お盆休みではありますが、市場はトルコリラで相当激しく動いておりますね。
さて、休みの間に経済に関する面白い本を読みました。本書はタイトルには詐欺師と書いてありますが、経済に関連する読み物です。
本書の中で登場する数々の人たちは、実際の詐欺師もいれば、経済学者など経済の観点で名声を得ている人たちもいます。
詐欺のスキームを理解する
ミシシッピバブルを生み出したジョン・ローや、ポンジ・スキームと言う名で自分の名前を残している詐欺師チャールズ・ポンチなどは、よく語られる詐欺のスキームです。
ミシシッピバブルや南海バブルなどは、こちらの記事がわかりやすくて良いです。続編を楽しみにしているのですが、まだですかね。
ポンジ・スキームなどは今でも見られます。少し前に話題になった「つなぎ融資の女王」は、まさにポンジ・スキームです。
詐欺で逮捕された「つなぎ融資の女王」 謎の半生を独占告白│NEWSポストセブン
古くからある手口ではあるのですが、今でも騙されることがあるということです。
経済学をどこまで信じるべきか
少し評価が難しくなるのは、ケインズ経済学として名前が残っているジョン・メイナード・ケインズや、アメリカのFRBで長く議長を務めたアラン・グリーンスパンです。
これらの人々は、今での評価は分かれています。グリーンスパンは議長だった当時好景気を生み出し、発言力を増していきました。しかし、歴史を振り返ってみると、必ずしも高評価だと素直に言えない部分が多々見られます。
それはITバブルや、リーマンショックを引き起こすことになった住宅バブルがはじけた後の傷跡を見れば、グリーンスパンの采配というのはどうなったんだろうと疑問を抱くでしょう。
一方、リーマンショック後に再注目されたケインズ経済学も、本書の中で紹介されている通り、ケインズ自身は自説が結構変節しており、なかなか評価が難しい人です。
しかし、経済学は再現性がなく過去に対する1つの仮説は提示できたとしても、その時々で処方箋は変わると言う特性を持っています。経済学者や評論家は様々なことを、その時々で唱えますが、後から検証することが難しいこともしばしばあり、どこまで信用するのか難しいところです。
最後に仮想通貨も登場します。これもある種のバブルでしたね。これからどう社会に浸透するかはわかりませんが。
本書読むと、経済は再現がなく様々な事象が複雑に絡んでいること、人々の信用が重要なポイントになることから、詐欺と相性が良いんだな、と認識しました。
非常に面白い読み物でした。