なんか業績が不調だというニュースしか取り上げていない気がするけど。ビール大手4社の売上が厳しいようだ。
ビール大手4社、増収減益=販促費が増加―中間決算 (時事通信) – Yahoo!ニュース
売上が低迷している要因は、震災の後遺症も落ち着いて、各社新製品でシェア攻勢に出たものの、みんなが同じようにやったので、販売奨励金がかさんだことらしい。「業績不調」というのは、半期が過ぎて、各社が打ち出している売上予想の半分に届かなかったようで。
あまり財務をみてもしょうがないのかもしれないけど、興味本位でみてみる。
まず、業界最大手であるキリンの財務諸表を見ると、徐々に売上が落ちてる。財務バランス上はすごい悪いようには見えない。
次はサントリー。こちらは順調に伸びてるよう。資産効率もキリンより良さそうだ。
次はアサヒ。ほぼ横ばいな感じ。何となく流動比率が上の2社より低くて100%を下回っているのが気になる。
最後はサッポロ。こちらも売上が順調に伸びている印象。他の3社とくらべると利益剰余金の割合が低いかな。
2011年度について、4社を比較したのが以下。大手4社といっても売上や資産規模はこれだけ違うし、それぞれのバランスシートの構成も違う。
それにしても、当たり前だけど業態によって全然財務諸表の構成が違うよね。シャープとかNECに比べて、このビール業界は利益剰余金がちゃんと確保されてる。飲食系は短期で情勢が変わりやすかったり、原材料の値段に影響を受けやすいから、あまりリスクテイクした財務戦略を取らないんだろう。
で、各社の営業利益、当期純利益と、それぞれ売上高に対する割合を示したのが以下。こうしてみると、売上高営業利益率はサッポロを除く上位3社はあまり変わらないので、この業界はシェア争いが主要な競争軸になるんじゃないかと思われる。
コカ・コーラもマーケティング会社と言われるぐらいだし、飲料メーカーというのはどちらかというとマーケティング力によるシェア争いに力点が置かれているんじゃないかと。