アメリカで流行中。経済的自立を実現する考え方「FIRE」

正月から、この本を読んでました。

FIREというのは、「Finance Independence, Retire Early」の略で、経済的自立を実現して、早期リタイアするという意味です。

そして本書は、その経済的自立をいかに実現するかを書いてる本になっています。予めお伝えしておくと、原著はアメリカで、税制などはアメリカを前提に書かれているので、一部は日本と異なる部分があります。

FIREの基本方針

基本的な戦略は、次の一言に現れています。

経済的自由にいち早くたどり着く鍵は、できるだけ早く、できるだけ頻繁に、できるだけ多くのお金を稼ぎ、投資することで、複利効果を加速させることだ。

 

投資はギャンブル的だという捉え方をされる場合もまだ多いですが、最近はいろんな形でリスクコントロールしながら手軽に投資できるものが増えています。

本書で紹介されているのはアメリカ市場で、平均年7%程度のリターンを得られることを想定しています。ただ、今は日本にいてもアメリカの株や投資信託を買える環境にあるので、このあたりは日本にいても実施することが可能です。

もちろん投資にはリスクが伴いので、どういうポートフォリオで行うかなど、様々な注意事項やアドバイスも書かれています。過去のアメリカ市場の実績をベースにした戦略になっているのも特徴です。

 

あとは、投資に回す原資をどう創出するか、というところでも、副業や本業の効率化など、様々なアプローチが紹介されているので、それらを読みながら、自分の稼ぎ口を増やすヒントになるでしょう。

 

自分のペースでFIREを考える

FIREで書かれているのは、早く経済的自立を達成したいのであれば、早く投資にお金を回そうという点です。

より早く始めて、より多く貯蓄すれば、より早く経済的自立に到達できる。これが私の戦略のかなめであり、経済的自立に到達するために要する年数や金額を大きく減らしてくれるものだ。覚えておいてほしい。経済的自由にいち早く到達するための鍵は、より多くのお金を、より早く、より頻繁に稼いで投資することなのだ。

 

一方で、必ずしも早く達成するためにいろんなことを犠牲にする、という一辺倒な話ではなく、基本原則を理解しつつ、自分の置かれている状況や好みなどに合わせて、貯蓄や投資、稼ぎ方の手段を組み合わせることも述べられています。そういう意味では、誰にでもどういうタイミングで読んだとしても、参考になります。

キャリア戦略を考えるきっかけに

投資だけでなく、会社勤めも含めて仕事やキャリアについても書かれています。例えば、短期と長期でそれぞれ、キャリアに対する考え方は、こんな感じです。

短期のキャリア戦略は、自分の市場価値(他人があなたに喜んで払う金額)を上げること、そして給与と福利厚生を最大化させることに重点を置くべきだ。福利厚生にはリモートワークや自由なスケジュール管理(時間をより自由にコントロールできるようになる)も含まれる。 長期のキャリア戦略は、あなたが持つ情報や人へのアクセスを利用することで築かれていく。自分の価値を上げ、会社(やほかの人)がいかにしてお金を稼いでいるのかについてあらゆることを学べるよう(将来のフルタイムの仕事や副業、ベンチャー事業に活かせる)、人脈を広げ、スキルを磨き、可能な限り学ぶべきだ。

 

自分のスキルをちゃんと棚卸しして、市場価値をどう高めていけるのかを考える必要があるなあ、と感じました。

スキルとは将来の通貨だ。つまり、より価値の高いスキルを学べば、あなたはより価値のある存在になり、いずれよりお金を稼げるようになるということだ。あなたが持つスキルに対する需要が高く、その組み合わせが多様であるほど、あなたの収入は上がり、選択肢も増える。異なるふたつの一見相反するスキルを習得して組み合わせれば、ものすごく大きな価値が生まれる。

 

スキルの組み合わせという意味では、こちらの本も読んでみたいです。

 

 

経済的自立という観点で、幅広いテーマが網羅されている感じです。そして、投資の内容はあまり専門的ではなく、どちらかというと投資信託にお任せしながら高い利率を実現するというのがFIREの方針なので、投資に詳しくなくてもだいじょうぶです。