あなたは一日で本当に集中しているのは何分だろうか。「Deep Work」を読んで仕事を見直す

ディープワークという本が以前から気になっていたのですが、ようやく読了しました。

この本は、様々な要因で集中力を失っている現代人に、大きな付加価値を生み出す働き方を示しています。

ホワイトワーカーと集中力の問題

昔から集中力は気になっていました。この記事を書いたのは2011年です。

https://synapse-diary.com/?p=678

年々、人々の集中力を奪っているのは明白で、その要因はインターネットの発展と関係しています。

知的労働者がディープ・ワークに努めなくなっている理由は、はっきりし ている。ネットワーク・ツールのためだ。メールのようなコミュニケーショ ン・サービス、ツイッターやフェイスブックのようなソーシャル・メディア・ネットワーク、そして派手に乱立する娯楽情報番組を牛耳る広範な分野のことである。概して、こうしたツールの台頭は、スマートフォンやネットワークに接続したオフィスのコンピュータを通じて簡単にアクセスできるためでもあるが、このことは大半の知的労働者の関心を分散させた。

スマホなどのハードウェア、チャットなどのソフトウェアが発展して、リアルタイム性、双方向性が加速してきました。その影響で、どんどん人は細かなアテンションで阻害されています。

実際、自分でもすぐにメールやチャットで連絡が来ると、ついチェックしてしまいます。何か作業していても、メールが来たらチェックして、また作業に戻ることが頻繁に発生しています。

この確認は時間にすれば数十秒間です。これは軽微な時間ですが、人の意識の特性として、集中力が一度途切れると、それを戻すのは簡単ではありません。

例えば、「○分ごとにメールの受信トレイをちらっと見るくらいは問題ないと思うかもしれない。でも、ちょっとチェックするだけでも注意はそれる。もっと悪いことに、すぐに対処できないメッセージを目にした場合、未処理の仕事をかかえて主業務に戻ることになる。切り替わらないままの注意残余」のせいで、仕事の生産性は低下する。

こんな状況なので、集中力を低下させる人が非常に多くなっている現在では、逆に集中力を維持した環境を作り出す重要性が高まっているのです。

ディープワークに取り組む方法

本書では、ディープワークを実現する様々なアプローチが紹介されていますが、個人的に印象に残っているのは、目標の絞り込みです。

『戦略を、実行できる組織、実行できない組織。』の著者たちが説明しているように、「多くのことをしようと努めるほど、それだけ実際には少ししかできない」。少数の「最も重要な目標」に的をしぼって実行すべきである。この単純さこそが、組織のエネルギーを集約して実際の成果をもたらすのに役に立つ。

OKRKPIマネジメントで学んだ通り、目標達成のためには、目標自体を絞り込み、エネルギーを集中させるのが有効です。

また、人間は適切なフィードバックがなければ、自分が最も楽で安易な行動を選択しがちである、という特性があります。なので、自分や組織で、そういう状況を防ぐためのルールや仕組みを取り入れていかないと、ディープワークは実現できません。

ついついチェックしてしまうメールやSNSなど、誘惑的な行動を阻止してみましょう。ちなみに、本書の中では、メールや電話を部分的に禁止しても、仕事には影響が出ないという事例が紹介されています。

例えば、前に挙げたハーバード・ビジネススクール教授、レスリー・パーローの調査で、経営コンサルタントたちに一週間のうちのウィークデーの一 日、完全に外部との連絡を絶たせた。コンサルタントたちはクライアントが嫌がるのではと心配したが、クライアントは気にしなかった。ユング、グラント、それにパーローの話で判明したのは、人々はこうした期間が明確で、きちんと知らされ、その期間以外はたやすく連絡がつくなら、そうする権利を尊重してくれるということだった。

生産性を上げたり、新しいアイデアを深めたりすることができるようになるのなら、自分が集中できる環境を作り出したいと思いますが、どうやって作り出そうかな。まずは、今やっていることのいくつかをやめることからでしょうかね。メールやSNSの頻繁なチェックとか。

チクセントミハイのフロー体験とも通じるものがありますね。

「フロー体験」理論のあまりの凄さに戸惑いを隠せない:YLOGオルタナティブ:オルタナティブ・ブログ