ああ、相手に上手に伝えるにはこういう方法があるのか

人への伝え方だけで、自分が期待する以上の結果を受け取ることもできるし、自分が思った以上の損をすることもある。

コンサル会社に勤めてから、同じ事実を説明するにしても表現の仕方によってポジティブに捉えることもできれば、ネガティブに捉えることもできることを知った。説明する順番や言葉の選び方によって、相手の受け止め方も大きく異なる。だから、説明するときはいかに相手が受け入れられやすい内容になっているかを考えるようになった。

そして、この本はそういう「同じ事実をいかに上手に伝えるか」に重点を置かれた、言葉の選び方が書かれている。単なる事例集ではなく、「サプライズ法」「ギャップ法」「赤裸裸法」「リピート法」「クライマックス法」として体系づけられている点が目新しい。

コンサルという業種は、基本的には調査・分析を行い、顧客に伝える。最終的に実行するのは顧客なので、そこに「納得感」が生まれないと、物事は進まないし、コンサルタントの存在はないに等しい。そういう意味では、相手の考えていることや望んでいることを考えた上で、伝え方を組み立てる必要がある。だから、ロジックやファクトなども重要になるが、それと同じくらい伝え方・ストーリーが重要になってくるのだ。

昔、上司に「できるだけ飛距離の遠いメッセージをつくれ」と言われたことがある。それは、直接の相手だけでなく、相手の奥にいるはずの上司や関連部署を指している。それぐらい、メッセージの作り方を意識することで、また内容も変わってくるし、そういう強いメッセージが相手の組織を動かしていくんだと教えてくれた。そのためには、感動など心を動かせるようにならないといけない。

私は政治について、知見があるわけではありません。ですがコトバの専門家として、日本の政治に圧倒的に足りないのは、「政策」ではなく「感動」だと思っています。人は規則では、動きません。人を動かすのは「感動」です。

これは正しい。政治もそうだけど、それ以外の仕事でも同じだ。いろいろ仕事してきても、感情という面を無視することは難しい。それどころか、感情の方が問題解決に向けた大きな要因になっている場合も多い。そういうときこそ、「伝え方」の出番なのだ。

 

伝え方によって、人生は少しずつ変わり、最終的には大きな違いが生まれてくる。この本を読んで「伝え方」を学ぼう。

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