こないだ、小さな居酒屋でお酒を飲みました。本当小さくて、お世辞にもおしゃれとは程遠い店だったのですが、非常に面白い時間を過ごせました。
酒屋がてがける居酒屋
そこは、酒屋さんがてがける居酒屋で、店の隣には酒屋がありました。
お店にはたくさんの酒が並んでいたのは当たり前として、興味深かったのは酒蔵と提携して独自ブランドを販売していたことです。酒蔵に直接交渉に行って、酒を作ってもらったりするんだそうです。酒の「販売元」にもしっかりと酒屋さんの名前が書いてありました。
店主の方は、「酒屋だけでは最近はずっと厳しいからねー」とおっしゃっていて、居酒屋をやったり、酒蔵にお願いして酒を作ってもらっているようです。
酒屋業界の現状
酒にまつわる業界は、結構厳しい状況です。まず、アルコールの消費量や支出が減ってきています。飲酒運転規制の強化、第3のビールなど様々な要因が重なってきています。また最近では、若者の「酒離れ」もあるようです。
そして、一時酒屋のディスカウントストアが台頭したことによる価格競争が始まり、町の酒屋さんはどんどん減ってきました。今ではスーパーやコンビニなどでも酒が販売が増加しており、ディスカウントストアも苦戦しているようです。
酒ディスカウント・ストアの成功と凋落 – nishichanbunseki’s jimdo-pages
「一般小売店」のシェアは、平成3年から平成18年で3分の1ぐらいになっています。
バリューチェーンで考える酒販業界
こんな厳しい酒屋の業界ですが、バリューチェーンで考えると、飲みにいった居酒屋さんは経営戦略として正しいことをしています。
業界をバリューチェーンで捉えると、こうなります。
今回の酒屋さんは、最初川下にある居酒屋を開業されました。最終消費を抑えることは、販売単価やマージンをコントロールしやすくなります。
また、川上にある酒蔵に交渉して独自ブランドを作ってもらってます。これは、卸業者の中抜きを行うとともに、プライベートブランドによる独自性を高めています。
つまりバリューチェーンを垂直統合しているんですよね。だから生き残れているんだなーと思いました。
そして、店主の方はやはり酒の知識が豊富なので、非常に話していて面白いんですよ。酒の成分の違いとか、ブランドの由来を説明してくれたり、客の好みにあった酒をすすめてくれたり。そういう違いを生み出せないと厳しい業界なんだなーと思った次第です。
惜しむらくは、ホームページなどの広報手段を持っていないことかな、と。隠れ家的で良いのかもしれませんが。
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