ソーシャルメディアに関して、興味深い記事を読みました。面白いけど、別の見方もあるんじゃないかと思ったので、ここに書いておこうと思います。
多様性が失われるソーシャルメディア、「沈黙のスパイラル」へ(田中 善一郎) – 個人 – Yahoo!ニュース
今はコミュニケーションの多様化の過渡期
ITが勃興してから、様々なコミュニケーションツールが生まれては消えてきました。
メールやメッセンジャーから始まり、GREEやmixiなどのSNSが登場してきました。その後、FacebookやTwitterが台頭し、今はLINEが躍進しています。また、Yammerやslackなど、社内SNSなどのコミュニケーションツールも普及が広がっています。
ここから言えるのは、時代の中で様々なツールが登場してきており、目的やターゲットに応じて細分化してきています。その中で、人々は複数のコミュニケーションツールを使って、人や状況に応じて使い分けている、ということです。
約75%前後の人が、リアルな環境(会食時)で家族や友人となら議論したいと答えていた。一方でフェイスブックやツイッターの場の議論に加わりたいと答えた人は約40%に過ぎなかった。ソーシャルがリアルの代替になりえていないようだ。
多様性が失われるソーシャルメディア、「沈黙のスパイラル」へ(田中 善一郎) – 個人 – Yahoo!ニュース
FacebookやTwitterにここまで期待するのは、正直難しいかなと思っています。オープンなSNSでは、議論が難しいことが分かってきていますし。単に「議論するためには違うコミュニケーションツールが必要」ということだと思っています。
「沈黙」するようになったのはキャズムを超えたから
Twitterは2006年にサービスを開始し、日本のユーザー数は2000万人を超えています。Facebookは2004年にサービスを開始し、こちらも日本のユーザー数は2000万人を超えています。
日本の主要なSNSのアクティブユーザー数を調べてみた | Hivelocity ハイベロシティ
イノベーター理論によると、イノベーターとアーリーアダプターで16%程度が占められるので、日本のユーザー数を多く1億人とみても、今のTwitterやFacebookはキャズムを超えてアーリーマジョリティまでは使っています。そうなると、いろんな人が登場してきますし、オープンであるがゆえに議論や交流を高度に行うのが難しくなります。
Twitterは2009年から使っていますが、雰囲気はどんどん変わっている気がしています。昔はもっと牧歌的で議論しやすい空気がありました。
また新しいコミュニケーションツールが登場する
新しいコミュニケーションとして、NewsPicsもあります。NewsPicsはニュースメディアかもしれませんが、誰が意見を言ったかを可視化することで、議論を生み出しやすい仕掛けになっています。
今あるコミュニケーションツールが、ユーザーのニーズを満たしていないならば、それを解決するサービスがいずれ登場するでしょう。FacebookやTwitterに全ての解決を望む必要はないと思います。