就職活動が4月1日で解禁された。これまで説明会やエントリーシートを頑張ってきた人たちは、これから本格的に面接などを頑張ることになるだろう。そして、新しく大学3年生になった人は、それが1年後にやってくることを考えながら、これから徐々に就職活動の準備を進めていくことになる。
個人的な経験を振り返ってみると、就職活動というのは準備が必要で、どれだけ企業や職業など、一言でいえば「社会」のことを知っているかによって、自分の考え方が大きく変わるんじゃないかと思っている。
まずは自己分析、とか言うけれど、どういう業界や企業があるかも知らない中で、自分の最適な職業なんかわからないよね、というのが感想。
「新卒」という市場に参加するプレイヤー
新卒という市場には、複数のプレイヤーが存在する。もちろん「学生」と「企業」というのは、メインの売り手・買い手ではあるのだが、それに加えて「学校」と「就職情報会社」がいる。これらが複雑に絡み合うことで、新卒市場は今の形になっている。
この本では、それらの4つのプレイヤーそれぞれの視点から見た場合の事情や現状が整理されている。
まずはこういう構造を知り、自分がその中でどう立ち回ったら良いのかをそれぞれが考えるべきだ。特に学生は情報の非対称性が大きく、元々が不利な立場にある。それをできるだけ自分で解消する努力が必要だろう。
社会人と接する時間が短い
あんまり僕は学生に「あれが足らない、これが足りない」とは言いたくない。自分も未熟な部分は多分にあったし。それよりも、もっと賢く新卒市場を戦える人が増えると嬉しい。
そしてこの本を読んで思ったのは、学生はもっと社会人と接する機会が必要なのでは?ということだ。本の中では、慶応大学が就職に強い理由として、以下のように書かれていた。
学会や大会などで大学外へ出て行けば、慶応以外の学生とも交流するし、学生にかぎらず社会人とも交流することになる。
このような、卒業生や外部との接点が多いことが「無意識下の就活」である。
つまり、学生は社会と接することになり、単一の大学だけでは得られないコミュニケーション能力を身につけていくことになる。
学校の状況や、個人の意識によって変わるのかもしれない。確かに自分で振り返ってみても、もう少し社会というものを感じる機会がたくさんあったら、もっと考えが深まり、刺激を受けたのかもしれないと思う。
学生と話す機会があるけれど、学生にはできるだけいろんな社会人と接する機会を設けて欲しいと思うし、そう話すようにしている。時間と余力がある限りはいろんなアドバイスも試みている。そして、学生にはぜひこういう本を読んで、新卒市場の構造をぜひ理解して欲しい。答えはないけれど、自分がどう立ち振る舞ったら良いのかは少し感じるものがあるはずだ。