未来予測 ―ITの次に見える未来、価値観の激変と直感への回帰

元TechWave編集長・湯川鶴章さんの著書。IT業界のトレンドなどを追いかけるのは、個人的にも好きなわけで、この「未来予測」という、ある意味大胆なタイトルに惹かれてしまいました。

 

技術的に次はどうなる、というのは正直あまり書かれていません。Next Big Thingはもうないんじゃないかとも書かれています。

Googleはインターネットを「世界最大の図書館」にした。Facebookはネットを「世界最大の公民館」にした。地球というグローバル・ビレッジに「図書館」と「公民館」が出来た今、グローバル・ビレッジという「村」はもうこれ以上の施設を必要としないのではないか・・・。もはやNext Big Thingなど、インターネット業界には存在しないのではないだろうか・・・。

そんなスケール感ではなく、今後のビジネスがどう展開されていくのか、どう生きていくべきなのか、というテーゼを発信しているところが、思考を刺激してくるのです。

 

これから訪れる「価値観の変化」

もう既に訪れているのかもしれません。価値観の変化、という大きなテーマが、僕の中では非常に大きくひっかかりを覚えました。

本書の中ではいろいろ例が出てきます。ムダなことを嫌う、金持ちを羨むより貧乏を楽しむ、など新しい価値観が出てきている、と。それはそれで確かに、と思う反面、経済的な事由もあるんじゃないのか、とも思ってしまいます。ただ、確かにそれも含めて、価値観の変化というのは訪れているのでしょう。

どちらかというと、価値観の変化の要因は、個人のアイデンティティをどこに重ねる時代になっているか、というところが大きい気がしています。昔は国で、これまでは企業だったと捉えると、今後はコミュニティとかに帰属意識を委ねるんでしょうか。それとも、帰属意識をあまり強くもたず、個人という単位をより強く意識するんでしょうかね。

いずれにしても、こういう大きなトレンドは、生き方やビジネスにも影響してきます。

 

ビジネスは何で差別化するのか

とっても面白かったのは、ビジネスモデルは真似されやすくなっていて、ビジネスモデルだけでは差別化が難しい、という下りでした。本書で書かれていたひとつのアプローチは、サービス化であり、コミュニティの形成でした。

機は熟した。今、必要なのはデジタルビジネスやコミュニティマネジメントを理解できる人材や企業だ。単にコンテンツをデジタル化して流通させるという単純なやり方だと、海賊版や違法コピーが出て収益は伸びない。そこでコンテンツにネットサービスやコミュニティサービスを加えればいいと思う。コンテンツはコピーできても、コミュニティはコピーできない。

思えば、Googleが買収したYouTubeだって、動画コンテンツを並べるだけではなくて、それを大量に獲得するとともに、検索・コメントなどのサービスを付加することで、サービス化しているわけです。どうやって人を集め、そこをコミュニティとすることができるか。企業が使っているFacebookページとかTwitterというのも、まさにコミュニティとして吸引することで、差別化を強めようという取組なわけですが、なかなかうまくこなせている、と言える事例は少ないんじゃないですかね。

 

なんか、いろいろ発散している感じの本です。ただ、未来を考えるという意味では、様々な示唆が含まれているので、良い本だと思います。自由に生きなきゃだめだなーと。

 

ちなみに、本書は最近始まったKindleオーナーライブラリーで読みました。Kindle端末を持っているAmazonプライム会員は、月に1冊、無料で電子書籍を購読できる、というサービスです。

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本は急いで欲しい場合があるので、随分前からプライム会員だったのですが、正直宅配だけがメリットだとあんまりお得感がないなと思っていたので、このKindleオーナーライブラリーでやっとAmazonプライムの恩恵を大きく受けられるようになったな、という感じです。

というわけで、まだのヒトは、Amazonにプライム会員申し込んで、Kindle端末を買いましょう。今なら、Kindle Fireも割引中です。