先日、「楽天でんわ」が発表されて、「とりあえずデメリットなし」ということだったのでインストールしてみました。
楽天でんわ -番号そのままで通話料半額- 1.0.1(無料)
カテゴリ: ユーティリティ
販売元: Fusion Communications Corp. – Fusion Communications Corp.(サイズ: 4.5 MB)
全てのバージョンの評価: (149件の評価)
「楽天でんわ」は、昔の固定電話にあった「マイライン」と同じく、宛先の電話番号に固定の番号を付与することで安くなる、というモデルです。IP電話ではありません。
楽天でんわ: 電話アプリ
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これは、携帯通信会社の中抜きになります。それ以外にも、SkypeやLINE、050plusなどのIP電話もあります。こうやってみると、携帯電話の通話料として支払っている割合って、どんどん減っているのでは?と思いました。ドコモ・KDDI・ソフトバンクなど携帯通信会社の売上ってどうなってるんだろう?
携帯通信会社はどこで儲けてるのか
携帯通信会社では、業績指標のひとつとしてARPUというのがあります。月間の1ユーザーから獲得する単価のことですね。ドコモの業績発表からARPUを見てみると、音声ARPUが減ってきて、パケットやその他コンテンツ等で補填しています。
引用:ドコモ早わかり講座 : 事業の状況 | 企業情報 | NTTドコモ
「スマートフォンが普及すれば、データ通信が増えるから、単価増だ!」ということで、スマートフォンへの買い替えと、それに伴うネットワークトラフィックの増加懸念をWi-Fiで補完したり、次世代ネットワークを整備しよう、という動きが加速されてきましたが、それもひとつのヤマを迎えている気がします。ソフトバンクの決算資料がわかりやすいですが、携帯電話に支払う料金は4000円台半ばで収斂しているようです。
ガラケーがスマートフォンに置き換わっていくというトレンドは確実なものの、もっと広げよう・もっと単価を上げよう、となると「ガラケーでいいじゃん」という人たちが留まってしまう、競争に負けてしまうという状況のように見えます。
つまり、ざっくり言うと、「携帯通話料で儲けよう」というフェーズから、インターネット通信が普及してくると「データ通信料で儲けよう」という流れがiモードからスマートフォンまできていたわけですが、それも頭打ちの様相を呈してきている感じです。
そこで重要になってくるのは、音声でもデータ通信でもない収益源の確保です。
新しい収益源の構築
新しい収益源は、例えばドコモのdマーケットであり、KDDIのスマートパスだと思います。携帯電話を開いたときに、通信会社が設置したポータルサイトがある。これは大きな優位性であり、売上増を期待することができます。
ただ、ここは競争が激烈です。iPhoneにもAndroidにもそれぞれアプリやコンテンツのマーケットがあります。AmazonはKindleでAndroidをラッピングして自分たちのマーケットを作ってしまいました。さらに、LINEも「LINE MALL」の立ち上げを行っています。
LINEがショッピングサイト スマホ向け、個人出店も:朝日新聞デジタル
つまり、スマートフォンになったことで、通信キャリアのポータルサイトを通る必要はなくなってしまうわけです。
ドコモもこの流れを受けて、dマーケットはドコモキャリアでなくても登録できるように開放しています。携帯の契約数が飽和してきていることと関係しているとも思いますが。
NTTドコモの冬春戦略に見る“総iPhone時代”を勝ち抜くための武器とは – docomo IDのキャリアフリー化は今後大きな武器に 日経トレンディネット
今後は、スマートフォンからアプリや音楽・映画などのコンテンツ類、あるいは物販などのショッピングをしようと思ったときに、いかに多くのアクセスを集められるマーケットを作るかにかかっています。
まとめ
というわけで、携帯通信会社はこれまで事業モデルはどんどん変化してきており、携帯電話の通信費用で稼ぐモデルはほぼ終わりに近い状態です。今後はコンテンツ事業など新しい収益源を確立する時期にきています。
個人的には、インターネット企業として事業を展開していて、Yahooを持っているソフトバンクに一利ありそうですが、YahooもPCからスマートフォンへの転換によって、ポータルとしての機能を盤石なものにできているわけではないです。さらに、携帯キャリア以外にもいろんな企業が群雄割拠しているので、実際どうなるかは今後注目です。