「食糧危機」をあおってはいけないにも書いてあったが、グローバル経済の中で、食料自給率を必死で上げることに、どれほど重要な意味があるのだろうか、とい う考えがある。これは同意だ。貿易封鎖なんて、起こる可能性は限りなく低いだろうし、そんなことが起こる事態であれば、そもそも今の日本社会が成立しない ぐらい重大な問題が生じているときだ。
そして、本書ではこうも言っている。
「日本国内の農地面積は470万ヘクタールです。その一方で、日本は3000万トンの農産物を輸入しています。耕地換算すると1200万ヘクタール。日本の農地の2.4~2.5倍に相当する。(略)食料自給率はせいぜい5割程度と言わざるを得ない。」
国家として総力を上げて食料自給率を上げることの費用対効果はないと思う。
農協に変わる農産物流通システム
最近は小売りとの直取引も当たり前のように見かけるけれど、もっとシステムとして拡張することだってできるのかもしれない。
「日本の農業再生に一番欠落しているものは、生産者が十分な収入を得て、農業を持続可能なビジネスになるよう、産地と消費者を結ぶ流通業者がきわめて少ないことだ。」
この本で登場する「NISHIYAMA」のように、農協と競合になるような、生産力のある農家が参画しやすい流通システムを作り出すことも、無謀ではないと思える。
ただ、週2日だけ働いて 農業で1000万円稼ぐ法でも書いてあったが、農協には一定の役割があるとは思う。単純に解体すればよい、という問題でもないし、農協=悪というのも何か違う。
最近、農業に関する本をよく読んでる気がするけど、読めば読むほど、難解な業界であり、でも可能性を感じる。今後はもっと変わっていくのかも。ビジネスチャンスもあるだろうか。