○○思考という本はたくさんありますが、このエッセンシャル思考はどちらかというと自己啓発寄りです。
自己啓発の大著「7つの習慣」とかAppleの思考を述べた「Think Simple」に通じるものがあるかな、と思いました。
現在は選択肢多すぎる。本当に大事なものにエネルギーを注ぎ込もう。
一言で言ってしまえば、そういうことです。ただ、これを実現するのは意外に難しい。その難しさをどう乗り越えるかが、本書には書かれています。
自分にとって本当に重要なことが何なのかがわからない
例えば、ワークライフバランスという言葉があります。働き始めたとき、この言葉が正直ピンときませんでした。仕事を精一杯頑張って、必要であれば休日も働いて、早く一人前の社会人になろうと思っていた時期でした。
でも、その後結婚して家族ができたときに、「あれ?猛烈に働くのは良いけど、家族との時間がないのになんで結婚したんだっけ?」ってふと思ったんですよね。自分にとって仕事ももちろん大切だけど、家族との時間も大切じゃないか。そのバランスを取ること=ワークライフバランスなんだって気づいた瞬間があったんですよ。
これは家族の例ですが、自分にとって何を大事にするか、何を優先するかが明確であれば、判断に迷うことは少なくなります。それが意外とできてないことが、エッセンシャル思考を実践する難しさのひとつにあります。
管理職は、優先順位を明確にして、チームがどこにエネルギーを注ぎ込むのかを定めなければいけません。「これとこれが同時にきたら、こっちを優先する」って決めるのが管理職です。そのためには、「なぜこっちを優先するのか?」がちゃんと自分の中に定まっていないといけないのです。
全てはトレードオフの関係にある。何かを選べば何かを捨てなければならない。
だんだん仕事が増えていったり、家族ができたから、自分の時間に対してトレードオフを強く意識するようになりました。だって時間がないし。何かをやろうと思ったら、何かを諦めないといけない。というか、たくさん有りすぎるので、優先順位を決めてやらないと重要なものがいつまでたっても片付かない。
自分で全てコントロールできれば良いのですが、例えば自分以外の誰かと関わる用事になると、途端に難しくなります。断ろうにも日程を変更しようにも相手の都合があるし。そういうときは、ちゃんと事前に断るなど、期待値を下げておく必要があります。
いろんな経営者の本を読むと、飲み会には行かない、あるいは一次会で帰るって書いてる人が結構いました。勉強に集中したい時期は、付き合いの飲み会は一次会で帰っていました。人との関係も大事にしたいですが、二次会・三次会までいくと、勉強の時間を確保できなくなるので。そうやってどこかで折り合いを付けないといけないと思いますし、いろんなこともちゃんと自分で理由をつけてはっきり断っていくと、周りの人も別に何も言わないもんだな、と実感しました。
大切なことをもっと長期的に考えて、いろんな判断を研ぎすませたいな、と思った一冊でした。