新潮社
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最近統計モノを読む機会が多い。読むたびに、事実を基に分析することの重要性を再認識する。ここに何かを書くためにメモしたんだけど、メモだらけになった。知らない事実が多かった。
公的扶助給付額は際立って高いが、公的扶助が実際に与えられている人は少ない。
公的扶助の給付額は、主要先進国の中で高い一方で、生活保護水準以下の所得で生活している人は15%で、実際に生活保護を受けている人は0.7%なんだそうだ。
また、市場所得で見た場合の相対貧困率は低いが、可処分所得で見ると不平等になる。これは、日本の社会制度が、公的扶助をうまく配分できていないという事実を表していると思う。
今ある分配の仕組みを見直すだけでも、改善される余地はある。
子ども一人を育てるコストは1億円ぐらい。
子どもを育てるコスト=働いていたと仮定した場合にあきらめる所得。そう考えると、子ども一人当たり1億円のコストがかかる計算になるらしい。子ども手当でも、とても足りない。こういうコスト感覚は、みんな気づき始めてるんじゃないのかな。共働きの方が生活は楽になるし、子ども一人持った途端に、時間とお金への制約が劇的に増える。
労働生産性の低い産業を輸入する。
各産業の労働生産性も計算されているんだけど、繊維産業などが効率悪い部類になっている。岐阜でも、昔は繊維業が盛んだったけど、海外の安い製品などに押され、最近は見る影がなくなったという話を聞いた。
労働生産性の伸びにくい産業から、労働生産性の高い産業に切り替え、これまでの産業は輸入することで、国の産業は伸びる。これは、経済学の基本。
官民賃金格差が高い県ほど、民間の平均所得が低い。
これは少し驚いた。こういう事実があるらしい。これは、地方の財政が公務員の給与に反映されていないことを示している。
こういう事象があると、地方で優秀な人材は公務員を目指すようになり、地方産業に人が集まらなくなる。すると、余計地域産業は発展しない方向に向かってしまう。
確かに、自分が就職活動するときも、公務員志向が高い人が多かったなあ。公務員が悪いとも思わないけど、公務員志向が高まる仕組みは、地方経済にとって勿体ないとは思う。