【書評】100円のコーラを1000円で売る方法

マーケティングだ!とか顧客志向だ!と言っても、なかなか実践するのは難しいものです。というわけで、マーケティングに関する本として、最近タイトルが気になっていたこの本を読みました。

もしドラや「ディズニー魔法の会計」など、ストーリー仕立てになっていて、さくっと読めた。

好評だったらしく、続編やマンガ版も出ているようです。

ストーリー仕立てながら、バリュー・プロポジション、カスタマーマイオピア、キャズムなど様々なマーケティング理論が実例と当てはめて語られており、非常にわかりやすく、内容の密度も濃いな、というのが読んだ印象です。MBAでもマーケティング理論を学習しますが、これらを一体的に理解する、というのは意外に難しいので、改めてこうやってストーリーの中でマーケティング理論が当てはまる様子を把握する、というのは良い学習だな、と思いました。

これからの企業経営にはマーケティング戦略が欠かせない

個人的には、マーケティングの重要性はとても上がっていると思っています。

日本市場全体が、成長期が終わり、成熟期になっていることで、各自が考えて市場を切り開く必要がある、というのは今の経営環境だと思っています。そうなると、横並びで製品やサービスを売るのではなく、ターゲットを決めて、顧客に合った販売方法を構築していくマーケティング戦略が必要になります。

日本政策金融公庫の論文でも、同様のことが書かれていました。

小企業の新たな顧客層開拓の取り組み(PDF)|日本政策金融公庫

一部引用させていただくと、

もっとも、いまや市場が成熟・停滞している業界は多く、小企業の経営者にしてみれば、そう簡単に売上は増やせないというのが本音だろう。現に、「全国中小企業動向調査(小企業編)」(2012年7-9期)の結果では、経営上の問題点として「売上(受注)の不振」をあげる小企業は55.4%に上り、半数を超えている。

おまけに、現在はデフレの状態にあり、商品やサービスの価格をぎりぎりまで下げて設定している小企業は多い。そうした状態で、売上を増やすためにやみくもに手を打てば、獲得できる粗利よりも費やした諸経費の方が多く、むしろ利益が減ってしまったということにもなりかねない。

ということで、今の経営環境の問題はコスト削減ではなく売上の増加であり、新規顧客の獲得です。これを実現するために、厳しい外部環境の中でやみくもに経営をしていると、コストだけが積み上がってしまう、という懸念が大きいわけです。

話を本に戻すと、マーケティングは顧客を中心に考えることであり、それは以下のように書かれています。

本書のテーマは顧客中心主義への回帰。そしてお伝えしたかったことは、顧客中心主義とは、「顧客が言うことは何でも引き受ける」ということではなく、「顧客の課題に対して、自社ならではの価値を徹底的に考え、提供する」ということです。

本書の後書きで、マーケティングに関する本がたくさん紹介されていましたので、それらを読むとさらに理解が深まるんじゃないかと思います。マーケティングを勉強しよう。

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