知識創造を生み出すために社内のコミュニケーションを見直す

今日は、ナレッジマネジメントに関連したコミュニケーションの話です。今、一橋ビジネスレビューでナレッジマネジメントの特集号を読んでいます。

 

少し古いものなのですが、知識経営の大家・野中郁次郎さんをはじめ、知識経営に関する複数の論文が掲載されており、ナレッジマネジメントを考える上では刺激的な特集になっています。

 

イノベーションを生み出すためのコミュニケーション

野中さんの名著「知識創造企業 」では、「ミドル・アップダウン」という組織の考え方が提唱されました。これは、中間管理層が、上級管理者のビジョンを現場に適用できるよう「変換」するとともに、現場を巻き込んで業務を遂行していく、という意味であり、中間管理職が組織のハブとなって知識創造を起こしていくことを説明しています。

そして、中間層をハブとしつつ、「集賢知」を形成する必要がある、とこの特集に掲載されている論文で野中さんは説いています。何やら難しい言葉になっていますが、大雑把に「集合知」を読み替えても良いと思います。厳密には違いますけど。

で、その「集賢知」を形成するために必要なことも書かれているのですが、その中に「社内ソーシャル・メディアの活用」が書かれていました。一部を引用すると、

社内ソーシャル・メディアは、発 信者情報を明らかにしながらハンドルネームを使うことで、内容の信頼性を確保しつつ、発信への抵抗を少なくできる。また、発信された情報や知識を蓄積・データ化し、検索機能によって再利用が容易にでき、情報や知識 の共有、フィードバックや転送によりコミュニティが形 成されるという特長を持っている。

ということで、社内SNSの優位性が描かれています。SNSはコミュニケーションのハードルを低下させること、時間軸でコミュニケーションを追うことで人に対する信頼性が増すなど、ポジティブな効果が存在します(もちろん万能ではありませんが)。そういうものを作り出すことで、アイデア・知恵を引き出し、組織の中で交流することで、イノベーションを生み出すきっかけになることに注目しているのだと思います。

 

メールはもう古いコミュニケーションツールになっている

もう随分前からではありますが、「メールは古い」という言われてきています。SNSが台頭したり、メッセンジャーが流行するなど、ツールがたくさん登場してきており、コミュニケーションの方法が多様化しているのが理由です。

メールで「○○様、お疲れ様です」と始まる文章は、堅苦しさ・面倒臭さを生み出しています。メッセンジャーなどのように、気軽にダイレクトにコミュニケーションを行える方法が登場すれば、メールに置き換わるのも当然といえます。

実際社内SNSとして、Yammerをはじめとして様々なサービスが登場してきています。

IT担当者必見!『社内SNS』サービス まとめ – NAVER まとめ

また最近では、Slackなどコミュニケーションとデータ管理を統合したようなサービスも勢いを見せており、組織におけるコミュニケーション、そしてそこから発露するイノベーションについては、まだまだ成長の余地がありそうです。

SkypeやYammerよりも使いやすい!チーム向けコミュニケーションツール、Slackが超便利! — Medium

元Flickrの共同創業者がつくる社内コミュニケーションツールのSlack、4200万ドルを調達【ピックアップ】 – THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

 

組織のコミュニケーションを「設計する」という発想

個人的には、組織の大小にかかわらず、「コミュニケーションを設計する」ことが重要だと思っています。どうやって情報を流すか。打合せ、メール、個別で口頭などいろいろ手段はあります。また、誰から誰へ流すのかという点も重要です。いろいろ発言しやすい「場」を形成する、ということも行います。

上述の通り、社内SNSや新しいコミュニケーションツールは、これまでにはないスムーズで効果的なコミュニケーションを生み出す可能性があります。自分たちの状況に応じて、適切なコミュニケーションツールを選択し、「組織のコミュニケーションを設計する」ことが、創造的な知識を作り出すために重要です。

おそらく、直近の課題は「組織内におけるリテラシーのばらつき」だと思います。Slackなどのツールを使いこなせる人がどれだけいるのか、というと結構疑問です。

ただ、セキュリティなどに配慮すれば、LINEやFacebookやそれに似たような、多くの人に馴染みのあるツールを利用して活性化させることも可能です。今後は、そういう視点で組織やそのコミュニケーションを形成していくことが、知識を創造できる強い組織としての優位性を獲得するでしょう。

 

 

 

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