公共投資に必要なアプローチ

日本はなぜ貧しい人が多いのかを読んで、企業や団体に公共投資するよりは、個人に資金を投入した方が効果が大きいのでは、という提言があったので、今後の公共投資について思考実験してみる。
バラマキ政策の限界
バラマキなどの公共投資は、未だ有効だと感じる人が周囲にいたりする。これは、ケインズの有効需要を喚起するために、借金をしてでも公共が投資するが有効である、という考え方が背景にある。
これは、乗数効果を期待しているのであるが、近年は乗数効果もどんどん下がっているので、バラマキ政策には限界があることが、経済学の観点から判明している。
公共機関の事業については、PDCAサイクルがうまく回っていないことが多いのではないかと思う。特にCとAをうまく回す仕組みが整備されていない。
ある事業の効果を測定し、それを評価し、改善策を構築した上で実施する。その一連の流れを作ることが、継続的な事業体を作る重要な要素である。
地域内乗数効果という考え方

公共投資を評価する指標として、地方自治体が行った公共投資がどの程度地方振興に寄与しているかを示す、「地域内乗数効果」がイギリスで考案されている。これが結構興味深い。
今でもよくあることだが、地方自治体の発注では、地元企業のみを対象に、もしくは地元企業を含めたJVに仕事を発注する場合がある。(大体は予定価格が低い場合だが。)
これは、地元への技術振興の狙いもあるが、どうせお金を使うなら地元へ、という考え方も含まれている。
あとは、地元の団体やNPOに助成金を出したりする。
そういう税金として投入されたお金が、どれくらい地元に還元されているか、を測る指標が地域内乗数効果である。考え方はシンプルで、公共投資で投入したお金が、地元にどの程度残るか、である。
例えば、払い先の企業が地元外から資材を調達していたり、人材を確保していたら、せっかく投入したお金も地元には残らないことになる。
(詳細は、次のPDFがわかりやすい。http://www.tku.ac.jp/~koho/kiyou/contents/economics/241/8_fukushi.pdf 
ただ、これを実際に測定することは、結構面倒くさい。いざやるならば、大変な労力が必要とされると思う。しかし、公共投資を評価する上で、有効な指標となると思われる。
サンプリングでいくつか指標を取得してみることで、公共投資の有効性を測れるし、地域からのお金の流れや産業の流れが見えて、現状分析の一助になることも期待される。
企業やグループより個人に目を向ける
乗数効果の低下が示しているように、無理やりお上が仕事を作る時代は終わったのだと思う。それでも人を支える役割が公共機関にはある。
今後の流れは、企業に投資し個人への波及を期待する間接投資より、個人を直接支える直接投資だと思う。例えば、民主党の子ども手当てには仕組みとして不十分感がいろいろあるが、それでも個人に目を向けて、そこに直接資金を投入することが、投資対効果を高める結果になると思う。
またこのとき、投資対効果が見えやすい仕組みを作ることが重要だ。地域内通貨やバウチャー制度はその観点から良いアイデアだと思う。
実際に現場で使われている、公共投資の評価方法については、余り体系だったものがない気がするけど、どうだろう。知ってる人がいれば、ぜひ教えてください。