オープンガバメントが達成すべき本当の目的

地方自治職員研修の増刊として、自治体イノベーションに関する特集が記載されていました。

 

いろいろな記事が記載されているのですが、特に気になったのは「オープンガバメント」に対する考え方です。アメリカやヨーロッパを中心にしてオープンガバメントに関する動きが拡大していますが、欧米と日本では公共に対する考え方や社会に根付いている価値観が異なるので、オープンガバメントの中身だけ導入してきても難しいかもしれない、ということです。

 

違うのは「住民参加」に関する意識

欧米と日本で何が違うのかといえば、「住民参加」に関する意識です。欧米は民主主義として住民の権利を「勝ち取ってきた」という意識が根底にあり、できるだけ自分たちで政治に参加するという考え方が神道しています。

なので、FixMyStreetなど自分たちで行政運営に参画するようなサービスが登場するわけです。

一方で、日本は「行政に頼るもの」という考えの方が強く、住民の参加は「意思決定まで」という感じです。具体的に住民参加を高める、ということは住民側の「やることが増える」という結果にもつながります。それを肯定的に捉えるか否定的に捉えるか、ということではないでしょうか。

これを書きながら、少し前にあった千葉市長のTwitterでのやり取りを思い出しました。

隣の家の蜂の巣は誰が駆除すべきか? 〜千葉市長と市民の討論〜 – Togetter

ちょうど最近見たTEDの動画では、若者の政治参加が必要だと説いていました。いかに人々に政治参加の機会を作るのか、が重要な視点になってくるのでしょう。

 

 

それは、別の記事でも触れられています。

地域の行政は全て役所の役割として一方的に任せてしまうと役所に対する声の大きい人の意見だけが通ったり、受益者としての市民の権利意識が強くなりがちで、結果的に不平等であったり高コストな社会を生み出しやすいといった弊害が出てきます。これからの日本にはリタイアした人も、現役の人も、社会におけるそれぞれの立場から、声の大小ではなく、オープンデータという客観的な事実に基づいて、自分の住む地域の行政をウォッチし、意見し、参加すべきです。他の誰でもない、自分自身が参加意識を持つことが必要です。

オープンガバメントのキモは地域再生 | オープンデータとオープンガバメントを推進する Open Knowledge Foundation Japan

 

オープンガバメントは産業振興やコスト削減、透明性の向上が中心に語られることが多い気がしますが、本質的には民主主義の仕組みとしてのレベルアップを求められている気がします。

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