自分がコンサルタントをやっていると、「コンサルタントをどう活用していいか、イマイチわからない」ということを聞くことがある。ので、自分が考える「コンサルタント」のうまい使い方を書いてみる。
前提:使う側の責任範囲を超えて仕事はできない
当たり前かもしれないけれど。使う側の責任範囲を超えて仕事はできない。担当者に決定権がないことには、やはり提案も調査もしづらい。
過去に上司から、「担当者の先まで飛行距離がある資料を作れ」と言われたことがある。これは何を指すかというと、担当者だけでは決定できないことでも、担当者の上司やその先の上司などが見たときに、その人を納得させ動かせるような内容を意識しろ、ということであった。それだけ、仕事をする中で決定権限の壁に当たることが多いということでもある。
使う側としても、コンサルタントに期待する内容に適した、決定権限を持つ人がプロジェクトに加わることが重要になる。
アクション:漠然とした悩みを打ち明ける
問題を明確にすれば、解決策を講じるのはそれほど難しくない、とも言われる。で、「何が問題であるか」を明確にするのはそれほど簡単でもなかったりする。
コンサルタントはそこを明確にすることを求められる。顧客が求めているものを明確にして、そこに解答を導きだす。答えがずれてはいけない。
よくコンサルタントの使い方として「自分の要望や成果物を明確にしてから依頼しましょう」なんて書いてあるのを見るけど、そんなに全て最初からイメージしていたら、コンサルタントに依頼しなくてもどこかのIT業者とかでも良いよね、と思う。「ここらへんが問題だと思ってるんだけどねー」ぐらいの軽いスタンスから始まっても良いんじゃないかと。
アクション:妥当性をチェックする
コンサルタントは経営知識や業界の動向に詳しかったりするので、一歩間違うと「言いなり」になる恐れがある。もちろん熟練で有名なコンサルタントであっても、絶対に正しいなんてことはない。つまり、使う側がコンサルタントの言っていることが妥当であるかどうかをチェックすることが必要になる。
「業界ではみんなこうしてます」みたいな非論理的な説明をするコンサルタントは注意した方が良い。論理的に妥当性を証明できてこそ本当のコンサルタントであると考えているので、使う側もぜひそういう論理的な穴がないかチェックすることを意識した方が良い。チェックなんて難しいこと書いているけれど、やり方は至極簡単。「自分にはわからないので、わかるように説明して」と突き返せば良い。それだけ。
コンサルタントもお金をもらって雇われる身。空気を読んで、相手が欲しがっている結論を導きだしてしまうことだってあるかもしれない。そういう状況を避けるためにも、使う側もちゃんとチェックを。
役割:第3者的なチェック機構として
前項で書いた通り、妥当性や論理性を追求することを得意とするので、何かの妥当性や信憑性を評価できない事態が発生している場合は、それを評価する第3者的チェック機構として、コンサルタントを活用するのはひとつの手段だと思う。
何かの事業などを評価したいときに、その評価の妥当性を証明したり、費用対効果を示したりする。世界にはこういうフレームワークはたくさんあるし、コンサルタントはそういうものに精通しているはずなのだから。
役割:組織横断の役割として
縦割り組織というのは、よくありがちな組織の弊害。それが、コンサルタントを入れることで血流を良くなることがある。本来であれば役割として違うのかもしれないが、実態では顧客の部署間の調整を外部の業者が行ったりすることがある。
情報を収集し、加工・編集するのはコンサルタントの得意とする分野だったりする。その特性を活かして、現場からの情報吸い上げや横断的な調整役として利用するのは、ひとつの活用方法としては悪くないと思う。その場合は、「そういうことも期待してますよ」とコソッと伝えておくと、それを意識して動いたりするので、なお良いと思われる。
他にもいろんな使い方があると思う。情報を集めたいときも、呼んで少し話をしてみれば、望んだ情報の触りぐらいは得られるかもしれない。仕事の仕方も独特に見られるので、働き方を一緒に働いて間近で見てみたい、と言われたこともある。
あまりコンサルタントの実態がわからないけれど、単価高い、とか、言ってることが敷居高そう、などで抵抗がある人は、とりあえず少し接触する時間を増やして欲しい、とも思う。呼んでもらって話をするだけなら、お金なんていただきませんよ。
他にもあるかな。とりあえず、今思いつくのはこれぐらい。
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