最近、「働き方改革」が大きく注目されており、長時間労働の是正、兼業・副業の促進などが国でも議論されています。さらに、経済界もこの動きに連動しており、経済団体は有給休暇の消化を増やすことを推進するなど、「働き方改革宣言」を公表しています。
社員の有給消化、3日ほど増やしたい 経団連など「働き方改革宣言」発表 – ITmedia ビジネスオンライン
この中で、有給休暇の消化率が5割以下にとどまる、という点が気になりました。
実際に、どの程度休みを取得しているのか、国の統計データがありますので、見てみましょう。今回使ったのは、厚生労働省が公開している「就労条件状況調査」です。
こちらの最新である平成27年のデータを使っています。
はっきりと浮かび上がる、企業規模別の休みの実態
まず、企業が採用している週休制度の日数を見てみましょう。
すべての企業規模で、最も多いのは週休2日制です。ただ、企業規模が小さくなるにつれて、週休の日数が少ない割合が高まっていきます。
次に、年間の休日数も見てみましょう。
1000人以上の企業では、「120-129日」が最も多くなっていますが、30-99人の企業では、「100-109日」が最も多くなっています。
有給休暇の取得率も見てみます。
1000人以上の企業は5割をやや上回るのですが、そこからは右肩下がりです。冒頭ご紹介した記事の「有給休暇の消化率が5割以下」というのは、これらの数字を見てのことでしょう。
ここから浮かび上がるのは、企業規模と休みの日数は明らかに相関しているということです。もっといえば、企業規模が大きいほど、休みが多いといえるでしょう。
それでも時間とともに改善されている
経年変化ではどうでしょうか。ここでは、年間の休日数がどう変化してきたのかを見たいと思います。
統計データで確認できた平成13年からの推移でみると面白いことがわかります。多少の変動はありますが、1000人以上の企業は平成13年から27年まででほとんど変わっていません。一方で、30-99人の企業や100-299人の企業は、時間の経過とともに休みの日数が増えています。明らかに大企業と中小企業の差が小さくなっているといえるでしょう。
今後、働き方改革が進めば、ご紹介したこれらの数字がもっと改善されていくのでしょうか。多様な働き方、体調に配慮された労働時間に対する価値観が広まれば、もっと豊かに暮らせると思います。
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