MBA同期である、だーくろと、同じテーマで何本か記事を書こうと思っています。今回は「MBA学習で有益な本を紹介しよう」というテーマです。
今回取り上げるのは、「企業分析入門」という本です。
この本は、財務分析を行うための要素が述べられているんですが、とにかく分厚い。値段もなかなか挑戦的です。これぞMBAの教科書という感じじゃないでしょうか。
財務会計の入門という意味では、こういう本の方が良いと思います。
それを超えて、もっと企業の財務状況を把握するためには、もっと深い理解が必要なわけです。
本の概要
企業を分析するには、どのようにアプローチすれば良いのか、ということを体系的に整理しています。企業分析は、経営戦略分析、会計分析、財務分析、将来性分析の4つのステップで行うことが示されています。
そして、その順を追って、詳細にどう分析を行うべきかというアプローチが、様々な事例を交えて説明されています。
本の読みどころ
やはり本書の読みどころは、テクニックではなく本質が語られているところでしょう。
- 会計制度そのものがどういう成り立ちを持ち、どういう性質を帯びているものなのか。経営者による恣意性を排除することが良いことなのかどうか。
- 持ち株会社など、株式の持ち分がある会社をどう評価すべきか。支配とは何か。
- 企業の将来性、市場の特性を踏まえた株式の評価はどう行うべきか。
これらについて、万全な正解はないものの、どう考えることができるのか、という示唆がたくさん語られています。企業を取り巻く会計制度や株式市場がどう働き、企業はどう立ち向かうべきなのか、外部から見たときにどう分析すべきかが、大きな視点から細かい部分まで網羅的に描かれている大作です。
会計の基本を押さえたら、こういう本で本質に迫るのが良いと思います。MBAでも何回か会計の勉強をしましたが、単なる制度にとどまることなく、とても奥深く面白いものです。
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