サッカーのクラブ経営を費用分解から考える

Jリーグの各クラブは収益結果が公開されているので、固定費・変動費で分析してみることにしました。対象は、2005年から2012年の8年間です。データ元は以下。

Jリーグ公式サイト:about Jリーグ

 

Jクラブの費用はほとんど変動費化されている

実際に分析した結果が以下のグラフです(単位は百万円)。

クラブ全体(サンプル数:275)

クラブ全体(サンプル数:275)

特徴としては、変動費率がほぼ1に近いってことと、ほとんど固定費がないってことです。変動費率は(変動費÷売上高)で計算されるので、変動費率が1に近いってことは、売上の大半は変動費で消える、ということです。

また固定費が小さいという点について。実際は人件費もひとつの固定費ですし、クラブハウスなどもあるので、固定費がないってわけではないはずです。ではどういうことかといえば、これは推測ですが、人件費はほとんど「変動費化」されている、ということだと思います。選手や監督の入れ替わりも激しいですし、年棒制でどんどん見直されていきますしね。

こういう状況なので、クラブ経営って本当難しそうだなってことがわかります。

 

J1とJ2では、J1の方が経営は安定化しやすい

また、J1とJ2の違いについても見てみましょう。2005年から2012年までなので、いくつかのクラブがJ1とJ2を行ったり来たりしていますが、ひとまず当時J1だったらJ1に、J2だったらJ2にカウントしています。

J1だけ(サンプル数:144)

J1だけ(サンプル数:144)

J2だけ(サンプル数:131)

J2だけ(サンプル数:131)

見比べると、J1の方が売上も高く、変動費率は小さく、固定費は大きくなっています。J1の方が市場として大きく、固定費がかかる分、変動費は小さくなっているのだと思われます。

また、J2の方が値のバラつきも大きくなっています。規模が小さいこともあって、やはりなかなか経営が安定させづらいのかもしれません。

ちなみに、Jリーグはテレビ放映権やグッズ販売権利収入などを一括で管理していて、クラブごとの収益構造にも含まれています。ここを大きくしないとダメなんじゃないの?という議論もあるわけですが。

少なすぎる「Jリーグ配分金」。各クラブ総収入の10%、NFL70%、プレミア75%(週プレNEWS) – スポーツ – livedoor ニュース

もちろんJリーグ自体も全く手をこまねいているわけではなくて、アジア進出などの手を打ってはいるのですが。

Jリーグの赤字クラブが多い現状と、今後の打開策について | Synapse Diary

 

というわけで、各クラブの努力としては、自己収益を安定化させること、費用を変動費化させることが重要です。