パーク24の業績

パーク24の業績からカーシェアリングの現在を調べてみる

駐車場事業で強く、最近はカーシェアリングにも注力しているパーク24の動向を調べてみました。

主な興味は、カーシェアリング事業は現状どこまで拡大していて、今後伸びる見込みがあるか、です。

 

パーク24の売上と利益

まずは全体の売上と利益の確認です。利益率はじわじわ下がっているものの、売上は堅調な伸びを示しています。

パーク24の業績

 

事業構造

パーク24は駐車場事業、モビリティ事業の2つで構成されています。さらに、駐車場事業は国内と海外に分かれてます。モビリティ事業の中に、カーシェアリングが含まれます。以下は、それぞれの事業の売上高の推移です。

パーク24の事業別売上

売上は国内駐車場が大半。カーシェアリングは伸びているものの、パーク24の中では海外の駐車場事業が売上の伸びに大きく貢献しています。これは英国で30パーセントのシェアを持つNational Car Parksを買収したためです。

ニュースリリース | 2017年 | パーク24株式会社

駐車場事業で、海外進出にも積極的に出ていこうというのがわかります。

 

また利益率という点でみると、また違った絵が見えてきます。以下は事業ごとの利益率です。

パーク24の事業別利益率

国内の駐車場事業は当然利益率が確保できていますが、2番目に多いのは海外の駐車場事業ではなくカーシェアリング事業です。2015年は8%だった利益率が、14~15%確保できるようになっています。

海外の駐車場事業は、のれん償却が重くなっており、利益が小さくなってしまっている状況です。償却期間も長めなので、今の状況だけであれば利益を出していくのに時間がかかるかもしれません。それも含めた上での投資期間という位置づけでしょうか。

 

駐車場事業の競争環境

国内の競合企業

駐車場事業で国内の競合になりそうなのは、パラカと日本駐車場開発でしょうか。それ以外にもローカルなどを含めると様々競合がいると思いますが。

東洋経済に、三社の分析概要が記事になっていました。

パラカの場合、地方中核都市へのドミナント進出が奏功。今2016年9月期は5期連続の最高純益更新となりそうだ。5月に増配幅の拡大も発表している。また日本駐車場開発は、子会社で展開するスキー場が歴史的暖冬とスキーバス事故のあおりで苦戦し、今2016年7月期は営業減益となる見込み。ただ、主力の駐車場事業自体はいたって順調で、タイや中国で展開する海外駐車場事業も今期の黒字転換を達成しそう。スキー場の一過性要因が消える来期は、利益の急反発が期待される。

引用元:地味なパーク24が過去最高益を更新するワケ | 不動産 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

三社の業績を比較すると、以下のようになります。

駐車場事業系企業比較

それぞれ駐車場事業だけではないので、本当おおざっぱな比較ですみませんが、それでもこれをみるとパーク24にはすでに国内にはあまり敵がおらず、海外進出を強化していくというのが、今後の方針ですね。

 

シェアリングエコノミーの台頭

ただ、意外というか別モデルから競合がやってきています。それがシャアリングエコノミーです。国内だとakippaが最有力になります。驚いたのは、akippaの駐車場登録数は業界3位になっていることです(記事は2017年時点)。

このような革新的なビジネスモデルから、創業まもないベンチャー企業でありながら、akippaの登録駐車場数は業界3位となっている。その将来性に目を付けた企業も少なくない。たとえば2016年12月にトヨタ自動車が同社に出資し、トヨタ車に搭載されるナビサービスでakippaの駐車場が検索できるようになった。

引用:駐車場業界は「シェア」の破壊力で激変する | オリジナル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

それ以外の駐車場登録数を確認できなかったのですが、駐車場を選ぶ人にとってはひとつの有力な選択肢になっていることは事実でしょう。

ただ、パーク24もB-Timesというサービスを開始しており、こちらは自社開発の駐車場ではなく、住宅や商業施設の余った駐車場を活用するシェアリングモデルです。

B-Timesとは | 駐車場予約ならB-Times

運営台数はまだ小さいですが、これがどこまで拡大していくのか、今の収益源であるTimesがどういう影響を受けていくのか、注目です。

 

カーシェアリング事業の競争環境

さて、次はカーシェアリング事業です。シェアリングエコノミーの台頭といわれていますが、どの程度事業が進んでいるのか、チェックしていこうと思います。

まずカーシェアリングの会員数でみると、国内市場全体は2017年で100万人を超えており、その中でタイムズカープラスが圧倒的です。

カーシェアリング市場動向 – 2017年総括版:主要5社 2016年主要トピックス | カーシェアリング比較360°

パーク24の直近発表によると、会員数が100万人の大台になりそうとのことなので、市場全体はまだ成長しているということでしょう。

パーク24、18年上期は2期ぶり増収増益 国内外で雪害も海外事業が大幅伸長 – ログミーファイナンス

 

前述の通り、すでにカーシェアリング事業自体はコストを十分ペイできるレベルになっており、他社と比較した会員数の多さや、市場の拡大、会員数が増えるほど収益が増えるモデルであることを考えると、今後の成長が期待される分野であると再確認しました。

ちなみに、自動車のシェアリング事業の分析については、こちらがきれいにまとめられていてわかりやすかったです。

三井住友銀行「自動車シェアリングの動向」(PDF)

そしてこちらの資料によると、2020年までにカーシェアリング事業は5倍まで成長すると予測されています(2012年比)。まだまだ市場全体では成長余力がありそうですし、パーク24はその中でリーダー的立ち位置を形成できているということですね。

 

まとめ

パーク24の事業構成からすると、駐車場事業は国内で強者の立場であり、それを活かしてさらなる開発やシェアリングサービスとの競争を繰り広げながら、海外事業を展開するという構造です。

一方のカーシェアリング事業については、市場全体が未成熟な段階から取り組み、今やこちらも国内でトップの立ち位置を形成しています。

駐車場事業とカーシェアリング事業の組み合わせがうまいのは、駐車場という「場所」はすでに確保しており、その上で自動車をレンタルするという相乗効果を築けている点でしょう。

 

駐車場事業ではシェアリングエコノミーの脅威にさらされながら、一方のカーシェアリング事業では自分がレンタカー事業を攻める立場になっていて、面白いなと思いました。

規模の経済が働くインフラモデルなので、場所・ネットワーク・データを膨大に保有している立場からすると、その地盤は簡単に崩れなさそうだなという印象でした。

 

プラットフォームビジネスの優位性については、こちらの本がおすすめです。なぜシェアリングエコノミーが強いのかが理解できますよ。

「プラットフォーム革命」を読んでAmazon、Facebook、Uberのビジネスモデルを理解する

今日はこのへんで。