ファーストリテイリングの柳井会長兼社長の最新刊。「一勝九敗
」は、起業からの話だったが、今回はフリースがヒットした後の話。社長交代の顛末や、その後の事業展開、経営の考え方、小売り、繊維産業に対する考え方など、印象としては広く惜しみなく書かれている感じ。
著者の、謙虚かつ誠実な人柄が伺える文体も、読んでいて気持ち良い。
本のタイトルからもわかるように、全体としてメッセージは「安定志向を捨てて仕事に邁進する」に尽きる。そういうスタンスが、今のユニクロの成功を支えている。
小売り、繊維産業に関連ある方には、いろいろ有益な情報もあるかもしれないが、それ以外の人にとってもやる気になる自己啓発本みたい。プロフェッショナルとは何か、経営や仕事にどういう姿勢で取り組むべきか、示唆を与えてくれる一冊。
ちなみに、これを読むとユニクロに買い物に行くのがちょっと楽しみになります。フリースやヒートテックがどういう気持ちで開発されてきたのか、とか、ユニクロが取り組んでいる障害者雇用とかがわかるので。以下は、ユニクロ店内に置いてあった「服のチカラ」という無料誌。内容は、ユニクロで働く障害者へのインタビューを行っていて、インタビュアーが田口ランディという贅沢さ。
とりあえず、よりユニクロを好きになる本だな。
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