「時短の科学」を読んで労働集約型の仕事でどう働き方改革を実現するか考える

最近めっきりブログを書くことをさぼってました。アウトプットがおろそかになってる気がしてましたが、少し前に読んだ本について久しぶりに書きます。

 

日本のホワイトカラーは生産性が低いと言われています。さらに最近では、人手不足が様々な場所で顕在化しており、生産性改善を必須です。

ただ、「生産性を上げろ」と言われてもどこから始めたら良いかわからなくないですか?

本書を読むと、そのヒントが書かれています。特にサービス産業の時短を実現する取組例やアイデアが、実際の事例とともに書かれているのが本書の特徴です。

残業を減らす=売上が減るという恐怖との闘い

残業を減らすと繁忙期に対応できないのではないか?売上が減ってしまうのではないか?というリスクがよく議論になります。

しかし、そうではなく、残業削減と売上向上の両方を実現することも可能なんですね。そのためには、業務の無駄を取り除きつつ、本質的にどういうサービスを提供すべきかという考えをはっきりさせることが重要です。

サービス業の原理原則を知る

サービス業は、在庫がなく、また現場では多様で複雑な判断・対応が求められます。それを踏まえて、「リアルタイム・サービス法」と名付けられたアプローチが提案されています。

このリアルタイム・サービス法は、現場業務の「場所」「時間」「情報」をできる限りお客に近づけるという考え方です。「場所」とは、各業務を行う場所をお客に近づけること。「時間」とは、各業務を行うタイミングをお客に近づけること。「情報」とは、お客が求めていることと、提供するサービスの内容のギャップを埋めていくことです。

 

言われてみると当たり前なんですが、この考え方はいろんな場面で適用できるんじゃないかなと思いました。

シフト調整という負担

本書の中で、シフトの話が出てきます。

シフトが「平日用」と「週末用」の二パターンしかない会社もありました。見込み客数を考慮することもなく、ただ単にカレンダーの曜日を見てシフトを組んでいるだけです。「平日は客数が少ないので、少ない人数で対応しています」と話していましたが、実際には平日でも客数が多い日もある。天候や周辺の祭事などの影響で、週末でも客数が少ない日もあるはず。実際のお客の動きを従業員のシフトに反映させていないのです。  適切な人員配置やシフトを心がければ、最低限必要なだけの従業員数を現場に投入できるので、総労働時間は減り、生産性は上がります。そして人手不足を解消して、顧客満足も同時に上げられるのです。

 

効率的なシフトを作るというのは、無駄なリソースを省き、繁忙期の回転率を向上させる、全体最適の観点が必要になります。本書の中では、特に「ひまなときのシフトに注目すべき」という話があります。

忙しくないときに従業員の手が空いている時間、つまり「手待ち時間」をどう減らすかが、生産性向上につながるのです。経営者がコントロールすべきなのは、忙しい時間帯ではなく、ひまな日や時間帯なのです。

 

一方で、このシフト作成という領域は、もちろん業種・業界によって様々だと思いますが、管理職の膨大な作業負担になっています。あるいは職人芸みたいになっていて、経験が豊富な人はすぐにシフトを組んだり調整することができるが、そこに至るまでにすごい年数を要したりしています。

ここを自動化・効率化できるソリューションが普及していけば、調整業務の負担を減らしつつ、全体最適の観点からシフトを作ることができるようになるんじゃないでしょうか。

 

働き方改革っていうのも、科学的に考えていけば良いアプローチを作れるかもと思えました。

 

ちなみに、今「トヨトミの野望」を読んでます。今更かもしれないけど、面白い。