ニュースアプリのユーザー数

LINEがアプリにニュースタブを追加。ニュースアプリのユーザー数は今後どう変わるか?

皆さんはスマホでニュースをチェックしてますか?今、ニュースアプリは何が有力なんでしょう。

LINEがスマホアプリ内に、ニュースタブを設けました。LINEアプリからLINEニュースへのアクセスをしやすくすることで、熾烈な争いが生じているニュースアプリの中で、シェアを拡大するための戦略ですね。

LINEは2月23日、LINEアプリ日本版に「ニュースタブ」を新設した。「LINE NEWS」提携媒体などからピックアップした1日約150本のニュースを掲載する。LINEのポータル化戦略の一環で、「スマートフォンニュースサイトNo.1を目指す」としている。

引用:LINEアプリにニュースタブ 「スマホニュースNo.1目指す」 – ITmedia NEWS

ということで、ニュースアプリの現状と今後について考察したいと思います。

 

ニュースアプリ市場の現状

ニュースアプリ市場は、激しい競争環境にあります。各ニュースアプリのユーザー数を見比べてみましょう。以下は、東洋経済の業界地図2017年版から取得してます(数字自体は2016年6月時点)。

ニュースアプリのユーザー数

ネット界の重鎮であるヤフーは、スマホのニュースアプリでもトップです。続いて、スマートニュース、グノシーと続きます。そこから大きく離れて、LINE、ニュースピックスとなっています。

冒頭で紹介したLINEのニュース強化は、これだけ離れたギャップを埋めて、シェアを奪うことができるのでしょうか。

 

企業の体力

ここで、企業の体力面も見てみましょう。先ほど上げたニュースアプリ運営企業のうち、スマートニュース以外はすべて上場しているので、売上高等の情報がわかります。

ニュースアプリを提供する企業の売上高

ここでは売上高を見てみます。ヤフーがぶっちぎりに大きく、次に大きいのがLINEです。グノシーやニュースピックス(ユーザベース)は、2社と比較すると非常に小さく見えますね。もちろんヤフーやLINEは収益源が複数あるので企業モデルとしての単純な比較はできませんが、企業体力という点ではこのような違いがあることがわかります。

一方で、グノシーの国内でのユーザーの伸びを見てみると、飽和傾向と見えなくもなく、スマートニュースやグノシーは海外志向も強いですし、国内であればより一層ライトユーザーを攻める、というのは可能性があるんでしょうか。

参考:ニュースアプリGunosyの最近の業績がどうなっているのか調べてみた | Synapse Diary

 

LINEの勝算

LINEは、ニュースの強化を「プラットフォーム戦略」の一環と説明しています。現在は、スマホアプリ、特にチャットアプリが主戦場になっており、ここがプラットフォーム争いを繰り広げています。WhatsApp、Facebook Messenger、WeChat、Skypeなどが世界中でコミュニケーションを牛耳ろうとしているのです。

で、日本でみればLINEがぶっちぎりの一位です。そして、さらにチャットアプリの特徴はユーザーの消費時間が非常に多いことです。以下の調査でみても、LINEは消費時間の一位を獲得しています。

スマートフォンの利用時間の約80%を占めるアプリについて、総利用時間のシェアのランキングが図表2となります。1位は「LINE」でスマートフォンアプリの総利用時間のうち約10%のシェアを占めていました。

引用:スマホアプリ利用時間の約35%はコミュニケーションで消費、1位は「LINE」~ ニールセン、スマートフォンアプリの利用状況を発表~ | ニュースリリース | ニールセン デジタル株式会社

 

それだけユーザーを引き付けるアプリなのであれば、そこに様々なサービスを統合していく、というのは自然な発想ではあります。ニュースアプリの中で、チャットと統合されているのはLINEだけです。ここにLINEの優位性があります。

かつてヤフーはポータルサイトとして人を集め、その中でヤフーニュースが注目されていきました。LINEはチャットツールとして人を集め、LINEニュースでプラットフォームとして強化しようとしているのです。

 

ひとまず今LINEでニュースを読んでいますが、動作も軽いですし、ネタも幅広くそろっており、読みやすいです。スマートニュースやグノシー、ニュースピックスも使っていますが、ニュースピックス以外は内容や使い勝手などの差が小さいので、よく開くアプリであるLINEで済まそうかな、という気持ちも生まれてきそうです。

スマートニュースやグノシーは、機械学習などを駆使したデータアナリティクスを利用して、ニュースや広告の品質向上を図っています。これからは、寡占化と差別化が進んでいくと思われます。