ビジネスモデルの「サブスクリプション」って何が良いの?メリットは?

これからはモノ売りじゃなくてサービスだ!と聞くし、サブスクリプションが隆盛だと言われています。

Google トレンドでみても、「サブスクリプション」は認知度が高まっているようです。

けれど、実際どうすごいのか?時代はどう動いてるのかを知りたくて、この本を読みました。

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著者はSalesforceの創業時から参画し、サブスクリプションモデルのメリットや、従来の収益モデルからサブスクリプションモデルへの転換の大変さが詳しく語られています。

サブスクリプションモデルを理解したいなら、この本を読めば十分でしょう。

そしてこれからは確かにサブスクリプションがもっと増えるでしょうし、どういう特徴があるのか、なぜサブスクリプションモデルが必要かを簡単に触れておきます。

サブスクリプションモデルのメリット

収益が安定化する

サブスクリプションモデルは、単発での売り上げを追うのではなく、長期的・継続的な収益を積み上げていくモデルです。ということは、収益が安定しやすくなります。

例えばユーザー数×単価で売上が構成されていれば、来月のユーザー数を予想すると、来月の収益もほぼ確定します。毎月・毎年の売上変動に一喜一憂するのではなく、安定的な収益をベースに、長期的な顧客獲得のためのサービス改善、営業拡大を図ることができるようになります。

顧客の情報がわかる

サブスクリプションモデルだと、顧客とダイレクトにつながることになります。それによって、顧客とのリレーションが深まり、情報がさらに多く獲得できるようになります。そうなると、顧客に対する理解が深まります。

つまり、顧客とのリレーションが深まる→情報を多く獲得→顧客理解が深まる→サービスを改善する・・・という良いサイクルを築けるようになります。

単発で売上を追い求めると、営業コストも高く、狩りのように新しい顧客をつかまえなければいけません。それとは対照的なのがサブスクリプションモデルです。

サブスクリプションモデルへの転換は大変

本書の中では、サブスクリプションモデルへの転換がどういう点で大変かを詳しく説明してくれています。

短期的な売上の低迷

サブスクリプションモデルへの転換は、たいてい短期的な収益の低下を招きます。これまで一括で売上を計上していたのが、「分割払い」のように売上を先送りしてしまうからです。

そうなると、投資家や従業員がそのような収益の低下を受け入れられるか、という問題が生じてきます。

最近「ファイナンス思考」を読みましたが、この問題には共通的な要素が含んでいるように感じました。「ファイナンス思考」では、短期的な収益の追求を「PL脳」と呼び、PLの売上・利益に過剰に縛られるのではなく、長期的にキャッシュフローを増やしていく企業活動が重要だと書いています。

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サブスクリプションモデルへの転換もまさにそのような考え方が背景にあります。本書の中に登場する、Adobeの収益モデルの転換事例は、この波を乗り切っており、本当に見事だなと思いますね。

マインドの変化

収益モデルが変わるということは、企業活動全般を変えていかなければいけない、ということです。

例えば、営業は短期的な売上を求めるような行動をしがちです。そういう行動やマインドを変化させるために、新たに組織のインセンティブや行動様式を変える仕組みが必要になります。

あと、アップルが最近iPhoneなどの販売台数発表をやめるとして話題になりました。

アップル、今後はiPhoneやiPad、Macの販売台数を公表しないと発表。「事業の強さの指標とならないから」 – Engadget 日本版

その理由のひとつとして、ハードウェアの販売拡大はこれからは難しく、逆にiCloudやApple musicなどのサービス領域の成長が大きいことが挙げられています。

Appleも事業モデルを大きく転換し、サブスクリプションの比重が今後は大きくなっていくのでしょう。

これからは顧客との長期的な関係構築を前提に、サブスクリプションをベースにしたいろんな事業モデルが生まれていくんだと思います。飲食店のサブスクリプションサービスも生まれていますし、Amazon Primeのように、一部のサービスをサブスクリプション化することも考えられます。いろんな可能性がありそうですね。

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英語ですが、著者のプレゼンをYouTubeで見ることができます。手っ取り早く理解したい方はこちらをどうぞ。