今後のITシステムは、内製化かフルアウトソーシングのどちらかしかないんじゃないだろうか

たまにはIT屋らしく。岐阜で開催してる勉強会で議論しながら思ったので、整理するために書く。

 

内製化できる企業が強い

システムの内製化は、去年は何かと話題に上がった気がする。内製化のメリットは多い。

  • 変化に迅速に対応できる

ITベンダに外注する場合、状況が変われば「仕様変更」扱いで、文書作成して手続きを行う。場合によっては、追加料金。これでは、依頼主も変更する気力が失せる。その後、ベンダの提示したスケジュールをウォーターフォールで行って、ユーザテストして、リリース。これでは時間がかかってしょうがない。

  • ITベンダの不透明な金額に付き合わなくて済む

人月とか、管理工数とか、正直どこまで妥当かわからないよね。ベンダが提示してきた価格の正当性を突き詰めるよりは、自分たちで作っちゃう方が、はるかにすっきりする。不当に高い金額を払っているのに、それを評価することもできない現状は問題。

  • コミュニケーション工数を抑制できる

業務分析などを行うことで、業務が標準化されることにはメリットがあるが、何かを変えたり調べたりするために、ベンダにいろいろ伝えるのは面倒だ。これがずっと継続されると、コミュニケーション工数は膨大になると思われる。これでは、ミスコミュニケーションが発生したり、伝達行為そのもので労力を多くかけてしまっているんじゃないだろうか。

 

内製化をナビゲートする企業やコンサルタントが儲かったりして

少し前に、沖縄県の浦添市が内製化に踏み切ったニュースが流れた。
沖縄・浦添市の内製回帰事例から学べること – GoTheDistance

これを読んで思ったんだけど、こういうパターンって今後増えてもおかしくないし、その方が嬉しい、と思ったりする。そうすると、内製化をナビゲートすることを「売り」にした企業やコンサルタントが出現したりして。

既存のシステムを自分たちで引きとって運用していくために、アドバイザーや初期の立ち上がり補助として参画する。で、うまくノウハウを伝えて独り立ちしたら終わり。とか、必要なときだけサポートを受けますよ、とか。内製化で減らした運用コストの何%かを出来高フィーとして受け取る、なんてことまでできるとすごいな。まあ、妄想だけど。

 

中途半端なアウトソーシングではなくフルアウトソーシング

本業と関係ないところは、業務ごとフルアウトソーシングしてしまえばいいんじゃないだろうか。そうすれば、システム資産を抱えなくてもいいし、料金体系もわかりやすい。中途半端にシステムを作ったり、ベンダを介入させると、両者にあまり良いインセンティブが働かない気が最近はする。

クラウドは、どこまで本格的に普及するかはわからないけど、本業は内製化で注力した方が良いと思うし、大切じゃないところはフルアウトソーシングが良いと思うので、そう考えると、クラウドは「急いで必要だけど、期間限定」みたいな場合がメインな使われ方になるんじゃなかろうか。違うかな。ここらへんは正確には読みきれないのが正直なところ。

 

とりあえず個人的には、変化に強いシステムにするには、内製化が重要だと思う。ITベンダはビジネスモデルを変えながら、生き残れるだろうか。

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