「無印良品は、仕組みが9割」を読みました。この本では、主にMUJIGRAMと呼ばれるマニュアルの有効活用など、仕組み化することで、組織の生産性が劇的に向上するということが書かれていました。
マニュアルは、作業の生産性を向上させる上でとても有効
この本に書かれている、マニュアルの活用については、とても同意です。僕も日頃から、業務を標準化したり、底上げするためには、作業や考え方を可視化することが重要だと思っています。現場でマニュアルがない、ということがよくありますが、そういう場合はうまく知識が蓄積されず、強い組織にはならないのです。
一方で、「マニュアル人間」と言われるように、なんでもマニュアルに決めてしまうと、それ以外はやらない、創造的にならないなどということも言われます。僕はその点については違うと思っていて、重要なのは「マニュアルを見直す作業」が、仕組みの中に含まれていれば、創意工夫も生まれるし、マニュアル人間にはなりません。重要なのは、「見直す」や「最新化する」プロセスをルール化してしまうことです。
そういう思いが、この本にはたくさん書かれていて、「そうそう、そうなんだよ」と思いながら、読み進めていました。みんな、この本読んでマニュアル作りましょう。
自分用のマニュアルも作ってみる
この本には、最後の章に「自分用のマニュアルも作ろう」と書かれています。家事など、身の回りの作業でもマニュアル化すると、生産性が上がったり、家族で情報共有が進むということです。これに影響されて、自分用のマニュアルも作ってみることにしました。初めてからここ数日運用していますが、それなりに良い調子です。どういう点で有効かというと、
- 繰り返し作業する必要があるけれど、いつも思い出すのに時間がかかる
- やった方が良いと思っているけれど、何となく着手できない
というような作業です。繰り返し行う作業は、定型化することで、生産性が上がっていきます。また、なんとなく着手しづらい作業は、作業ステップを細分化しておいて、作業着手へのハードルを下げる効果もあります。
僕は、そういう自分のためのマニュアルを、Evernoteに書き溜めていくことにしています。まだ少ないですが、少しずつ溜めていって、生産性を高める努力をしていこうと思います。
まずは行動することで、思考も変わっていく
無印良品は、一度業績が悪化し赤字になるのですが、その後はV字回復を果たします。そのときに、様々な新しい仕組みを導入し、組織改革を行っていったのです。組織改革では、必ず抵抗勢力が生まれます。人間はやはり変化をするのが苦手で、先に感情的な拒否反応が出てしまうものです。
そこで、無印良品では先に仕組みを整備してしまって、あとはそのルールに従って作業してもらうことにしました。最初は反対意見も出てくるのですが、次第に仕組みに慣れたり、効果を実感するにつれて、反対意見もなくなっていったのでした。
ここで面白いと感じたのは、「とにかく、行動する」ことを優先して、そのための仕組みを整備したことです。人は、行動すれば変わるきっかけをつかむことがあります。よく、笑顔の表情を作ると、感情としても楽しくなると言われていますが、それと同じようなことでしょう。先に行動が生まれると、感情が後から付いてくる。そういう人間の特性も、何かを変えるときには重要になります。
これは自分に対しても同じです。自分を変えたいと思っても、なかなか変えられないものです。そういうときは、まず行動してみる。そして、行動するためのきっかけがマニュアルです。あまり深く考えず、マニュアルに従って行動してみたら、少しずつ自分も変わっていくかもしれません。
というわけで、みんなマニュアルを作りましょう。この本を読んで。