメントの高度化を推進している。

『国土交通省公共事業コスト構造改善プログラム』の策定について

 

アセットマネジメントは、公共インフラのデータを可視化・一元化するとともに、設計情報や素材情報などを元に高精度な劣化予測を行い、効果的な維持・補修を行うものである。

 

地震に対する備えであるとともに、政府予算の抑制にも有効である。ぜひアセットマネジメントの高度化を推進して欲しい。

 

スマート・グリッドの推進

福島原発は、ひとまず悪い状況からは少しずつ脱しつつあるとみて良いのだろうか。しかし、原発推進によるエネルギー政策は転換を余儀なくされるだろう。

 

ひとつの対応策がスマート・グリッドだ。電力の需給を細かく正確に把握することはもちろんのこと、家庭電力などの小規模発電電力を品質を低下せずに送電網に供給することも含まれる。これによって、効果的な電力の需給が行われるとともに、風力発電などの電力供給も活発化する。

 

また、電気自動車など蓄電池の活用によって、予備電源の確保や夜間電力の活用による消費平準化も期待できる。

 

今は横浜市などいくつかの都市で実証実験が行われている。エネルギー供給への対策として、各自治体にはぜひスマート・グリッドを推進して欲しい。特に大都市圏は、都市の持続性の観点から、検討が急務だろう。

 

月刊「環境ビジネス」2009年10月号
月刊「環境ビジネス」2009年10月号

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