気分転換に、ひとつの読み物として興味本位で読んでみたけれど、意外に当たり。起業家物語として、起業家の本質をあぶりだすという意味では不十分な点は多いけれど、事業が劇的なスピードで拡大していく様子が、高揚感を与えてくれる。
創業者マーク・ザッカーバーグが作り出したfacebookを中心に、環境が目まぐるしく変わっていう中で、人や組織がどう変わっていくのかが面白い。特に、ハーバード学生時代の共同創業者で、経営面を担っていたエドゥアルドという人の存在が象徴的だった。最初はうまくマークと役割分担できていたけど、途中から別の人間に代わられて、距離感ができていく。それに気づくのに遅れ、最後には「創業者」の地位に固執するようになってしまう。
このときのマークの対応が冷徹のように描かれているけれど、僕としては何ら不思議はない。組織に貢献できなくなったらその人は存在できなくなる、という意味で非常に厳密で冷徹なものだ。(たまにこれができなくなるから、組織が非効率になるのだけれど。)
そういう組織の中で最も強いのは実行して結果を残せる人。facebookでは創業者マーク・ザッカーバーグだ。自ら企画し、コーディングし、人を牽引していく。
組織の中でどうやって生き残っていくか。結局はどういう人が強いのか。読めばよくわかる。そして、ちょっとコーディングしたくなる。
そういえば、デヴィット・フィンチャーが映画化したんだよね。このストーリーをどう描いたかは興味あるなあ。