郡上市の例から地方分権について考える

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自分が住んでる自治体の財政が、突如火の車になるのかもしれない。

岐阜県郡上市で、市内の各地域にある振興事務所に対して予算枠を増やしている、というニュースをみて、ふとそう思った。

asahi.com : 岐阜・郡上市、合併8年目の改革 地区に権限と財源 – マイタウン岐阜

地方分権が叫ばれて久しいけれど、この記事を読むと、まさに地方に根ざした権限の分散が図られているようだ。なんで、郡上市はそういう方向に進んでいるんだろう。

普通交付税はどのように決まっているか

その前に、普通交付税はどのように決まっているのか確認。

普通交付税の額の算定方法 普通交付税の額の算定方法は下式のとおりです。「基準財政需要額」、「基準財政収入額」等について以下に解説を加えております。

* 各団体の普通交付税額 = (基準財政需要額 - 基準財政収入額) = 財源不足額

* 基準財政需要額 = 単位費用(法定)×測定単位(国調人口等)×補正係数(寒冷補正等)

* 基準財政収入額 = 標準的税収入見込額 × 基準税率(75%)

総務省|地方財政制度|地方交付税

これだけだとうまくイメージしづらいけれど、基本的に組織が統合されて経費削減が行われるため、合併されれば普通交付税は削減されるのだそう。

ただし、合併後10年間は、合併しなかったときの普通交付税を全額保証されている。そして10年経過した後、5年かけて合併後の金額に徐々に戻されるため、実質減額に向かう。

合併すれば交付税は減らされないのですか?
郡上市の現状は

郡上市は、地方交付税依存度が40%を超過しており、東海圏ではトップになっている。

地方交付税依存度が多い市区ランキング(2010年度:東海編)|ランキングなら eriQoo.com

合併による交付税措置がなくなると10%の30億円弱も収入が減少する見込だそうだ。市長の施政方針でもこう書かれている。

しかしながら、合併支援措置の段階的縮減が始まる平成26年度以降は普通交付税が減少し、平成31年度には、人口の減少分も含めると30億円以上減少する見込みです。

平成23年度施政方針|岐阜県郡上市(ぐじょうし)-Gujo City

地方交付税への依存が高い分、この減少は大きく響くことになるのだろうと予想される。

考えてわかったこと

組織論から考えると、各自に責任感を持たせ、主体的に考え、行動を促すためには、権限を与えることはとても効果的だ。個人や組織全体のモチベーション向上にもつながる。また、「現場の情報」を上層部が把握するのは困難で、うまく情報処理ができず、実情と乖離した判断がされるとも言われる。

一方で、地方に権限が分散すると、統一した戦略を実行できなかったり、セキュリティや作業の品質など、ガバナンスの問題が生じることも事実だ。

いろんな組織で権限の集中と分散に悩むと思うが、そういう意味では自治体も変わらない。

どのような権限配分が適切かはよくわからないけれど、人間の特性として、ある危機に直面して初めて、大きな転換ができるのかもしれないと、今回の震災やこの記事を読んで痛感する。厳しい状況だと認識したからこそ、思い切った転換を図ろうとしている。行政サービスは画一化ではなく、地方に根ざした多様化が求められいる。

参考:

地方財政改革と郡上市の今後 – GAZNAK blog