中小企業の経営に関する調査・アンケートは様々ありますが、そのひとつとして東京商工会議所の調査結果がありました。
「中小企業の経営課題に関するアンケート結果」について|調査|調査・ガイドライン |東京商工会議所
中小企業における最近の経営課題をアンケート結果から導き出したものです。売り上げ拡大、コスト削減、事業承継のトピックにフォーカスをして、それぞれの課題をアンケートで、中小企業経営者に回答してもらった結果です。
売上拡大の阻害要因もコスト要因も「人」
アンケート結果で、売上拡大に関する課題のトップは、「人不足」になってます。
・売上拡大に取組む上での課題については、73.8%の企業が「人材の不足」を挙げており、特に[建設業]では 87.7%が回答するなど、大きな足枷になっている。
いまだに全国でも人不足が続いており、有効求人倍率は高くなっています。
16年の有効求人倍率、1.36倍に上昇 25年ぶり高水準 :日本経済新聞
そしてアンケート結果に戻ると、コスト上昇のトップも人件費で、やはり「人」になっています。
・事業コストについて、「人件費」は「上昇」が 64.4%、「商品仕入単価・原材料費」は「上昇」が50.9%、「燃料・水道光熱費」は「不変」が 58.0%となった。事業コストの上昇は人手不足に起因する防衛的賃上げによる人件費の上昇や為替の変動などが主な要因と思われる。
売上を拡大するためには人が必要であるものの、人不足が拡大しており、それに伴って人件費が高くなっているのがわかります。
これからはもっと人口減少が進み、効率化が高く求められていくでしょう。人工知能などの新しい技術が注目されているのも、そういう理由です。その中で、新しい技術を高めながらどうやって自社の生産性を上げていくかが重要な課題になるでしょう。
事業承継は新しいフェーズへ突入
アンケートには事業承継に関する事項も含まれています。事業承継に関しても、ここ最近はずっと中小企業の経営課題として常連になっていますが、自分の子供など親族に引き継がせることが難しくなっているケースが多いです。
・想定している後継者候補としては「息子・娘」が 45.1%と最も高く、次いで親族外承継となる「従業員」が 30.2%と続き、事業承継スタイルの変化がうかがえる。
母数や調査対象が違うので数字の単純の比較はできませんが、平成24年度の中小企業庁の調査では、承継者の60パーセント以上が親族でした。
平成24年度中小企業の事業承継に関する調査に係る委託事業作業報告書(PDF)
親族以外の承継者を探したり、中小企業のM&Aを活発化させるなど別の選択肢を考える経営者は増えていると思われます。
参考:
中小企業とM&A(PDF)
グラフで見るM&A | M&A情報・データサイト MARR Online(マールオンライン)
いかがでしたでしょうか。中小企業を取り巻く状況はどんどん変化していますね。