成果を上げるためにはどうすれば良いのでしょうか。世の中にはたくさんこの手の情報が溢れていて、間違ったイメージが広く伝わっていることもあるようです。本書では、実績あるコンサルタントがそういう常識に対して疑義を呈していきます。
例えば、こういうことです。
・「優先順位を立てること」をやめたおかげで、働く時間が半分になり売上が倍になったセールスパーソン
・「顧客志向」をやめて、客単価が倍になり、会社の利益が2・7倍になった経営者
・「夢を紙に書いて」も、夢を細分化して計画しても叶わなかったのに、あることをやっただけで長年の夢だった独立起業を果たしたサラリーマン
・「人のために尽くす」のをやめて、徹底的に利己主義を貫くことで年収を倍にし、孤児院に寄付をしまくっているスーパーサラリーマンなど、「常識」を破ることで、一瞬で成果をあげるようになった人がたくさんいます。
本書で書かれている根本は、「いかに成果を出すか」であり、その観点に基いて実行されるべきである、というのがテーマです。僕もタスク整理をして日々作業をこなしていますが、タスク管理もやり過ぎるとあまり効率が良くないな、と感じることもあります。自由な発想が生まれなかったり、タスク管理が目的化してしまう場合もあります。そういうときは、本来の目的を見失っているのでしょう。
組織管理の面でも、非常に面白い示唆が含まれてます。この表現はわかりやすかったです。部下を叱る基準を明確に示してます。
「できない」と「やらない」を明確に区別する、ただそれだけ。その上で、「やらない」ときだけ叱ればいいのです。
部下の「成長」の観点がここには含まれていませんが、ある時点を切り出せば、この表現は非常に的確だと思います。「できない」ことを叱るのではなく、「やるべきことをやっていない」を叱るべきで、「できない」ことは成長を促す必要があります。
また、もうひとつ良い観点だと思ったのはこちらです。
さらに言うと、正しい行動をさせれば、結果的にモチベーションがアップします。スタッフのモチベーションが上がらない理由の8割以上は、成果をあげられないことにあるからです。スタッフには、成功体験が必要なのです。
結局は、成功体験だということです。内容やプロセスも重要だといっても、やはり成果に結びつくという事実に代えられるものはありません。
どうやったら成果を上げられるのか。それを考えるためのヒントを与えてくれる一冊でした。日頃の仕事の仕方に迷いがある方へ。