MicrosoftとGoogleは、今やクラウド型のグループウェアで真っ向勝負に成っています。それが、MicrosoftのOffice365と、Google Appsです。
広がっているエンタープライズ向けクラウドサービス
まず、今のIT系企業はクラウドにどんどん注力しており、システムを作る形から利用する形に変化してきています。それは、企業のシステムも同じで、少しずつクラウド化が進んでいます。その中で、最もクラウド化が進んでいるのがグループウェアの領域です。
2014年5月にガートナーが国内企業に対して行った調査によれば、既にクラウド化されている企業内アプリケーションの割合としては、人事・給与の8.4%、財務・会計の5.8%などに対し、電子メールが21.1%、グループウェアが14.1%と突出している。
クラウド型メール市場シェア、Office 365とGoogle Appsが2強 ガートナー提言の活用法 |ビジネス+IT
そもそもグループウェアとは、組織内で情報共有するためのツール群を指しており、電子メール、電子掲示板、スケジュール管理、ファイル共有などの機能を持っています。最近では、社内SNSやドキュメントの編集機能なども含むことが多いですね。
そして、ここはGoogleやサイボウズが先駆者としてシェアを伸ばしてきました。特に、中小企業などあまり大きくない組織で導入が進みました。
Microsoftの逆襲
一方で、各社がクラウドベースのビジネスモデルに転換する中で、マイクロソフトもついにクラウドベースに舵を切ってきました。以前、そのあたりは記事に書きました。
https://synapse-diary.com/?p=4011
そしてOfficeもクラウドベースになっており、それがOffice365です。Office365の勢いは凄まじく、この1年でこれまで首位だったGoogle Appsのシェアを追い抜いています。
2014年の調査では、Google AppsがOffice 365の2倍以上となる16.3%のシェアを獲得していた。しかし、その後の15カ月間でMicrosoftはOffice 365のシェア拡大で劇的な成功を収めて25.2%を達成し、22.8%のGoogle Appsを逆転する結果となった。
MSの「Office 365」、「Google Apps」を上回る–クラウドベース生産性アプリ導入率 – ZDNet Japan
料金はGoogle Appsの方が安いのですが、Officeのブランド力というか、長く使われてきた実績というのはクラウドになっても強いのだということがわかります。
ガートナーによると、今後2017年までに大企業の60%がクラウド型の電子メールサービスを採用すると予測されています。つまり、この市場はまだまだ拡大していくのです。
今後の展開
市場全体で考えれば、この二強が圧倒的な強さを誇っており、今後はもっと市場の拡大とともにプレイヤーも淘汰・整理されていくでしょう。
Office365とGoogle Appsは、導入が課題になります。大企業は良いと思いますが、中小企業をどう攻め落とすかですね。しかし、クラウドサービスというのは付加価値を付けづらく、なかなかパートナーによる拡大戦略がうまくいってるとも限らないようです。
ASCII.jp:Google Appsから学ぶクラウドビジネスの不都合な果実|大谷イビサのIT業界物見遊山
一方で、Googleは教育分野にも力を入れており、ChromebookやGoogle Apps for Educationは広がりを見せています。
Google Apps for Educationで、教育現場に「共有」の意識を – CNET Japan
すぐに売上等に影響するものではないと思いますが、教育機関で使われることで、広く認知度やユーザビリティに慣れてもらうという長期的な視点が大きいのかな、と思います。
また、今後の展開で考えられるのはアプリマーケットプレイスの充実でしょう。それぞれがマーケットプレイスを打ち出していますが、これがどれぐらいそれぞれのプラットフォームの魅力を作れるかが、今後のカギになりそうです。
https://store.office.com/ja-jp/?legRedir=true&CorrelationId=87697cb3-2f38-4dcf-b8fb-8f19d607fb1e
https://apps.google.com/marketplace/?pann=gam
圧倒的なブランドを持つOfficeが今後も強さを発揮しづつけるのか、Google Appsがどこまで肉薄できるか、今後も注目です。