最近、改めてノートの書き方について考えてみたいと思ったのでこの本を読んだのだが、結構納得がいくことが多かったので、思ったことを書いておく。そもそも、手帳やノートというのは個人的なものなので、書き方やノウハウなどの知識はあまり伝播しづらい。なので、こういう本や雑誌の特集などで学んでいくしかないのが現状だ。
自分の行動や感情を記録する意味
自分の行動や感情を記録して、自覚を芽生えさせることを最初のステップに掲げている。なるほどと思ったのは、書くことで自分の感情を「良い温度感」で表現できるようになる、いわばボキャブラリーを増やす効果がある、ということだ。
人間は訓練されないとなかなか表現としてのボキャブラリーは増えません。そして、ボキャブラリーが少ない人は極端な表現をしがちになってしまいます。
余談だが、社会人になって「お礼にも謝罪にも、度合いというものがある。その度合に応じて言葉を選ばないといけない」と教わった。いつも極端にお礼を言ったり謝罪を伝えたりすると、それよりももっと嬉しいこと、申し訳ないことがあったときに、的確にこちらの温度感を伝えられなくなるからだ。つまり、コミュニケーションを円滑に行う上でボキャブラリーはとても重要なのだ。自分の感情を書き留めるということは、そういう効果がある。
ノートに書いて自分の思考を発展させることで差別化を図る
ブログを結構長い期間書いているけど、自分の思考にまで発展させる、ということはとても難しいという実感がある。まさに、この本ではその内容が書かれていた。そして、自分の主張を作り出すための一歩がこれだ。
論理を深めていくと、みんな同じような結論になりやすい。だからこそ、最後に自分の感情を入れると「私だけ」の論理になります。
そして、知識を教養、見識にまで発展させることで、独自のスタンスを築けるようになる。
スマートノートが鍛えるのは「効率よく正しい情報にたどり着くため」の”賢さ”ではないのです。 そんな”賢さ”は「秀才」の人たちにくれてやりましょう。 私たちが目指すのは「天才」の領域、「私によれば世界はこう語れる」という英知の世界です。
あえて面白い仕事をする必要もないし、特別、面白い体験をする必要もありません。 「人より早く新しい情報を見つけて発信する」とか、「人の知らないことを見つけて発信する」という競争に巻き込まれなくてよくなるのです。
とても読者に優しい本である。語りかけるように、最初のノートに記録をつけるステップから丁寧に説明してくれる。そして、最後には自分の思考にとても大きな可能性があることを感じさせてくれる。とりあえず、この本を真似するところから始めよう。