このブログでは、過去に居酒屋業界の動向についていくつか書いてきました。
その中で、居酒屋業界で一番大手と言えば、魚民、白木屋、笑笑など複数のチェーン店を運営するモンテローザです。モンテローザは最も大きい企業なのですが、非上場ということもあり、経営数値が分かりづらくなってます。
しかし、非上場会社であっても官報で簡単な売上等の経営数値は知ることができます。
他にも、「業界地図」などにも非上場企業の売上高等の数値は記載されていますので、把握することは可能です。
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そこで今回は、二年分のモンテローザの業績を見てみるとともに、他の居酒屋業界の競合企業の動きも分析してみようと思います。いずれも「業界地図」から引用しました。
モンテローザの業績
モンテローザ自身は、過去二年分でみると以下の数字になっています。
2016 | 2015 | |
---|---|---|
売上高 | 1424億円 | 1454億円 |
営業利益 | 37億円 | 25億円 |
店舗数 | 2124 | 2166 |
売上は若干減少。店舗数も減少しています。しかし、利益は増えてます。
前回の記事でマクロ分析してますが、居酒屋業界は全体で縮小しています。
経済産業省の発表資料を見ても、酒類の生産指数が減少しているのがわかります(こちらの分析資料は、酒関係の最近の動向がよくわかっておすすめです)。
http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini058j.pdf
このように酒類の市場全体が縮小してきているため、モンテローザは規模を調整して収益性を高めているのだと思われます。
他社との比較
モンテローザ以外も含めた企業の動向を見てみましょう。大庄、ワタミ、チムニーが大手になります。ちなみに、モンテローザ以外の三社は上場してます。
四社の売上高が以下になります。2015年、2016年の2年分です。
全体として売り上げは減少傾向にあります。チムニーだけが少し上昇していますね。
次に営業利益率でみた場合の比較です。
こちらを見ると、利益率は全社ともに上昇しています。業界全体として売り上げは伸び悩むものの、各社利益改善を図ってきているのがわかりますね。
ワタミは企業ブランド自体が悪くなってしまい、その影響から売上や利益の低下が目立っていましたが、最近は新しい業態を投入するなどして、復活してきましたね。
ボロボロだった居酒屋ワタミが復活してきた | 内田衛の日々是投資 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
残業規制やプレミアムフライデーなど、消費を加速させる要因が出てきている一方で、家飲み、ちょい飲みなど別の競合が登場しており、居酒屋業界はバラ色とは言いづらそうです。
これまでの大量消費スタイルからニーズが変わってきています。居酒屋業界は新しいニーズに合わせたいく必要がこれからもあるのでしょう。
地元の近所の居酒屋などは、別のコミュニティ空間を構築しており、そのような居場所としての居酒屋は、地域で貴重な存在になってる場合が多いです。そういう居酒屋文化は好きですね。
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