NGOなどお金がない組織がどうやって運営していくのか、戦略、人事、財務、マーケティングなどいろんな面からアプローチが語られる。何かをやろうというときに、すぐにお金の発生を考えたり、制約があるからできない、という状況は単なる言い訳なのかもしれない。
でも、Evernoteの創業者も語っている通り、マーケティングツールやお金の徴収なんかは、Webのプラットフォームが続々出てきていて、無料で利用できるインフラは揃ってきている。だから、良いことも悪いことも人々が興味を持っていることはWebを通じてすぐに伝播するし、マスメディアだってWebを情報源にするパターンが増えている。
それよりも、マーケティングのアプローチだったり、サービスをコンパクトに絞ったりする、務設計の部分が重要なんだろう、と改めて思う。企業体力は未だ大きな力ではあるけれど、小さな組織にも活路を見出す手段は増えているのだろうな。
本書では、海外のNGOの実践事例がたくさん書かれている。郵便番号をメールで送れば、地域のボランティアを携帯にメールで配信するサービスなんかは、結構面白いと思ったなあ。
ゼロのちから――成功する非営利組織に学ぶビジネスの知恵11 ナンシー ルブリン Nancy Lublin 関 美和 英治出版 2011-03-08 |