「嫌われ者の流儀」で今の社会システムを考える

嫌われる人ほど注目されるし、何より楽しそうに生きているように見えるという不思議。

堀江 貴文¥ 1,575

Amazonで詳細を見る by AmaGrea

対談本なので、軽い気持ちで一気に読了。いろいろ話しているんだけど、とりあえず思うのは「今の社会システムはちっとも完璧ではない」ということ。むしろ問題が多くて、解消しなきゃいけない気がしてくる。まあ、気張らずやれるところからやればいいんだけど。

新卒採用の不思議

たとえば大学卒業して何年か世界を回って見聞を広めたり、ボランティア活動して経験を積んだりしたっていう人を、新卒じゃないって理由だけで大企業は採らないんだよ。P.79

これは本当だと思う。実際こういう人が職場にいたけど、入った理由が「外資系じゃないと自分みたいなキャリア採らない」って。ああ、本当に日系企業って門戸が狭いんだなって思ったよ。大学で就職活動するとき、こんな現実は誰も教えてくれなかったけど。企業側もこういう採用ばかりするのはおかしい気がするし、それに波長を合わせてしまっている大学も、どこか見直した方がいいんじゃない?就職塾が流行るのもわかるよね。あれはあれで、馬鹿らしい気も個人的にはしてるけど。

だから、転職市場をもっと活性化させないとダメなのかなあ。今では転職者も珍しくないと思うんだが。

固定した価値観による支配

普通の人は、なにか価値観が壊されることを自分が全否定されるみたいに感じているところがある。だから全否定されることを恐れるあまり、価値観が壊されることを受け入れないってことがあると思うんだ。P.98

否定されるのはしんどいけど、新しい価値観とぶつかるときは結構楽しい。物事の見方も違うし、発見が多い。自分もそうやって価値観を少しずつ変えてきた気がするし、今も日々の生活の中で変わっている。それが普通であって、むしろひとつの価値観に固定する方がつまらなくて危険じゃない?感情的に流されるような空気に支配されている気がするよね。マスメディアとか、似たような報道しかしないし。そういう単一の価値観というのは、コミュニティとして住みやすい反面、創造が生まれないんだよねえ。

見えない敵とたたかう

誰かわかりやすいリーダーがいて、その人が社会の成長を阻害しているならその人を除けば解決する。でも、株式の持ち合いのように、集団がちょっとずついろんなことに加担している場合は、倒すべき人が誰かわからないし、どこから手を付けたらいいかわからない。P.118

日本にとって、自分が住む町にとって、自分にとってどこに問題があって、閉塞感があるのかがよくわからない。だから、何を破壊すれば自分たちがもっと幸せになるのかもよくわからない。そういう状態が続いてるんじゃないかと思う。何となく不利益を被っている気がするし、政治家や官僚やメディアが悪い気がしちゃうし、なんだろうね。単純に何かをスケープゴートにするんじゃなくて、社会システムを理解して、変えたい方向に行動を起こさないと、何も変わらないんだろうなあ。

僕は過去のことなんて知らないけれど、何となく個人の力で有名になっている人が増えていると思うし、そういう人は他と違う価値観を提示してるよね。企業とか組織の中で生きるのはなくて、個人としてどう生きるかが問われている時代なのかもなー。ここにも書いたけど、やっぱりITは個人に力を与えるわけですよ。異質であったとしても、それに賛同を示してくれる人も多いかもしれない。