地方ならでは、という意味で独特。経営理論としては物珍しさはないけれど、実際に岐阜県多治見市で業績を上げていることを踏まえると、説得力は違うな、と。
目次 起業戦略編
トレンド戦略編
広告戦略編
IT戦略編
営業戦略編
人材戦略編
事業戦略編
出店する立地の見え方を気にしたり、説明するときにわかりやすい場所に店を構える、など、理論というよりは手に届く具体的な方法が、地方で起業を考えるなら、イメージがわきやすい。いろいろ気になることはあるけれども、個人的に注目したのは「タイムマシーン効果」。
自分の営業エリアとのギャップを埋めるモノはどこにあるのか
東京から地方に移り住んでわかるのは、東京の方が圧倒的に触れる情報量が多く、また新鮮であること。これは住んでみないとわからないのかもしれない。それを逆手に取ると、東京で流行っているものは、いずれ地方に波及する、ということ。タイムマシーン効果というのはその時差を活用しよう、という主張。
タイムマシーン効果は、市場でトレーダーが行うことと似てるのかもしれない。価格と価値に差異が生じているところを狙って、安く買って高く売る。この移動が行われることで、市場は限りなく平衡状態を保つ。
そういうモノや情報が「移動する」ときにお金が生み出されるのであれば、積極的にモノや情報を仕入れることが、業績に直結してくる。タイムマシーン効果というのは、自分の営業エリアとのギャップをどこかから拾ってきて、それをフィットするアイデアを得ることなんだな。
積極的に、いろんなところへ繰りだそう。ビジネスヒントが転がってると思えば、楽しくなりそうだ。
それにしても、地方における経営戦略本を読むと、ほぼ必ずといっていいほどランチェスター戦略が登場するな。この本もそう。ランチェスター戦略は、全般的に使えるだろうけれど、特に中小起業が経営戦略を考えるときに有用だな。ランチェスター戦略を学ぶなら、この本が読みやすくてわかりやすい。