週刊ダイヤモンドが銀行特集でした。特に地銀の動きが大きくなっていますね。
内容は雑誌で確認してもらうとして、人口減少を迎える地方における地銀の多くが、利益を出せなくなるという危機感があります。そうなる前に手を打っていかなければいけません。
これ読んで思ったのは、地域を限定されるドメスティックな職種は、外部環境の変化にとても弱いということです。その地域に勢いがなくなると、急速にしぼんでしまいます。地銀はまさにそういう状況なのだと思います。
それはさておき、今回の地銀の動きは、ある1枚のペーパーから始まっていると言われています。
昨年12月、金融庁は地銀各行の頭取に、「金融機関の将来にわたる収益構造の分析について」という1枚のペーパーを配った。縦軸に各地銀が基盤を置く地域の将来の市場規模の縮小度合いを、横軸に現状の収益性を取ったグラフに、それぞれの地銀の位置が点でプロットされたものである。 通称、森ペーパー──。理論派といわれる森検査局長の肝いりで作られたこのペーパーは、地銀の行く末を案じ、再編を含めた生き残り策について、本気で議論していこうという金融庁の意思を雄弁に語っていた。
過去最高益の裏で金融庁が目論む「地銀再編プロジェクト」の全貌|今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ|ダイヤモンド・オンライン
週刊ダイヤモンドには、このペーパーの内容も具体的に書かれていました。「この1枚を見ただけで地銀の現状と課題がわかる」という意味で、すごい破壊力だったのだと思います。
また、昔あるコンサルタントに、「顧客である経営者に会って、ある紙を1枚見せたら、すぐに自分の会社の課題を理解して、翌日には行動していた」という話を聞いたことがあります。
何が言いたいのかといえば、的確に問題を捉えていれば、1枚のペーパーでも大きく物事を動かすほどの説得力を持たせることができる、ということです。そういう破壊力あるペーパーを作るためには、たくさん調べ、考えなければいけません。紙を作る部分というのは、労力のうち本当ちょっとでしかないのです。そういうペーパーを作れる人が、今後はもっと必要とされていくのでしょう。
短くても、本質を突き、そして人に端的に説明できる人が。