ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦

ビッグデータやアナリティクスというのは、すっかりバズワードみたいな感じになっていますが、実際、ビッグデータ・アナリティクスに求められる要素はなんでしょうか。

この「ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦」では、様々な企業がITを活用して、自分たちのビジネスモデルを発展させようとする取組みが紹介されています。

本書のテーマはこれです。

新しい技術の存在は認めつつも、手を出せない大企業。しかし、そんな大企業の中にもこの変化に対応しようとする組織が登場しつつあります。それらの組織がいかにして「組織の壁」を超えたのか。

IT技術はめまぐるしく発展し、事業スピードも速くなっています。その中で、変化に対応するというのは、企業戦略上非常に重要な要素です。

 

ビッグデータ・アナリティクスにいろんな企業が取り組んでいる

この本では、いろんな企業の取り組む事例が紹介されています。

スターバックスは、「フォースプレイス」という概念を提唱し、Web上で顧客体験を向上させる取組みを進めています。

ここに近年、第4の場所「フォースプレイス」構想が加わりました。この「フォースプレイス」とはTwitterやFacebookといった「デジタル空間」を指しています。
この「フォースプレイス」によって今まで店の中でしか築けなかった「スターバックスの経験」を店の外に拡張できるようになりました。ソーシャルメディアを中心としたデジタルによる顧客との新たなタッチポイントはすでにFacebook3190万、Twitter288万フォロワーに成長し(スターバックス本体の数字)、物質の世界で培ってきた40年間の顧客との信頼関係を「店」の外へ複製し、経験を共有することが可能になりました。

日テレは、ネットとの融合を進めることで、視聴者の同時視聴による体験の向上と、視聴率に代わるメディア価値の可視化を進めています。最近では、Huluを買収してましたね。

トヨタが「トヨタフレンド」というSNSを展開していたことは、この本で初めて知りました。車に乗っていない時も「車とブランド」を想起してもらうのが狙いのようです。

【プリウスPHV 3か月検証】SNSトヨタフレンド、見えてきた成果と課題 | レスポンス

それぞれが、どのような経緯から取り組むことになったのかは、本を読んでいただければわかります。

 

スモールスタートで推進する仕組み

とても当たり前の話になってしまいますが、事業環境の変化がとても早く予測が難しいので、いかにクイックに立ち上げてPDCAサイクルを回すかが重要になっています。クラウドなど低価格で利用しやすいITサービス環境が整ってきたことも後押ししています。

あとは、組織の問題ですね。本書の事例でも、やはり担当者やリーダーの一声で「まずはやってみる」という流れが生まれてから進んでいるケースがありました。大きなミスをしないようガバナンスすることも重要ですが、勢いを生み出して進んでいくことも非常に重要になっています。

そういう意味では、上記に挙げた事例が「成功している/していない」の尺度だけで評価されるのではなく、アイデアや組織も含めて取り組むアプローチが参考になるんじゃないかと思います。

 

ビッグデータやデータアナリティクス系の本は増えていますが、日本を含めて事例を細かく記載した本はあまりないんじゃないでしょうかね。